見出し画像

昔作ったMD、カセットテープ5

 久しぶりにこのシリーズ更新します。今回は僕の人生でも特に心に残った楽曲を集めた「はじまりのうた」と題したMDを紹介したいと思います。
 なぜこの「はじまりのうた」が人生でも特に心に残る曲ばかりなのかといいますと、ちょっと長くなるかもですが話したいと思います。あんまり長くならないで曲紹介の方に力注ぎたいとも思いますが……。ぶっちゃけ、ちらほらこのnoteに書いたりしてますが、僕自身元引きこもりで、その引きこもり明けの社会出たて、働き始めたあたりの繊細な心境にドスンと響いた音楽がこの「はじまりのうた」に入ってます。丁度2004年くらいによく流行っていた邦楽とかですかね。1997年終わりから実質2004年夏くらいまで僕はほとんど家で過ごしていて、学校にも行かず、働くことも出来ない、しない結構深刻な引きこもりでした。いろいろとあちこち回っても効果なく、人生に絶望していた真っ暗な青春でしたね。具体的なことはまた別の機会に書けたら書きたいと思います。
 で、その引きこもりから何とか出ることが出来て、働き始めた幼なじみの塗装工場のFMラジオから流れてきたのが、今回紹介する2004年の邦楽のヒット曲たちです。ずっと家にいて、具体的な現実感もほとんどないまま、いきなり外に出て、慣れない環境でシャワーのように浴びていた音楽だから、原体験的に覚えたりしてますね。具体的なエピソードも交えて一曲一曲丁寧に書いていきたいと思います。それではいきましょうか。

 「はじまりのうた」(2005年10月13日作成)
 
  1 モノクロレター / 矢井田瞳
  2 黄昏サラウンド / RIPSLYME
  3 サンライズ / BENNIE K
  4 君にBUMP / ケツメイシ
  5 思いがかさなるその前に / 平井堅
  6 君の街まで/ ASIAN KUNG-FU GENERATION
  7 サンキュー / GOING UNDER GROUND
  8 はじまりの合図 / ケツメイシ
  9 涙 / ケツメイシ
10 さくら / ケツメイシ
11 瞳をとじて / 平井堅
12 センチメンタル / 平井堅
13 バカサバイバー / ウルフルズ
14 アイコトバ / HOME MADE 家族
15 花 / ORANGE RANGE
16 いつか / ゆず

こんな感じの並びになっています。2004年のヒット曲なので知らない人も多いかと思うので、可能な限りMVとか載せていきたいと思います。では1曲目から。

    1 モノクロレター / 矢井田瞳
これは、工場で疲れた気持ちに寄り添ってくれるような優しい、懐かしい気持ちになれた曲でしたね。現実感のない中働いて、慣れない仕事でしんどかったりしましたが、この曲がよく2004年10月くらいの大阪のFM802から流れてきて、「いい曲だなぁ」と聞き入ってました。矢井田瞳は「My Sweet Darlin'」とか元気な楽曲とか有名ですが、ぼくはこのしっとりしたバラード曲が彼女の曲ではぶっちぎりで一番です。隠れた名曲だと思うので是非聴いてみてください。

 
 2 黄昏サラウンド / RIPSLYME
これも、2004年8月から10月くらいのFM802からやたらかかっていた曲で、めっちゃこの旋律も引きこもり明けの繊細過ぎる心に響きまくっていました。全く新しい、家の中じゃない外の世界、別世界別次元に来てしまった僕を取り囲むようにして、極上のメロディーが鳴り響く不思議な空間でしたね、幼なじみといたあの塗装工場は。表現しにくいですが、本当に特別な時間、空間に鳴っていた人生屈指のサウンドトラックみたいな感じです。この曲に限らず。


 3 サンライズ / BENNIE K
この曲との出会いはまさに、トンネルを抜けた先の世界はこんな感じになっていたんだ、すげえ、って感じでした。僕の中では邦楽は1995年くらいで止まっていて、引きこもるようになってからダサい邦楽より、かっこいい洋楽、ハードロックとか中心に聴いていたので、邦楽がここまで格好良く進化していることに衝撃を受けました。この頃から洋楽と邦楽の差とかほとんどなくなってきましたね。まさにノリノリで工場の中でもこの曲がかかると作業がはかどって、働いていて楽しかったのを覚えています。歌詞の「一度踏み外した見えない階段があって、怖くなって逃げだしていたんだ」っていうところが引きこもり明けの自分の心境にめちゃくちゃに響いて泣きそうになりましたもん。だから一時めっちゃ好きでしたね、BENNIE K。他の曲もいいので、是非聴いてみてください。


