毎月の前座勉強会。笑王丸ものの一もちゃんとネタ下ろしをしていて偉い。出来がどうであれ、ネタ下ろしは尊いものだと思っている。平日の昼だけどらくごカフェがこの数ヶ月しっかり埋まっていて、これはとても良い傾向だ。お客様が多いと張り合いが出て高座の質も上がるし、良い高座をするとお客様も少しずつ増えるし、この二人の勉強会は良いサイクルに乗りつつある。平日の昼だから来づらいと思いますが、ぜひ平日夜とか土日にやってるそれぞれの勉強会に一度行ってみてあげてください。ちゃんと目標に向かって落語と戦っている瑞々しい若者の姿がそこにはあると思います。

　思えば笑二と毎月やっていた勉強会は、良い熱気を生み出せていた。いまとはぜんぜん違う、サゲまでもう一捻りある『舌打たず』をネタ下ろししたのはこの会だった。笑二の『化物使い』ネタ下ろし、衝撃的だったな。毎月二席ずつ個性爆発の高座を繰り広げていたこの勉強会は、気づいたら広小路亭を満席にできるくらいのお客様が集まるようになったな。表現者に優しい高円寺の恩恵を受けて会場費がびっくりするくらい安く抑えられたこともあって、売上を二人で分けても、それだけで光熱費とか携帯代を全部払えるくらいになったな。笑二に至っては下手したら家賃も払えるくらいの収入になったはず。
　落語家未満の前座という身分にあって、自分の落語でしっかり稼ぎを得られることは大きな自信になったし、そのときずっと頭にあったのは師匠から言われた「面白い落語家は前座の時から面白い」という言葉。