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楽曲分析のすすめ

はい
何を言っているのかわかりませんが、
おそらくピアノの伴奏の強弱の話をしているようなのですが、

違います

もっと深く 作曲家の意図を読み取るのです
クラシックは無駄な音をなるべく書かないというストイックな音楽で
一音一音に無駄が無いように書いているところがある。
(無駄な音を書くと怒られるくらいストイック)

ただ、ここの部分だけ見てみると
かなり自由に書かれている。

この自由さを許しているのが
ペダルポイント

低音をずっと同じ音を流していると、上でなんの音を出していても
低音が一番強い 安定のある音なので、 自由がでてくる。

まるで、インド音楽のドローンミュージックのような解釈をすれば、
そのうえでころころと好きな音を奏でてもよかろうと。


ずっとストイックなままだと疲れてしまうので、
自由な部分をだして、 聞いている人も安心できる。

ジャズっぽく解析


この部分、見ようによっては9の音がでてくる。
テンションコードにとらえることができる

3度で重ねていくと、7の次は9が最初のテンションコード
9の響きはすぐに解決しないと クラシックじゃなくなってしまう
ので、一瞬でてくる

というのを必要に繰り返すことで、もう何が正しいのかわからない
幻想的な雰囲気をだしてくる

えっと、クラシック聞いていましたよね?

低音保続

という落としどころが、Fのペダルポイントと、
唐突に現れる六度調への転調  弱いドミナント トニックの進行
でもこれ、全体をみると
ずっと Fのベースの上で遊んでいるだけに見える

もう楽曲の〆の前あたりで、 そろそろ終わりますよー
って時に ペダルポイントがでてきやすいので
もうそういう段階なんだな
と音が知らせてくれる

長い曲だと、えーっとこのままこれはどこまで続くんだろうとなっても
この長いFとかきたら  やったー  あと少しで解放される
みたいな気持ちに 当時の人もなっていたのではないだろうか


このFの音が、ずっとFだと飽きちゃうので、途中で上ずるのが憎い

まるで、古いレコードやテープレコーダーで回転数がすこしゆれてしまったみたいな 揺らぎをここにもってきている

同じ型で進行していると、味気ないので、こういうスパイスが入っている

最期のb5とかは、メロディーが下がるというのをずっと繰り返していいるところで、
半音的に進行している中で、うまいこと合いの手のように低音にもってくる
とても憎い演出

クラシックにはテーマがあって、
テーマを崩す部分がある。

ここは、おそらくテーマの一部のモチーフ
少し下がって、跳躍して下がる
という部分を繰り返して
まるでサンプリングして切り刻んで鳴らすみたいな手法
ボイスチョップとかマルチタップのディレイみたいな

さらにメロディーとピアノ伴奏では拍子が違う。
上は3つで、下は4つ
ヘミオラってます

リズム楽器担当みたいなわかりやすいドラムみたいなのはなかったので、
ピアノ楽器はリズムも担当する。

でも、ここではFのベースも担当するし
なんと内声(和音の内側の音)でメロディーの音をなぞっている

これが、微妙にあったり、あわなかったり

リスナーはどこにリズムの拍をとればいいのか迷いながら聴くことに
酔いのような心地よさを感じているかもしれない。

かっちり縦をそろえていないじゃん・あれそろっているか みたいな繰り返しが行われている。

自由な部分ですね。

でも、コード進行とか和声進行的には破綻が無い。ストイックだ。

などと好き勝手書いていますが、
ちょっと知った知識で終わらせずに、いくらでも深く楽曲分析を
たまにはしてみるのもよいかもですね。

最近はAIとかがなんとなく距離をはかっていい感じの答えを出せるようになってしまいつつありますが、
いろんな角度で見つめるという意識があるかどうかはAIでも人でも同じかな。
一つの尺度だけでなく、さまざまな尺度で捉えることで、いろいろ見えてくるものもあるかもしれない。

あと、それを演奏に活かしても良いし、作曲に活かしても良い。
なんでもチャレンジするのです。



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