9/25 ラジオに出演しました。

9月25日放送されましたNHKラジオ第一「NEXT名人寄席」に出演いたしました。
なぜ出演のオファーを頂いたのかもよくわからないのですが、関係の方に深く感謝申し上げます。

新作落語をやりましたが、演目を決めるにあたりディレクターさんとやり取りし、候補を10本近く出して検討して頂き、結果『世界の終わり』という題でやっている噺を申し上げることになりました。

『世界の終わり』はちょっと特殊な構造を用いていて、全く面白みを感じない人もいるだろうとも思います。ひとつの限界の例です。お好きなお客さんが一定数いらっしゃる時は、かなりのグルーヴが生まれたりします。
がじらに馴染みのない皆様のところへ電波に乗せて飛ばすにはいささかチャレンジングとは思いましたが、自分好みのネタを喋らせて頂けたということで、ゾクゾクするような嬉しさもございます。

そもそもこの噺は、敬愛する推理作家・山口雅也先生の傑作短編集『ミステリーズ』に触発されて生まれた噺で、ご縁があり先生ご本人にも聴いて頂くことができました。先生がミステリの中で実験されているアイデアの数々を、話芸や笑いの中に落とし込んで行けたら理想的だなあ…などと考えたりしています。山口先生は落語に大変造詣が深く『落語魅捨理全集』なる本を著しておられます。落語家のハナシよりも落語を感じられますよ!

また噺の中に登場した落語雑誌「落語ナックルズ」は大好きな劇団Mrs.fictionsの落語界を題材にした名作『花柄八景』でお馴染みですが、聞いただけで笑っちゃうので作演出の中嶋康太さんにお願いして使わせて頂きました。来年5月にこまばアゴラ劇場で再演されるそうなので、今から楽しみです。落語ファンの方は是非です。

ギャグとして入れていた部分を、放送に大丈夫なように自分で勝手に気にして変えてしまいましたが、結果的に噺のまとまりはよくなりました。マルクス師匠がチャゲアスのメンバーと俳句のやりとりをしているくだりとか、カット!

ナビゲーターの長井短さんが、私の参加している劇団「地蔵中毒」の前回公演を観てくださっていたこともあり、ちょっと触れてくれました。もう本当に有り難いです。長井短さんがいらしてたとは…舞台上より客席の方が豪華なのはどういうことでしょう。ひたすら感謝でございます。

いちばん緊張するのが、師匠にコメントを頂いたことで、スタッフさんが取りに行ってくれたわけですが、なかなか師匠から言葉を頂く機会がありませんので大変に有り難かったです。私のことでお手間を取らせて申し訳ないですし、無理にでも肯定的に言及して頂いたわけで、思い出になりました。
しかし収録時も放送と同じように師匠のコメントを流してから上がるわけで、これで途端に緊張しだすという。おまけに本放送では、冒頭に小三治師匠のご挨拶が流れ、よけいに体が動かなくなりました。

そういうわけで、ご聴取ありがとうございました。聴取で合ってるかな。
がじらの落語会にお越しくださいませ。新作のオファー等々もお待ちしております。

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