 4 君にBUMP / ケツメイシ
これまた2004年の夏から秋にかけて流行りまくっていましたね。化粧品のCMで小栗旬の奥さんになった山田優が長い脚を広げてジャンプしていたのを覚えたりしています。ケツメイシも引きこもり明けにほぼ初めて知って、「邦楽なのになんて格好いいんだ」とこれまた洋楽オンリーの耳に衝撃を与えました。家にいた時は本当に人生に絶望していたので、レディオヘッドばかり聴いて絶望を慰めていましたから。こんなプラスのエネルギーの音楽は眩しすぎるくらいでしたね。


 5 思いがかさなるその前に / 平井堅
これは個人的にかなりグサッときた曲です。その幼なじみというのが2歳くらいから小学生までずっと家に前で住んでいた子で、子供の時本当に仲が良くて人生で一番くらいの友人でした。でも中学に入ってその子は不良グループの番長みたいになって、大人しい真面目な僕とは住む世界が違い過ぎて疎遠になっていきましたが、引きこもり続けていたある日、25歳くらいに本当に6年ぶりくらいに再会して、「俺今引きこもって働いてへんねん」「プータローしてんのか。だったら、俺の工場で働いてみぃひんか?」で、ド引きこもりがいきなり塗装工場で働くことになって、しんどかったですし、幼なじみといえども、そこは仕事。まったく仕事の出来ない僕に元不良のそいつの殺気じみたオーラの怒りとか、本当に怖かったです。でも、この「思いがかさなるその前に」という歌詞が凄くなんか、その時の今はこんな風になったけど、本当はあの頃みたいに親友同士でまた会えてうれしい、というお互いの隠れた本音が見事に表現されているようで、一時この曲聞くたびに、それまでの引きこもりの孤独と、本当はこいつと一緒におるべきやったんや、とのいろいろな思いが混ざって、号泣必死の一曲になっていましたね。本当に死のうかなと思うくらい辛くて孤独でしたから、親友との再会は決してハッピーなことばかりではなかったですが、心の一番深い感情を思い出させてくれたことには、今もってそいつに深く感謝しています。今でもたまに会ったりしてますね。


 6 君の街まで / ASIAN KUNG-FU GENERATION
これはそのまま、そいつの工場のある街へ行く時の僕の心境にピッタリ来てました。アジカンでは一番好きですね。FM802から工場に涼しげにかかって来ていたことを昨日のことのように思い出します。動画はちょっとどうかなって感じですが、曲は最高なので是非。


 7 サンキュー / GOING UNDER GROUND
これも響きまくりましたね。あの頃の自分に。少し秋めいていくその空気感にピッタリで、情緒感たっぷりな歌詞とメロディーが最高です。


 8 はじまりの合図 / ケツメイシ
本当に初めてそいつの車に乗って工場にいく車の中でそっと僕の背中を押すように流れてきて「神様や先祖がこの引きこもりからの脱出を応援してくれているんや」ってあとから思ったりしたくらい、シンクロ率半端なかったです。「はじまりの合図君が気付けば、ヤバい過去は忘れてみんな笑顔で、みんな幸せ」ってところが、本当に人生をやり直そうと一歩踏み出した自分にピッタリでたまんなかったですね。これも動画はどうかな、ですが。本当に名曲なので、どうぞ。


 9 涙 / ケツメイシ
これも号泣必死の一曲となっています。塗装業ってすごく体力的に大変で、しかも昨日まで引きこもってろくに会話もできない人間にはほとんど無理な仕事で、そいつの兄ちゃんがまためちゃくちゃヤンキー上がりの手や足は飛んでくるタイプの怖い人で、現場でライト持っていて全くできなかったりしてシバかれたり、めっちゃ怒られまくって「こいつ、本当に使えん。俺が首にしたる」と息巻いた時に、幼なじみのそいつが電話越しに「あいつ、今はあんなんやけど、昔は明るかったし、俺は昔のあいつ知っているから辞めさせんといたってくれ」と必死にその兄貴に頼んでくれている姿勢に死ぬほど感動して「ああ、俺って孤独やなかったんや、こんないい友達がいたんや」と現場の仕事中にも関わらず、いい歳した大人の男が人目もはばからず外で泣いてましたね。で、その帰りに車のステレオから流れてきたのがこの曲で。「溢れた感情は単純に疲れた君をそっと包んで忘れるため」とかの歌詞がそのままのその時の自分にどんぴしゃりで。刺さりまくり。しばらくはこの曲聞いても号泣していました。これは動画もいいので是非。ちょっとしたショートムービーになっています。ダイノジ主演ですね。よくカラオケでも歌っています。


