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日本最多のデジマ人材を抱える会社のCOOが考えるデジタルマーケターのキャリア

こんにちは。BLAMの浅川です。

弊社株式会社BLAMが運営する「カイコク」は約5000人のデジタルマーケターが登録する複業サービスを運営しております。
日本のデジタルマーケティング人材は2万人しかいないとのことで、実に1/4の方が登録いただいております。
(大々的なタイトルにさせていただきましたが、抱えるというのは正しくなく、5000人のマーケターにご協力いただいているサービスです。いきなり盛ってすみません)

まだ短いですが、デジタルマーケティングという業界自体の歴史が浅いところで、私の7年のキャリアで得た経験をもとにデジタルマーケターのキャリアを本気で考えてみます。どうぞ、ご意見いただけると嬉しいです。

自身のキャリア

元々私は大手のWeb専業の広告代理店に新卒で入り、3年弱大手のお客さんをSEMとディスプレイ広告のコンサルタント担当させていただきました。

その後、同期に誘ってもらった今の会社で創業時から中小ベンチャーのマーケティング支援から、ナショナルクライアントの広告運用の下請けもやらせてもらいました。
その後、新規事業として自分たちの強みの「デジタルマーケティング」と「副業」を掛け合わせた『カイコク』という複業マッチングサービスをさせていただいてます。
事業の立ち上げから、この規模までのグロースのためのマーケティングもやった中で、だいぶ幅広いデジタルマーケティングのキャリアを積ませていただきました。

更に会社の立ち上げ期から、採用人事の責任者をやらせてもらい、社員0人から5年かけて社員でいうと20人ほど、副業の方を入れると40人弱の組織に。

新規事業の立ち上げにおいても、代表の作りたい世界観の言語化から、それを事業に落とし込む際に、「人材業界じゃん」となり、浅いですが人材ビジネスに関しても広く学んできました。

そして、今デジタルマーケターのキャリアを定義すべき立ち位置に立っているので無理やり結論を出したいと思い書かせていただいております。
(もちろん、諸先輩方からボコボコのアドバイスいただければと思っております)

デジタルマーケターとは

まずはマーケターです。

※ちなみにマーケターという言葉は求人をみるとアメリカでは一般的ではなく、マーケティングマネージャーや、マーケティング担当者になりますので、日本独自の言葉として考えてみます。

伝統的なフレームである、4Pとさらにその中のプロモーションミックスから考えてみました。

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何が言いたいかというと、一般概念のマーケティングとは非常に幅広く、日本でいうとpromotionの範囲がマーケターの業務範囲だと考えます。
(それでも広いですが。。)

※伝統的なフレームに、現代の手法を当てはめているので無理やり感があるのはご理解ください。

一方で、大規模事業と中小規模では、そもそもの求められる役割が違うので、整理すると下記でしょうか。

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中小規模:

赤の範囲も含む、新事業開発・事業責任者・PMが担当する「製品開発」「価格決定」「流通戦略」いった部分もマーケティングの領域に入り込みます。これは、中小企業というだけではなく、大企業の中でもプロダクトごとにチームを細分化しマーケティングチームに権限を渡している場合はこちらの範囲に近いと思います。

大規模:

領域が細分化していたり、いわゆるWeb系企業の場合はやることが多いため、青の範囲であるプロモーションの領域をマーケティングと区分することが多いように思えます。
また中小企業においては、赤字のpromotion以外の4Pの部分は経営チームが担当することが多いように思えます。
それは、商品開発のノウハウを経営陣が持っているからかもしれません。

マーケターに関しては上記で定義させていただきます。

デジタルマーケター

その上でデジタルマーケターというのは、「手法としてのデジタルが強い」マーケターなのだと思います。

なぜかというと、デジタルってただのマーケティングの手法でしかないのです。
マーケティングのトレンドワードとは、毎回ポジショントークで生まれることがほとんどで、全くMECEでもないですし、一般概念から降ろした言葉でもありません。あくまでも○○という手法が強いですよ、流行っていますよ。というポジショントークから生まれるものなので、どうしても綺麗な定義は難しくなります。

その上で、デジタルの手法が多く生まれたことによって、プロモーションミックスの概念は古くなっています。それでも無理やり当てはめた例が下記の部分です。

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求められるデジタルマーケターとは

先ほどの話を整理すると、マーケターという領域は事業規模によって変わりますが、ある程度整理できます。
その上で、デジタルマーケターは、マーケティングの中でデジタルの手法が強い人という定義になります。

ここから私の結論では、施策の網羅性以上に需要と供給のバランスの中で、マーケティング施策として必要とされるデジタル手法の需要を満たせる人が、求められるデジタルマーケターだと考えます。

どういうことでしょうか?

