父から「カメラが壊れた。新しいカメラを買いたいんだけど何がいい？」と連絡が来た。

これまで使っていたのはキヤノンのコンデジ。

山小屋の管理人をしていたので、山の景色や、作業証跡を写真で残している。 外装はボロボロで、レンズの蓋も自動で閉まらなくなるくらい長く使っていた。

山にいる時間が長いだけあって、ハッとするようなよい写真を数多く撮っている。 雲海と朝日とか、写真が趣味の人ならヨダレが出る写真がゴロゴロ。

そんな貴重な写真を曇ったレンズのコンデジで撮り続けていた。 見かねて、コンデジじゃもったいない！と思い、小型のミラーレスをプレゼントしたことがあった。

しかし、1-2回だけ山で撮影しただけで、あとは持っていかなくなった。サッと取り出せないことや、大きさや重さなど、父のスタイルに合わなかったからだ。

今回はカメラではなく、iPhoneを買ってあげた。

ずっとガラケーだったが、スマホの操作もすぐに覚えたようだ。

山の上からタイムリーに朝日や夕日、季節の花の写真が送られてくるようになった。父のスタイルにはiPhoneがピッタリだったのだろう。

そして、私は仕事中に山の景色を送り付けられ、ムズムズするようになったのでした。