 10 さくら / ケツメイシ
これは2004年の工場の時の曲ではなくて、その次の年の曲なので、ちょっとずれてはいますが、大ヒットしましたね。塗装業は結局身体と心が引きこもり明けには厳しすぎるということですぐやめて、一人で出来る新聞配達していた時に家で聴いていたFM802からよく流れていました。


 11 瞳をとじて / 平井堅
これも厳密には工場で聴いた曲ではないのですが、2004年を代表する一曲ですね。引きこもり最終盤で、恋愛なんて全く縁がない時で(今も?)遠い世界の話ですが、本当に名曲ですよね。映画もDVDとかで見ました。長澤まさみもドラマの綾瀬はるかも大女優になりましたね。セカチュー(世界の中心で愛を叫ぶ)で。


 12 センチメンタル / 平井堅
これもあんまり関係ないのですが、アルバム聴いていてめっちゃいい曲だと思ったのでMDに入れました。こんな恋愛体験、生きている間に出来んのかな?まあ、気にせずやることやっていこ。すいません、平井堅本人が歌っている動画がなくてカバーばかりだったので、インスタルメンタルで。でも平井堅の曲では一位、二位を争う屈指の名曲なので是非本物を聞いてください。


 13 バカサバイバー / ウルフルズ
これは工場でガンガンにかかっていました。疲れた時に元気になってまた頑張れた一曲です。MDの流れの中で前の曲、平井堅「センチメンタル」と180度違うので、うっとりしていると心臓に悪い流れですが、まあいいか。「バカサバイバー、生き残れこれ、勝ち残れこれ」っていうのが問答無用で励ましてくれた歌詞で好きですね。


 14 アイコトバ / HOME MADE 家族
これも工場でよく2004年の11月にかかっていましたね。この時代から日本のHIPHOPもいいのが増えてきて結構ハマっていました。この曲も前向きな感じが落ち込みがちな当時の自分は良かったです。今の戦争ばっかりやってる時代にも響くものがある、これも隠れた名曲ですね。やっぱり音楽の力って凄いなあ。


 15 花 / ORANGE RANGE
これもまた純愛ブームの2004年の代表曲ですね。これも大ヒットしましたね。こういう恋愛、現実にない人生で寂しいですが、諦めたら試合終了ですよ、という安西先生の名言を信じてあの日からずっと走り続けていますが、どれだけ因縁深いねんってくらい縁がないから、心折れそうになったりしますが、その分強く我慢強くなったので、まだ頑張れそうです。


 16 いつか / ゆず
やっと最後です。長い紹介になってしまいました。でもそれだけ思い入れがある曲ばかりなのですいません。これも、塗装工場をやめることになって、幼なじみの友人から「お前それ逃げてるだけやで」と厳しい言葉もらったりして表面上は決して幸せな再会ではなかったのですが、なぜかそういう時にシンクロ的にここでも工場のFM802から1998年の楽曲が2004年のこのタイミングで流れてきて「いつかまた、どうしようもなく寂しくなったその時はどこにいても、何をしていても駆けつけてあげるから」という、そいつの隠された本音(?)がそこにあるようで、辛い別れではありましたが、この言葉を胸に僕はそれから一人でやれる新聞配達や整骨院、介護、そして今は地元の国公立大学の工学部に通うくらいまで、引きこもりサバイバーとして生き残っています。その幼なじみともあれから9年後の2013年に一回整骨院で働いていた時に会って、2021年に42歳で大学入学した時にも会ったりして交流がまた再開したりしています。正直、2004年の頃は圧倒的に向こうが格好良くて負けまくっていましたが(ハンサムな奴でモテまくってました、元不良やし)、ようやく僕も世間に名の通った大学に入学出来て、引きこもりからは随分上がってきたから、気後れすることなく、昔のように本当に引きこもりや不良になる前の純粋な人間同士のいい付き合いが出来ていくのかな、と思ったりしています。もう45歳とかなんですけど。諦めなくて本当に良かったです。音楽の力ってやっぱり凄いな。


以上で「昔作ったMD・カセットテープその5」の紹介を終わります。長くなってすいません。いろいろと自分のことも言ってますが、まあいいか。結構節目節目で音楽とか、目に見えない力に助けてもらったりして、ここまで来れたのかなとか思ったりするので、しんどくても諦めなければ人生というゲームは終わらないってことですかね、安西先生。では次回があれば。

この記事が参加している募集

スキしてみて

私のプレイリスト

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?