例えば15年前、デジタルマーケティングの最も重要な領域は、Yahoo!JapanのPCのTOPにあるブランドパネルの在庫を確保し、いかにイケてるバナーを作れるかどうかが需要を満たせるマーケターであったのではないでしょうか。

実際、今も非常に重要な施策の一つですが、あくまでも施策の一つに過ぎません。

デジタルの手法は、テクノロジーの進化や、メディアの細分化により、マスやリアル以上に急速に増えたり、進んでいきます。
今、一般的な運用型広告やSEO、SNSという手法に関してもこの限りではありません。

つまり、一つの手法に拘っていたら、10年後のキャリアはないかもしれないということなのです。

デジタルマーケターのキャリア

一方で、いきなり前述のようなマーケティングの施策を全て経験することは不可能ですし、浅いマーケターになってしまいます。

そこで重要なのは、供給を満たせる最低限のレベルで一つのカテゴリのプロフェッショナルになることです。

例えば、「リスティング」「SEO」「SNS運用」「サイト解析」「MEO」「アプリ解析」「MA」「オウンドメディア運用」なんでもいいと思います。また、事業会社の方で言うなら、とことん「業界」に強くなる。「同業他社の施策」「ターゲットのインサイト」を全部学んで理解しておく。

すると、別の領域の人と会話をする際に、自分が「価値」を提供できるようになります。プロフェッショナルとして「価値」が提供できるようになると、勝手に横の領域の情報が入ってくるようになります。
また、「価値」が提供できないと「機会」が増えません。

所謂、T型人材でしょうか。

ただ、デジタルマーケティングの領域で言うと、先ほど述べたように、手法の需要がどんどん変わっていく為、一つの軸だと非常に不安定です。

そこで、Π型人材が一つの解なのだと考えます。

Π型人材
2つの専門分野を持つT型人材のことで、ダブルメジャーとも呼ばれます。T型人材以上に稀少な人材です。
https://data.wingarc.com/j-type-20399


例えば、リスティングという手法にプロフェッショナルの強みを持ちながら、横軸でマーケティング全般を理解しており、その上でCRMの経験も豊富だったり。
実はこれが面白いのって、その人がリスティングとCRMしかできないマーケターにとどまることは絶対になくて、リスティングとCRMの手法に詳しく経験が豊富なことにより、互いの共通項を理解することで、マーケティング手法の本質がある程度見えるようになります。

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▲上記図の青い線が、経験しなくても理解できる本質の部分。

その結果、どんな新しい手法でも、基礎がしっかりできているのでいくらでも応用が可能になるのです。

また、どちらにとっても重要なのが大本の戦略だったり、顧客理解になるので、必ずその前提まで振り返るようになります。結果としてマーケティングの上流にある戦略まで考える機会が圧倒的に増えることになるのです。

まとめ

だらだらと書いてしまいましたが、まとめると、需要のある2軸を持ち続けることが重要です。

それは「手法」でもいいですし、「業界」「目的」でも何でもいいです。
1軸あると、機会が増えます。
2軸あると、トレンドへの不安定さが消え、かつ本質がみえる機会が増えます。

そこまでいけば、あとは組織内でも市場でも、圧倒的な需要があるため、多くの機会に勝手に出会えます。
1軸でプロフェッショナルになっている地点で、成果を出せる人だとは思いますので細かい話は割愛します。

その結果、中長期の規模の事業の責任者になるのもよいと思いますし、大規模事業のマーケティング責任者になるでもいいと思います。

機会はいくらでもあると思うので後は埋めていくだけです。

成果を出すために、自分の不足部分を埋め続ける。その結果、成果が出るという繰り返しをしていれば、もうキャリアに悩むなんてことはなくなるのではないでしょうか。

最後に宣伝ですが、弊社がデジマ人材の市場価値を上げることを目的に運営している「デジマギルド」なるコミュニティでもっとこういった議論を皆様とできることを楽しみにしております。



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