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「ベンチャー企業への就職・転職」という選択肢について考えてみた

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本日お伝えしたい「成長の機会とキャリア形成のXYZ軸」です
長い文章なので、早く知りたい方は目次でそこだけ見てください


初めまして、ワンテラスという外国人領域で事業をしている石中達也と申します。
最近、先輩や後輩、元同期などが転職や転職を検討しているなどをよく聞き、ベンチャーで働きたいと言ったお声も頂くので、ベンチャーと言っても色々な企業がいる中で、「自分の市場価値を知りたい」、「一度きりの人生でチャレンジしたい」と思う方々に向けて、少しでも誰かのご参考になるようにベンチャーが求めていることや、ベンチャーで働くことに関して自分なりの体験を通じて、整理してみました。あくまでも所感ですw

前提条件

私が今まで採用を行う中で、もちろん成功ばかりではなく、失敗というか離職に繋がってしまったケースも数多くあります。離職する理由によっては応援する形での離職もあり、今でも食事に行ったり、含めて関係が続いている分は問題ないですが、そうでない場合もあります。社内に残っている方々の特徴からも考えて、ベンチャー企業の採用基準について考えてみたいと思います。

多くのベンチャー企業の採用基準の中で重要視されているのが、「カルチャーフィット」だと思っています。
カルチャーフィットとかバリューに関して共感があるなど言われますが、これは採用を行う上での前提条件だと理解しています。
従い、カルチャーがフィットしてそうだけでは、採用までには繋がりませんが、興味を持って頂く上では重要なポイントだと思います。

創業当初は、会社のやりたいこと、経営理念などに共感して、会社に来たいと言ってくれるだけで嬉しくで、面談して、その場で全員入社OKのようなスタンスの時期もありましたが、そのようなことを行っていると社内での人間関係にトラブルが生じたり、うまく行かなくなってしまいます。
理念や事業の領域だけの魅力だけで、ベンチャーの整っていない環境の中でやりきるのは全員ができるわけではありません。

そこで、カルチャーフィットやバリューフィットを重視するようになりました。
これはただでさえトラブルなどが起こったり、色々発生するのがベンチャー企業なので、どうせ働くなら、気持ち良い人達、一緒に働きたい人達といたいと思います。

従い、いわゆる会社で働く方々がどんな人なのかを知る上で、カルチャーやバリューフィットを参考にするのが良いかと思います。

当社の場合は、バリュー(価値観)、Way(行動指針)を以下で決めています。

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これはステージや状況に合わせて創り直すこともあり得るとは思いますが、今の時点で大切にしたいこととして定めています。これがなかなか伝わりにくい部分があれば、より伝わりやすいものになるように言葉を変えて言ったり、短くしたりしていくことも重要だと思います。

ちなみに、当社では、バリューを達成するために、Wayがあるので、常にWayを意識して欲しいと思っています。

ただ、もっと生々しい言葉で、一緒に働きたい、気持ち良い人とは何だろうと思うと、逆に働きたくない人から想像して、それでWayやカルチャーを決めるなども可能だと思います。

例えば、一緒に居たくないと思う特徴があった場合に、その特徴から逆に働きたい人を考えて、行動指針に入れるのもやり方かもしれません。
・「返事が遅い」→「返事が早くて正確」
・「気力がない、責任がない」→「責任感があり、気力に溢れている」
・「モチベーションを自分で管理できない」→「常に最高のサービスを提供しようとする」
・「悪口を言う」→「利他であり、思い遣りがある」
・「運が悪い」→「事象を自分ごとに捉えてポジティブに変えられる」

そのような働きたい人達の特徴を整理して、イメージしやすい大切にしたいバリューやカルチャーなどを決めていくのも良いかと思います。

採用の基準における学歴・職歴の重要度

他のベンチャーの基準がどうかは分かりませんが、正直当社では、履歴書や職務経歴書を重視した採用は一度もしてきませんでした。

当社では、海外の方の採用を支援する関係、企業様にもベトナム人採用の場合に、ベトナム人だからと言う国籍やイメージで見るのではなく、あくまでも本人個人で見てくださいと伝えています。日本人も色々いるように、海外の方だからと同じ眼鏡で見ないようにと伝えています。

