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「上司と部下じゃないし、やっぱり友だちだったんですよ」という話

以前から読みたかったこの本をようやく読むことができました。

岩田聡さん(元任天堂社長)の本です。ぼく自身、岩田さんについてものすごく詳しかったというわけではないのですが、亡くなられたというニュースを聞いたときはすごく悲しい気持ちになりました。

自分が子どもの頃から任天堂のゲームを楽しんでいたということもありますし、インタビューなどでのお話しやそこから見える人柄がとても素敵な人だなと感じていたからです。なのでこの書籍が発売されると聞いたときはとてもうれしかったです。

書籍では、同僚であった宮本茂さんが、岩田さんのことを語る章がとても心に刺さりました。

まず章の冒頭に宮田さんと岩田さんの関係についてひとこと。

「上司と部下じゃないし、やっぱり友だちだったんですよ」

なんだかこの言葉がやたらと響きました。

この一言で引き込まれて読み進め、最後の段落でまたあらためて心を揺り動かされました。

 岩田さんがいなくなって、会社はきちんと回ってますよ。いろんなことを言葉にしたり、仕組みとして残していってくれたおかげで、若い人たちが生き生きとやってます。困ったのは、ぼくが週末に思いついたしょうもないことを、月曜日に聞いてくれる人がいなくなったことですね。 お昼ご飯を食べながら、「そうそう、あの話ですけどね」っていうのがなくなったのは、ちょっと困っているというか、さみしいんですよね。(出典:岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。 ほぼ日刊イトイ新聞編)

この章はこの文章で終わります。

ぼくはこれを読んだときに色々な想いを感じ、そのまま次の章を読まず、しばらくいろいろなことをぼーっと考えていました。

仕事の仲間とどのような関係を持つのかというのは色々な考え方があると思います。

「仲良しクラブじゃないんだよ」

とか

「仕事仲間はともだちじゃないんだよ」

ということを言われるかもしれません。

そしてこれらの言葉はたしかにある部分では正しいです。

宮本さんと岩田さんの関係だって、いわゆる単なる仲良しクラブではなかったでしょう。遠慮や妥協などはせず、お互いが切磋琢磨をして、世の中にたくさんの作品を生み出していきました。

でも、やはり最後に、いっしょに仕事してきた仲間を

「上司と部下じゃないし、やっぱり友だちだったんですよ」

と言えたら最高だよな、と思いました。



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