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だいぶ前、TOEICを受けに行った時

だいぶ前、TOEICを受けに行った時、2つ前の席にワンオクのツアーTシャツを着た女の子が座っていた。ほんの少し明るい髪色にショートカットが似合っていた。試験後、洗面所でたまたま隣の水道を使っており、私の方が先に出ようとして「お先に」という感じでちょっとだけ会釈をすると彼女は「お疲れ様でした!」と爽やかに言葉を返してくれた。
次に会うことがあるとかないとか、この先縁があるとかないとか、そういうことじゃなくて、一期一会というか、その瞬間を共にした相手への挨拶って、あっていい。
同じように、バス停とか、朝の散歩道とか、カフェとか、ライブ会場とか、行くといつも何となく顔を合わせる機会のある人とは、どうしても友達になろうとかではなくて、いい意味で「顔見知り」のままでいるのが好きだ。あ、あの人また来てるな。元気そうだな。今日はお洒落してるな。髪切ったんだな。あ、目が合った。そして「こんにちは」と互いに気持ちよく挨拶をする。それでいいんじゃないのか。
誰とでもすぐに仲良くなれるのは殆どの場合いいことだが、相手との距離感を一定に保ち続けるというのも、心地よい人付き合いのひとつの方法のような気がする。

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