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ピラミッドストラクチャーで情報を整理する【ロジカル・シンキング】

みなさんこんばんは、福田達也です。

今日は、前回に引き続きロジカル・シンキングの基礎の話をしていきたいと思います。

前回までの話では、「三角ロジックで論理を組み立てること」「縦と横の因果を考えて論理を補強すること」「マクロからミクロに考えること」の3つを説明しました。

今日は、これらで検討した情報を一つにまとめるピラミッドストラクチャーの話です。

ピラミッドストラクチャーとは

ピラミッドストラクチャーとは、自分の伝えたい主張と、その裏付けとなる根拠を図で表す表現方法です。下図はピラミッドストラクチャーの基本構成を示しています。

ピラミッドストラクチャーの基本構成

上図のように、ピラミッドストラクチャーにおいては、一つの主張が複数の根拠で支えられています。またそれぞれの根拠は、そのさらに裏付けとなる複数の根拠によって支えられています。もちろん、3つ以上の根拠で支えられていても問題ありませんし、「根拠1の根拠1の根拠」というように、どれだけ多段になっても問題ありません。

このように、階層的に裏付けされた根拠がピラミッドのような形を構成することから、ピラミッドストラクチャーと呼ばれています。

ピラミッドストラクチャーにおいて、「根拠の根拠」を考えていくことは、それぞれの「根拠」に対して「なぜなぜ」を繰り返していくことであり、すなわち縦の因果を深掘りすることと同じです。また、主張や根拠に対して、「他に根拠は無いのか」と考えていく行為が、横の因果を広げることに相当します。

また前回お話したように、「縦の因果」を深掘りする時は、より抽象的・概念的なマクロのものから、より具体的・詳細なミクロのものへと深掘りしていきます。

ピラミッドストラクチャーとその他の関係

すなわち、ピラミッドストラクチャーで情報を整理するとは、これまで説明してきた検討事項を、一つの図にまとめることと同じです。そのため、ピラミッドストラクチャーを作れるようになることが、ロジカル・シンキングの重要な一歩であると言っても良いでしょう。

ピラミッドストラクチャーの利点

ピラミッドストラクチャーで整理することの利点はその一覧性にあります。それぞれの枝葉を見れば、それぞれの主張や根拠が、どのような根拠をもとに成り立っているのかがひと目でわかります。

一つのかたまりが一つの論理になっている

三角ロジックと同様に、主張とその根拠は、「なぜ?」「だからどうした?」の関係で成り立っています。そのため、「マクロからミクロ」、そして「縦と横の因果」の関係性が分かりやすいのも大きな利点です。

上から下に「なぜならば」、下から上に「だから〇〇だ」と読む

また、一覧性が上がるということは、相手に伝えやすくなるだけではありません。自分が情報を収集・整理する時にもピラミッドストラクチャーは有用です。

ピラミッドストラクチャーで整理することで、それぞれの根拠の論理は正しいか、客観的妥当性があるかを、一つ一つの論理の単位でチェックできます。更には、それが全体として論理的であるかも同時にチェックできるようになります。

論理的な考え方や、論理的に話す人の内容は、必ずといっていいほど、このピラミッドストラクチャーで整理されています。常に頭の中にピラミッドストラクチャーが浮かぶようになるまで、訓練するとよいでしょう。

ピラミッドストラクチャーの例

ここからは、ピラミッドストラクチャーを使った主張の具体例を紹介します。例えば、「魚はエラで呼吸する」という主張を、帰納法を使って説明していく場合を考えます。

「魚」がエラで呼吸することを伝えたいので、具体的な魚の種類を考えてみましょう。例えば、イワシ、サンマ、アジと見てみると、いずれもエラで呼吸しています。少なくとも、今見ている限りでは主張は正しそうです。

横の因果を広げて他の魚も見てみましょう。サケやタイといった生き物も魚に含まれますが、やはりエラで呼吸しています。縦の因果はどうでしょうか。単にイワシと言ってもたくさんの種類がいるでしょう。例えばマイワシやカタクチイワシなどがいるでしょう。このように、「魚」という抽象的なカテゴリ(マクロ)から、「マイワシやカタクチイワシ」といった具体的な生き物(ミクロ)に進んでいっていることもわかります。

帰納法で「魚はエラで呼吸する」を主張する

これでピラミッドストラクチャーが作られました。後はどのように伝えるかです。これを上から「なぜ?」で伝えていくと、「魚はエラで呼吸する。なぜなら、魚であるイワシもサンマもアジもサケも、エラで呼吸している。さらにイワシの種類である、マイワシやカタクチイワシもエラで呼吸している。よって、魚はエラで呼吸すると言える」という風に言えるでしょう。

終わりに

今回はロジカル・シンキングの基礎の内容のうち、ある意味で最も重要な概念であるピラミッドストラクチャーについて説明しました。

ピラミッドストラクチャーは、複雑な構成を持つ情報を、ひと目で分かる形に整理するのに非常に有用です。また、自分の論理が通っているかをチェックする上でも非常に効果的です。

本日も読んでいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。

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