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シラチャのブックカフェLearners Cafeで本を読んだりコーヒーを飲んだり

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最近の記事

プルースト読書会①スワン家のほうへⅠ

「失われた時を求めて」のWEB読書会では光文社古典新訳文庫『失われた時を求めて①第一篇「スワン家のほうへⅠ」』を読んでいます。 第一篇「スワン家のほうへⅠ」はコンブレーが舞台ということで、今回の記事のタイトル画像はイリエ=コンブレーの駅の看板です。 Twitterでも投稿しましたが、コンブレーにあるレオニ叔母の家の中はこんな感じでした。 部屋の空気には体によい滋味豊かな極上の静けさが満ちていた(光文社古典新訳文庫「スワン家のほうへⅠ」p.127) 第一巻では二つのほうに

    • WEB読書会「失われた時を求めて」-ぼくがプルーストに惹かれる三つの理由

      こんにちは。久しぶりのnote更新です。 TwitterからまたWEB読書会をやることにしました。 今回はプルーストの『失われた時を求めて』です。もちろん、いきなり全巻読破ではなくて、まずは第一篇「スワン家のほうへⅠ」から始めたいと思います。 前回、『消え去ったアルベルチーヌ』でWEB読書会を企画したときもそうでしたが、今回も日本で開催される「はじめてのプルースト読書会」が羨ましくて、このような試みを始めることにしました。 プルーストファンはもちろんのこと、はじめての方

      • フェルメール展とプルースト

        フェルメール展に行ってきた。 東京の展示はもう終わっているので、大阪市立美術館まで行った。 大阪に来るのはこれが初めて。(今日は雨天のため梅田地下街のカフェでこの記事を書いている) プルーストを読んでいなかったら、大阪までフェルメールを見に来ることはなかっただろう。 プルーストは『失われた時を求めて』の中でも有名になる前のフェルメールを何度も取り上げていて、その慧眼、審美眼はやはりすごい。 主要な登場人物のひとりであるスワンはプルースト研究家でもあるし、また、同じく登場人物

        • リルケとプルーストとインドカレー

          日本の本屋さんに行ったら入手しようと思っていた本のひとつにリルケの詩集がある。 (サリンジャーの短編がきっかけ) 新潮文庫の『リルケ詩集』を買ったのだけど、学生時代にも同じものを持っていたので再購入ということになる。海外の詩集の入口として新潮文庫を読んでいた人、読んでいる人はぼく以外にもたくさんいるはずで、昭和から刊行され続けていることを考えると世代をこえた共通体験なのではと思うのだけどどうだろうか。 薄い文庫本で詩を読む感覚も懐かしく、移動中も鞄に入れて持ち歩いて、時間

        プルースト読書会①スワン家のほうへⅠ

          WEB読書会『消え去ったアルベルチーヌ』

          Twitterでプルースト『消え去ったアルベルチーヌ』を読む会を開催します。 京都で開催されていた『消え去ったアルベルチーヌ』を読む読書会イベントの情報を見て、すごく羨ましくて、Web読書会みたいなことができたらいいなあとツイートしたら賛同してくれる方がいらっしゃったので、やってみることにしました。 『消え去ったアルベルチーヌ』は私がプルーストを読むきっかけにもなってくれた本です。 『失われた時を求めて』のような大長編は、いきなり読み切ろうと思っても挫折してしまうかもしれ

          WEB読書会『消え去ったアルベルチーヌ』

          失われた時を求めて

          「好きな本は?」とか「おすすめの小説は?」とか聞かれたときは、ここ数年ずっと同じ答えをしている。 プルースト『失われた時を求めて』だ。 文学作品に慣れていない人にも、そもそも小説を読まない人にも同じ答えをしていて、それぐらいハマッているのだ。 文学を読む人でも、プルーストはあまりにも長いし、なんとなくパリの社交界の退屈な話だと思って敬遠している人も多いと思う。 かくいう私もその一人だった。 紅茶とマドレーヌの話を長ったらしく書いているものくらいの偏見があった。 偏見とは

          失われた時を求めて