1つの前角細胞と軸索に支配される筋線維群をすべてまとめて運動単位(motor unit)と呼ぶ。(図1)。


この運動単位は筋収縮を考える際の最小機能単位となる。

1つの運動単位に支配される筋線維は,約5~10mmの中に分布し、これを運動単位領域といい、複数の運動単位領域が少しずつ重なり合いながら筋全体に広がっている(図2)。

1つの筋は複数の運動単位により支配されることとなる。また1つの運動単位が支配する筋線維数を神経支配比と呼ぶ。


スキルを必要とする筋では神経支配比 が小さく運動単位数が多くなり、大きな力を発揮する筋では、その逆となる(表1)。

S型の運動単位はニューロンサイズが小さく、神経支配比も小さくなり、F型はニューロンサイズが大きく、神経支配比も大きくなる。S型は筋線維タイプⅠをF型は筋線維タイプⅡを支配し、タイプⅠの筋線維は筋張力は低いが疲労しにくい特性を持ち、タイプⅡの筋線維は張力は高いがすぐに疲労してしまう。

力を徐々に入れた場合、まずサイズの小さな運動単位(S型)から活動を開始し、ついでF型の運動単位が参加する順序を持つ。
このことをサイズの原理という(図3)。



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