例えば、職歴が素晴らしく、結果が出ていた場合でも、ベンチャーの環境下つまりネームバリュームもなく、実績もなく、広告費もどんどん使えるわけでなく、最新のCRMツールが整っているわけでもなく、そんな環境でも再現性を持って個人の実力で結果が出せるかどうかは別物だと思っています。
また学歴があったとしても、それは頑張れるという基礎や地頭があることを示していますが、今後も頑張り続けることが出来るかを証明しているわけではないと思っています。

従い、学歴や職歴を重視するよりも、その人が事業や理念に共感をして、困難な状況でもやり切ってくれるのか、自分のフルパワーでコミット出来るのかという観点で見ています。

本人が事業に対して思い入れが個人的なストーリーの中にあった場合や、この業界を何とかしたいと思っているその気持ちが高い方を採用する際には重視しています。
基本的にベンチャー企業の場合は、その事業の思い入れがないとなかなか頑張りきれないと思います。

もちろん、メガベンチャーやある程度環境が整っているベンチャーの場合は、ポジション・業務フローが明確に決まっている為、業務分掌に再現性の高い方を採用するケースはあると思いますので、その際は、その環境や仕事での繋がりを生かせる方を採用するケースは往々にしてあるかと思います。

ただ、そこまで整っていないベンチャー企業の場合は、入社する場合には、もちろんどのようなポジションで何を行うのかが重要ですが、ポジションは変更があり得る為、想定していたものと違う事になるのはあり得ます。当社でもよくあり得ましたw

そう言った場合でも、事業に対しての思い入れや志がある場合は、やること、ポジションに左右されずに力を発揮できる方が多いかと思います。そういった方の場合は、ベンチャー企業は常にやらないといけないこと、やりたいことが沢山ある状況ですので、逆にチャレンジする機会や思ってもみなかった機会に出会う可能性は高いかと思います。

ちなみに、当社のビションは「世界中どこであっても、自分らしい居場所を創る」であり、海外の方々と共に働くことが当たり前になるような世界を実現してきたいと思っています。その為の手段として、「人の可能性をテクノロジーと寄り添う力で広げる」を掲げて、事業ドメインに纏わる様々な課題を各サービスによって解決しています。

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ベトナムや他の国でも、優秀な外国籍の方が日本で就職したい場合に、現地のブローカーや紹介会社に手数料を支払って日本で就職先を探すなどがあり、日本で働く理由の中に借金を返済するなどがありました。
日本では求職者からお金をとって仕事を紹介するような形は認められていませんが、まだそのようなことが行われていたのが、2016年に私がベトナムに行った状況でした。

働く機会が少ないけど、優秀な方々と、良い会社だけど、人が採用できない企業を繋ぐ事業をはじめ、外国人領域の負を解決するサービスを提供していますが、正直、負がなくなるわけではなく、常に新しい課題が出てきます。課題は尽きないですが、目指す世界観になるように毎日一生懸命取り組んでいます。

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多くのベンチャーや企業がこのように、何かの課題を解決する為に、サービスを提供しており、それは素晴らしいことで世の中を良くしています。そのベンチャーで働く上では、その事業を通して実現したい世界観は自分がより共感できることなのかが重要だと思います。

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私自身、自分の子供の世代に、私達が今やっている事業によって、少しでも「日本での就労が人生の良い経験になった」と思っていただき、日本のことを好きになってくれる方が世界で増えて頂ければ嬉しいと思いますし、日本人と働きたいと思ってくれる方々が増えることが出来れば、子供の時代になっても自分が海外で親切にしていただいた良い出会いが出て来れば嬉しいなと考えていますし、そのような素敵な海外の方々と関わり続けたいと思っています。

ベンチャー企業への就職・転職によって得られるもの

では、ベンチャー企業に就職する上で、ベンチャー企業側が提供出来るものとは一体何なのでしょうか。大きく3つに分類されると思っています。(提供できるとは、形として提供を行っているものではなく、結果として提供されていたもしくは提供の価値があったと感じるものも含んでいます)

ベンチャー企業が提供できるもの(ベンチャー企業によって提供される状況になりやすいもの)
 ①成長の機会(X、Y、Z軸)

キャリア形成の仕方に関しては職種含めて色々あるかと思いますが、よく転職を希望する際に、「新しいことを学びたい」、「学ぶことがないので、成長する機会が欲しい」などの声を聞くこともあります。

会社は学校ではないので学ぶ機会を提供する場所では無いとは思いますが、成長する機会は必要だと思いますし、個人の成長が会社の成長にも活かされてくることは間違いないと思います。

