ひとりでニコニコ動画をやっている織田信姫をひたすら褒める記事

 本能寺のようにたびたび炎上するが(本能寺の変以前にも本能寺は炎上している)、何故か多くのファン(家臣)を得ているVTuberがいる。それが尾張の戦国武将バーチャルYouTuber・織田信姫だ。

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCGcD5iUDG8xiywZeeDxye-A/featured
FANBOX:https://www.pixiv.net/fanbox/creator/34731446

 彼女に関して、以前の記事では【因幡はねると織田信姫は何故本田圭佑にクソリプを送ったのか?】にて批判気味に取り上げつつも、「私としても彼女に対して絶賛するような記事を執筆しようかと考えていたほどだ」とした。しかし、やはり批判だけではなく、そのカリスマ性を称賛する記事も書いておかなければフェアではないと考えた。

 私は歴史ものが好きだったこともあり、2018年4月の活動当初から彼女の活躍ぶりには注目している。彼女はしばらくの間は一般的なVTuberのように、ゲーム実況動画などを投稿していたが、私が異変を感じ始めたのは、下記の動画からだった。ただ、今から考えると、マスコット紹介的な動画だと捉えれば、珍しいタイプの動画だとは言い切れないかもしれない。

 そうなると、やはり彼女の現在までの活動の流れを決定付けたのは下記の動画だったということになるだろう。上記の動画の次に出された動画である。私は元ネタをあまり存じ上げなかったが、シバターというYouTuberの動画が元ネタであるらしい

 この動画を皮切りに彼女は徐々にYouTuberや他のVTuberをネタにする方向に舵を取り始める。余談だが、この頃はVTuberの中でもかなり珍しい毎日動画投稿をするタイプだった。また、以前の記事でも触れたが、2018年末の記事によれば、こうした方向性で活動をしているのは、下記のような考えからであったという。

どんな手段を使ってでもまずは勝つ、ルールの範囲内なら全てを実行する、昔からこの考えで生きているのでとにかく色々な手段で露出する方法を考えました。
注目を浴びるという事は同時にヘイトも買いやすいですが、それは戦において当たり前の事なので気にせず好き放題突っ走ったら沢山の応援してくれる家臣を手に入れました。

 彼女が活動開始した2018年4月と言えば、もはやVTuberというだけで持て囃される時期ではなかった。無論、現在の状況と比べればまだマシではあるが、正攻法でバズるのは難しくなりつつあった頃、猫宮ひなたの登場から数えても2ヶ月ほど経った頃のことである。そう考えると、この考え方は非常に理解できる。無論、彼女本人が言う通り「ヘイトも買いやすい」やり方ではあったが、現在18万人以上の登録者数という結果を出したのは事実である。

 しかし、だからと言って「じゃあ、信姫の批判は辞めろと言うのか?」と問われれば、「そうではない」と思う。何故なら彼女の場合、批判されればされるほど注目を集め、より人気を増すタイプのVTuberだからである。何故そういう現象が起きるのかは、正直なところ測りかねているところではある。ただ「多くの批判を集めるコンテンツは大衆受けしやすい」と言えば、なんとなく理解できるような気がする。

 たとえば彼女自身も傾倒しているとみられるニコニコ動画に関してもそうだ。あの動画サイトも開設当初から著作権侵害などの理由から多くの批判を集めていたが、それと同時に手段を選ばず注目も集め、人気の動画サイトへと成長していった。彼女のカリスマ性というのはそういうタイプのものだと説明できるだろう。

 何より彼女の動画に関しては気軽にコメントできるのが優れている。気楽にというのは言い換えれば気を遣う必要がないということである。何故そういうことになるのかと言えば、彼女自身が意図して「クソ動画」として投稿しているように思われるからだ。たとえば2018年11月に投稿された下記の動画を観てもらいたい。

 ……いかがだろうか。もはや織田信姫すら登場しない、紛れもないクソ動画であり、彼女の動画に関してはこれが褒め言葉になるのである。これと似た現象を起こした作品として思い起こされるのは「クソアニメ」を自称した『ポプテピピック』である。
 今、大衆は小難しい話などは求めていないし、気軽にコメントできる作品に癒しを感じる時代なのだと思う。もちろんそれが批判的なものとなると、趣味のいいことかと問われれば、そうではないかもしれない。しかし、大衆というのは概ね趣味が悪いものであり、織田信姫はそれを理解していたからこそ成功したのである。

 これだけでも彼女には十分なカリスマ性があることが窺われるが、少々時を遡り、2018年7月に投稿された下記の歌ってみた動画では抜群の歌唱力でユーザーを驚かせた。また、2018年12月末の『Count0』でも、彼女はその美声を存分に披露している。

 さらに、初期の頃にはモデルの「顔がでかい」ことをネタにしていたが、2018年12月にはモデルのリニューアルを行い、名実ともに美少女VTuberとなった。動画の構成はアイドル部のPrologue動画を意識したものとみられるが、事実はどうか分からない。いずれにせよ、下記動画も純粋にいい意味で話題となった。

 なお私はこの動画が投稿されたときには、「織田信姫として十分なブランドを築き上げたのだから、モデルのリニューアルとともに、活動方針を転換するのではないか」と考えた。だが、そんな凡人の発想を凌駕するのが織田信姫である。リニューアルしても、道明寺を岩盤に叩きつける彼女の姿には安心を通り越した信頼、あるいは敬意すら感じる

 一方で、VTuber、あるいはYouTuberなどの同業者でない人間までネタにするのは良くないのではないかなどと批判したい気持ちがあるのは否定しない。ただ、批判すべきことだと思うか否かと、不快に思うか否かは別問題である。そもそも批判を恐れて立ち止まる人間には成長などない。批判をも吸収し、さらなる高みを目指す姿は素直に称賛したいところである。彼女もまた、光輝かんばかりのカリスマ性を持ったVTuberであるとは断じておきたい。少なくとも私が信姫を高く評価していることは誤解なきよう願いたい。

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