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まずは、と酌をする。。。。。

その行為を嫌がる方もいるのも承知しているけれど、
僕のお店で ビールやボトルワインをオーダーいただく方には
最初の一杯目だけお酌をさせていただいている。
今日は
「まずは、と酌をする。。。」そんなお話。

京都 鴨川のほとりに赤垣屋という酒場がある。
20年ほど前から 京都を訪れた時に 必ずお邪魔する酒場の一つだ。
地下鉄三条駅から鴨川沿いを歩き赤いネオンがぽっかり浮かぶと、
仕事の疲れや旅の疲れが吹っ飛ぶとともに、
喉がごくりとなる。

「ガラリ」と縄暖簾のかかる木の扉を開けると
「おこしやす」と威勢の良い声がかかる。
L字型のカウンター それも入り口すぐそばの樽前に座れると気分が良い。
まずは、瓶ビールを注文すると
『名誉冠』の樽前の大将が 「まずは、」と最初だけ酌をしてくれる。
この「まずは、」の声を聞くと「ホッ」とする。
大声で騒ぐでもない店内 品のいい灯り おでんとお酒の香り
カウンターの木の温もりと共に癒される。

コロナ禍では手酌を推奨しておりそれに従っていたけれど、
ここにきて復活させてもらった。
「まずは、」。。。。。
この一言が お客様とお店の最初の接点だから。
「まずは、」の後にはいろいろな言葉が浮かぶ。
お疲れ様 お帰りなさい こんばんわ 今日も暑かったですね・・・。
後ろに来る言葉を お客様に感じてもらえるように
丁寧に酌をしたいと思う。

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