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旅の記憶、長野と松本の城下町。昔を思い出したくて!

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長野県松本市には、4歳から7歳まで住んでいた。子供の頃の記憶をたどり、きゅうに行きたくなった。そんな申し出を、友人H氏にすると、すんなり乗ってきた。「じゃぁ、途中で善光寺でもお参りするか!」イッキに話しはきまる。

車で、練馬から長野まで、高速道にのれば2時間ちょっと。午前10時半には着いた。善光寺の駐車場に車をいれ、中にはいる。残念なことに、建物は改修のためシートに覆われ、外観が見えなかった。ニ人で参拝し、昼食を何にするか!街をブラブラする。

善光寺といえば、最強のパワースポットとして知られた建造物。一生に一度お参りすれば往生できる!という。創建は、天武天皇の時代で、日本では、最も古い信仰の場としても知られている。仏教が花ひらき、様々な宗派が生まれる以前の教え。無宗派なので、誰でも参拝できる。

来歴は、奈良時代(710年〜794年)に、百済王善光が渡来人の祖として崇められたことにより造られたようだ。朝鮮半島で滅びた百済の国。その百済の人々が、日本にわたり、朝廷に仕え、寺を建てたという。この当時、知識人は渡来人であり僧侶だった。学びの場として、寺を建立したと思われる。

「そば処」にはいって、昼食を済ませた私たちが、次に向かったのが松本。車でおおよそ1時間の距離だ。さっそく松本城へとむかう。驚いたのが、堀の広さだった。幅が60mはあるという。建てられたのが戦国期の1590年。鉄砲の射程距離以上の巾を持たせて、防御力を上げたようだ。

築ったのが、石川数正。数正といえば、家康を裏切った武将として有名な人物だ。家康に幼い頃から付きしたがった数正だが、小牧長久手の戦いのなかで、出奔。秀吉の元へ向かった武将である。家康の側近中の側近。この事件で、家臣団に動揺が広がる。家康は、秀吉との戦さをあきらめたと言う。初戦のツバせりあいで勝った徳川家臣団。秀吉とやる気満々だったが、刀を鞘に収めることになる。

実は、この後も秀吉は、家康を討ち取ることを目指していたようだ。しかし、天正の大地震があり、秀吉方の城がことごとく崩壊するという目にあう。秀吉は、懐柔策に方針をかえ、自分に臣従にするよう様々な努力をする。結果、家康も生き残り、秀吉も、関白の地位を得たということだ。

秀吉は、国替えで家康を関東へ追いやる。しかし、力を持っていた家康には、かなり気を遣っていたという。反乱を起こしても大丈夫なように、信州から甲州にかけて、家康包囲網をきづく。その一つが、この松本城だった。天主は東をむき、家康と常に対峙するカタチとなる。

秀吉亡き後、石川家は徳川方に組し、関ヶ原でたたかう。そこまでは良かったが、数正の息子、慶長のとき、幕府の許可なく堀を改修したことで、お家が取りつぶされた。以後は、徳川ゆかりの人物が城主となる。ちなみに、この改修の跡は、信州ミソヤ「萬年屋」の裏手で見ることができるようだ。カマボコ状の土塁、それが一部だという。

松本城には、1680年ころに新たな櫓(ヤグラ)がきずかれた。これは城主の松平直政が、3代将軍家光を招いたことによるようだ。月見櫓と名付けられたその建物は、朱塗りで優雅な造りになっている。戦さと、平和の象徴が、ひとつの建物になった。

城をみた私たちニ人は、早々に旅館(マルモ)に向かった。その旅館は、明治期につくられた木造3階建てで、客の半分は外国人だという。ここを選んだ理由は、建物の面白さと、カエルで有名な「縄手通り」に近かったこと。しかも宿泊は素泊まり5000円という安さだ。

チェックイン後、すぐに街中に繰りだす。川横の縄手通りで、カエルグッズをみた私たちは、すぐ横にあった和食居酒屋にはいる。ご当地の食材と、地酒に酔いしれた。隣で飲んでいた地元の方(50代男性)とも仲良くなる。私が「街がキレイになりましたね」の声掛けに、その男性は「長野オリンピックの後、地元は潤ってないのヨ。ぜんぶ流入した業者に持っていかれた!」とだいぶご不満を持っていたようだ。

翌日は、入浴目的で浅間温泉へ向かった。日帰りの枇杷(ビワ)の湯。1300年の歴史ある温泉で、店主は石川数正の子孫だという。「小口」という姓だが、この名湯をいまの世まで伝えている。

石川家は、取りつぶしになったが、この一族は名を変えて、この地に残ることを許されたという。今の世まで、家とこの名湯を守った。店主が言うには「石川家が残れたのは、主君・家康を救ったからだ。だから、私たちは今ここにいる」。確かにこの話には納得させられるものがある!そう思った。

まとめ
信州長野は、見所がおおい。しかも、素朴だがうまい食材に溢れている。歴史のロマンには溢れ、何といっても新しい出会いにおどろく。多分これからも旅に出るとすれば、長野になると思う。

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