見出し画像

3月20日 胸中の手記 虎落笛(もがりぶえ)恋のような文

 3月20日 水曜日 春分の日、強風

 こんなに風が強いだけで力を入れても前に進み難い。
 こんなときいつも考えることがある。
 風に背中を向けたら、寄りかかって楽になれるのではないか。
 そうして、寄りかかると、風はわたしの全体重を支えるわけではないから、転ぶ前に転ぶ予感がする。転んでいる余裕はないので階段を上る。
 下から虎落笛もがりぶえが聞こえる。谷底にいるような心地のする音。
 風が笛のように鳴ると、まるで険しい谷を駆け上がってきた山羊だ。
 胸を張ってろう下の外を見下ろしている。

難しいです……。