私自身が、会社で3ヶ月面談を行う際に、もちろん新卒なのか、中途なのかで伝えるポイントや深さは変えるものの、以下の観点で伝えており、これがベンチャーで提供できる成長できる「機会」だと思っていることをお伝えします。

その上で、働くことを説明する際に必要な、X軸、Y軸、Z軸について説明します。
(私個人が勝手に考えている軸ですので、汎用性があるわけではありません)

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X軸:人事、財務、マーケ、設計・開発、などの業務に関する切り口
Y軸:製造業、建設業、IT業界、介護業界などの業界の切り口
(X軸、Y軸は別に入れ替わっても問題ない。また人事領域も採用、育成、手続きなど、更に細かくなっていく)
Z軸:個人としての資質。これは複数の軸になるし、これがベンチャーで成長できるポイントだと感じています。

更に、個人的には、Z軸は大きくは5つの軸がさらにあり、そこにまた段階があると思っています。
営業力、考える力(戦略的思考力、分析力)、処理能力(実行力)、巻き込む力(チームやステークホルダーなど)、精神力

よくコンサルティングファームの評価制度などもここら辺を重視して出来ているのではと思っています。

例えば、営業の段階も、ものを言われた通りに説明して販売するレベルから、相手に商品を通じて理想的なイメージを連想させて購入いただくレベルから、相手にメリットがある提案を行い新規事業として作り上げることが出来るなど、営業力も段階があり、そのZ軸を伸ばしていきながら出来る幅を高めていると思っています。

ちなみに、この3つの軸に入らないことが「やりがい」、先程の事業に対しての思い入れや志だと思っています。
例えば、「やりがい」とは、自分の中で世の中に影響を与える仕方が直接的なのか間接的なのか、誰から感謝されたいのかによって異なるものです。コンサルの方が事業会社に転職するのは、その「やりがい」の感じ方を変えたいので、Z軸が活かせる領域でポジションを見つけて転職される方が多くいらっしゃるのではないかと思います。

では、ベンチャー企業がなぜこのZ軸を提供しやすいかといえば、サービスも完全に出来上がっていない(PMF出来てない)、実績もない、知名度もない、予算もない、人も少ない、ナイナイだらけの状況の中で考え抜いて、素早く実行を行っていかないといけない「カコク」な状況だからだと思っています。

1人のリソースが大切な状況下で行う経験により、Z軸が高まりやすい環境になっていると思います。
例えば、完成された組織の中で、自分が行う業務が定まっており、その一部のみを行う場合では、なかなかZ軸を伸ばす機会に出会うことは難しいと思います。

つまりベンチャー企業が良いのではなく、ベンチャー企業の場合は、往々にしてそのような「カコク」な状況になっているので、成長せざるを得ない環境だと思います。

個人的には仕事を通じて得られる成長の機会とは、Z軸を伸ばしていく手段としてX軸、Y軸を使っていくものだと思っています。
逆に言うと、X軸とY軸は時間があれば学べるものだと思っていますし、自分でも何とかなる部分だと思います。Z軸を得られる環境なのかどうかが成長の機会が早いとか得られたという感覚になると思っています。
「先輩が退職して、自分がその業務を引き継ぐことになった」、「プロジェクトの責任者を急に任された」など、Z軸が社内で用意されていれたそれはベンチャー企業でなくても良いと思います。

自分の実力が足りない、つまりZ軸が低いと、仕事に関して得られるやりがい(充足感)の幅やスケールが減りますし、仕事を通じて得られるやりがいが少ない仕事だと、いくらZ軸を伸ばしていても転職を行い、よりやりがいを感じられるものを求めるのだと思っています。

ちなみに、学びたい、学びが飽きたという感覚は、X軸、Y軸に関してレベルがそれぞれ高まってきていることだと思います。もしくはZ軸を伸ばす機会がなくなった、伸びるスピードが遅くなった状態を感じていることではないかと思っています。

通常、キャリア形成とは、X軸やY軸のイメージで、この2次元で構成されていると思っています。例えば基幹システムの開発を行っているプログラマーの方が上流で要件定義などを行いたいなど、業務分掌を伸ばしていき、その中で例えば金融系のシステムが得意ですとか、受発注領域が得意ですとか専門性を持っていくことでキャリアを形成していくイメージかと思います。

