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ライカってどうですか?

Midnight Diary #23

実は先日、1年ぶりに2つの記事を投稿していたのだが削除することにした。
理由はシンプルに文面が気に入らなかったからだ。
とても説教臭かったし、これこそが真理であるみたいな書き方がキモかった。
1年間休んてしまうと思いを文字にする部分がかなり退化するらしい。
こうやって人は老化していくのかと思うと、少しでもちゃんと更新していこうと思った。
とはいえやっぱりネタが無い。
写真が好きでやっているはずなのに、写真のことを話そうと思うとなかなか言葉が出てこない。
若い頃はもっとスラスラと言葉が出てきたはずだが、まぁ色んなことを知ってしまったからだろう。
世界が広がったといえば聞こえはいいが、必ずしも自分が正解ではないという何かが蓋をしてしまう。

よくよく考えてみると現実世界でもそんな感じだ。
先日、カフェに行くと僕が使っているカメラのことを聞かれた。
「ライカってどうですか?」
どうですかと言われても何がどうなのかもわからない。それにそんなにどうと言えるほど細かなところを見ているわけではない。
比較評価はいつの日か苦手科目になってしまった。
しどろもどろしていると「やっぱり綺麗ですか?」と少し具体的な質問が来たので、「いや、大した事ないですよ」と一言。
正直、本当に大したことはない。
僕が使っているM10はむしろ日本メーカーのそれらよりもハイライトがすぐに飛んでしまう。
どちらかと言わなくても圧倒的に後者の方が優秀だ。
しかし、ライカは高い。
みんな特別な何かを期待しているのではないかと勝手なプレッシャーに押しつぶされそうになる。
それに僕が使っているレンズはズマリットのF2.4。
比較的小さいレンズで、ピントノブが付いておりフードがかっこよかった。ただそれだけだ。

写りを比較したわけではないのでレンズのこれを聞かれたら一巻の終わりと思っていたら、「やっぱりライカのレンズはいいですか?」
終わった…
「いやー、大した事ないですねー」
別に謙遜しているわけではない。
繰り返しになるが、本当に大したことはないのだ。
僕がズミルックスとか使ったことのない貧乏ライカユーザーだからなのかもしれないが、今のところ僕の評価はそれほど高くはない。
そんなことを言えるわけがない事など知らぬような顔で、やっぱりみんな何かを期待している。(ように見える)
変に斜に構えてて取っつきにくい人だとは思われたくない。
芸術家っぽい雰囲気など出そうものなら今後の活動に支障をきたす。
気まずいのでぎこちない笑顔でごまかして、その場を乗り切ろうとするのはいつものことだ。

何度経験しても慣れないこの感じ。
僕は30歳になった年、長く使えるカメラがほしいと思ってこのM10を購入した。
これ以外にも色々と候補はあった。
ハッセルブラッド、ローライフレックス、プラウベルマキナ…決めてはデジタルということと、このズマリットととの相性がめちゃくちゃカッコよかったから。使い勝手や写りなんて気にしたことは無かった。
でも、いつもそうだ。
どこに行っても、誰に聞かれても、こんなことを言えるような雰囲気では無い。

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