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Sensationというインストバンドにはコロナ禍に出会った。

Sensationというインストバンドにはコロナ禍に出会った。当時既にデビュー9周年だったのでかなり遅い出会いだ。知名度はそれ程高くないが、4人のメンバーが全員プロのミュージシャンとしてライブやレコーディングなど各方面でサポートをしているので、音に触れたことのある人は多い筈だ。
1枚目のアルバム1曲目の、バンド名そのものをタイトルにした作品は、聞けばたちどころに目の前に海が広がる。特にサマーサウンドという訳ではないのだが、海の匂いがする曲だ。
クーラーもろくに効かないような小さな車で、大学生くらいの4人の男子が、誰も走っていない坂道をのんびり下っている。開け放した窓から熱風が吹き込み、ペットボトルは既に体温と同じくらいにぬるまっている。ゼミの話、ゲームの話、SNSの話、バイトの話、好きな女の子の話。口数はそれ程多くなく、辟易する暑さにやられているといった風体だ。それが急に、助手席からの「海だ!」の一言で活気付き始める。身を乗り出すもの、指笛を吹くもの、カーステレオからはボーカルレスのイカしたサウンド。そんな風景に流れていて欲しい。
Sensationは明日でデビュー11周年だ。

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