その中で、それぞれのX軸、Y軸でのレベルを例えば5段階の5にしていく、またそのX軸やY軸でもより細かい領域に専門性を持って掛け合わせること(「製造業の工程管理におけるシステム構築が得意です」とか「男性化粧品のベトナムでの販売代理店網を広げていくことが得意です」)で客観的に伝えられるキャリアでかつ差別化ができるかと思います。

ただし、キャリアとして広げていく話はもちろん重要ですが、X軸、Y軸を極めていけばその領域では力は発揮できますが、世の中の時流が変わった際に、その知識や経験が生かせない可能性があります。従い、当社ではZ軸を伸ばして欲しい、またそのZ軸を将来に彼らが目指したい姿から考えて、どのZ軸を伸ばすべきなのかを伝えるようにしています。

なので、ベンチャー企業ではZ軸を伸ばしやすい環境が多いのではないかということですね。あくまでもベンチャー企業にもフェーズ(段階)がありますので、完成しきっている中での拡大なのか、これからなのかなどの状況によって変わりますが、Z軸が伸ばしやすいのは、完成しきっていない状況のベンチャー企業だと思っています。

Z軸を伸ばす上で必要なポイントの1つが、意思決定の責任度合いと予算だと思っています。当社では、それが出来る組織体制を意識しています。そうすることで世の中の変化に最短で対応していけるようにしています。

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Z軸が高ければどのX軸、Y軸に転職しようが通用しやすいと思っていますので、会社の成長の為にも、個人の成長の為にもZ軸を高めることは重要だと思っています。正直定着率は職種によってはもちろん重要だと思っていますが、自分のZ軸を伸ばすために、当社にきて「頑張って」から、夢に向かって卒業していくことも決して悪いわけではなく、そこのお互いの合意があれば良いのではないかと思っていますし、その期間、志に共感して、本気でやっているのであれば定着が高いことが私としてはゴールではないかと思っています。もちろん長く一緒に働くことも大事だと思っていますし、長く一緒にいたいですが、それよりも会社としても、そのような環境を用意し続ける必要があると思っています。

ベンチャー企業が提供できるもの(ベンチャー企業によって提供される状況になりやすいもの)
② 世の中へのインパクトとその影響

ベンチャー企業の場合には、何かしらの課題を解決する為に事業を取り組んでいます。尖っているからこそ、メディアにも取り上げられたり、他の大手企業とのコラボレーションも生まれやすかったりします。皆さんが勤めている会社でも日経新聞や業界紙などで取り上げられたことはあるかと思いますが、そこに自分自身が関与している割合は低かったり、数年に一度あるかないかだと思います。そう言った意味では、自分自身が関与したことが、何か世の中にインパクトを直接与えたり、メディアに取り上げられる機会に触れやすいかと思います。

実際に、当社でも外国人領域での取り組みが日経新聞に掲載されたことがあり、世の中に少しでも取り組みを知って頂けたことは担当含めて嬉しかったです。

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※福島銀行との業務提携

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※西日本シティー銀行グループとの業務提携

ベンチャー企業が提供できるもの(ベンチャー企業によって提供される状況になりやすいもの)
③ 働いている人々

先程、カルチャーやバリューに合致するような方が集まりやすいとの話もありましたが、性格含めて一緒にいたいと思う方が、実力もあって尊敬できる方だと良い影響を受けやすいと思っています。少なくともZ軸を伸ばしまくっている環境でやっているメンバーが多いと、自然と実力も伸びていくとか、刺激を受けやすい方が多いと思います。創業メンバーなどと直接やりとりが出来るため、今までであれば社内で尊敬する方と一緒に何かのプロジェクトを行う機会はあまり恵まれなかったり、上司に恵まれなかったりするかとは思いますが、刺激ある方々と一緒に仕事をする機会が多いのは魅力の1つかと思います。

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当社もまだまだ少ない人員の中でやっておりますので、逆にフェーズ的には魅力的かと思っていますw


最後になりますが、下記のスタンスをお持ちの方は当社には合いやすいと思っています。

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もし当社にご興味あれば、具体的なポジションの説明や、そのポジションのX、Y軸の説明をさせて下さい。もしくはキャリアに関して悩んでいる方がいらっしゃれば、理想のZ軸をご一緒に見つけられるようにさせていただくこともお気軽にさせて頂けます。

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メッセージもお待ちしております!


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