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【無料】あと295日(たぶん):かっこいい真打になる。

5月3日
 「真打トライアル2024」のチケットが去年に比べて明らかに売れ行きが悪く、「だから言わんこっちゃない」と思われているのだろうな。現に勢いが落ちるから、間をおかずにすぐに昇進した方がいいと、去年のトライアルが終わってから何人もの方に言われた。ただ、師匠や志の輔師匠からはそうは言われなかった。自分が思うタイミングで昇進したらいい、と言ってもらえた。

 そりゃ、去年のトライアルは華々しいものだったから、普通に考えたらあの勢いのまま昇進したら良いと思われても当然だ。「真打計画」と銘打った企画を始めて、NHKを獲って、トライアルは五ヶ月連続満員御礼で、公推協杯で優勝して、例えば今のタイミングで真打披露を行っていたら、そりゃ流れはスムーズだ。
 ただ、自分としてはそんな”普通に考えて”良い勢いで昇進したね、と思われるようなそんな無難な状況で昇進したいとは思っていなくて、真打計画を始めた時に「かっこいい真打になる。」と掲げたように、並みの真打になんかなりたくなくて、みんなの想像を超えた真打になりたいと思っている。
 僕含めて落語家は天邪鬼な視点を持つ人が多いから「かっこいい真打になる」と掲げたことで、「俺たちはかっこいい真打じゃないよな」と冗談めかして揶揄されたりもしたけど、こうやって僕の目指している基準を見て、登ろうとしている山を見て、どう思われているだろうか。
 自力で博品館劇場を埋めようとしている。持ち味の自作ネタでなく、古典落語で。悔しいけど、現時点ではチケットは半分も売れていないし、このままいったら「だから言わんこっちゃない」と揶揄し、酒の肴にできるだろうな。ただ、もしこれで博品館劇場を埋めることができて、しかも古典落語で、「これだったら真打に相応しい!」と思ってもらえる状況を作れたら、その時は何を思う?いよいよ逃げ場がなくなるぞ。奇抜なアイデアだけが、吉笑の武器だと思っているか?あいつは変わったことをやっているだけ。それを面白がっている人がチヤホヤしているだけ。いまはそう言わせてしまう隙が自分にはあるけど、それを覆すための二ツ目最後の1年だと思っている。
 とは言え、不安が付きまとってもいる。

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