愚かな薔薇(ネタバレ有り)

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読む前は、人のようで人でない美少女が夏の夜に血を求めて彷徨う中、様々な事件が起こったりetc…っていう物語かなあなんて思ってたんだけど、当然そんな簡単な話ではなく最高に楽しめましたね🌹

開始30ページ程でかなり面白いし、頭の中に映像がバンバン流れてくるし、ワクワクしっぱなしでした😊

方言も物語の世界観にピッタリだし、登場人物の関係性もそれぞれ魅力的で、奈智と深志のいとこ同士とか、「奈智の血切りをするのは俺だ」ってもうずっと深志の奈智に対する想いがねー💕

それなのに奈智は血切りをずーーっとしないんだもんねえ❗️早く飲んじゃいなよー楽になるよー🩸って読みながら何度思ったことか😆

恩田陸先生が焦らしに焦らすものだから、奈智が深志の血をやっと飲んだ時にはめっちゃ感動してしまいましたよね…

私は宇宙とかにももともと興味があったので、星間物質の意味が出てきた時には嬉しくてしょうがなかったし、ほんとにそうであって欲しいくらいです。

茶室だって本来の使い方は血切りの為だったんだなんて本気でそう思いたいような気になってしまう😊

城田浩司が初めて血切りを受けている場面は、読んでるこっちもなんだかドキドキしてしまっていて。P255からP256にかけての、血を提供している浩司の快楽の場面、私もかなりの衝撃を受けていました。

私が大好きな音楽家の新曲を初めて聴いた時も、きらきらと光りながら色彩が変化するイメージ、つい頬がほころんでしまう楽しさ、心地良さ。

私も最高な音楽によって極上の多幸感や快楽を得ているし人生観も変わったので、同じイメージのこの文章を読んで本当にドキドキしてしまっていました🥰

2巡目読んでいて気づいたけど、山の中を行くトワを追っている時に雅樹は度々トワを見失うけど、トワはほんとに姿を消しているからじゃないかなと思ったけど、ある意味幽霊と同じかなあなんて。人は亡くなったら魂は他の惑星に移動してそこで身体を手に入れるとか、星間移動もできるとか、家族を割と若い年齢で亡くした身としてはちょっとそう考えてみたいですね😊

『ネクロポリス』とか『常野物語』思い出しました。また読もうかな。

奈智がどんどん虚ろ舟乗りに近づいていったり意識が外海に飛んでいく場面も、読んでいて楽しかった。トワと『本当の木霊』の話をしている場面の話の濃密さや、その場所を想像して物語に入り込めてすごい体験だったな。ほんと楽しかった。

奈智は両親にも会えたし、深志との血切りも2人らしくて素敵だと思ったし深志も連れて行けたし、後半の世界観も大好きな感じでドキドキワクワクしつつ読み進められました。クライマックスで奈智の最強な木霊を期待してしまった事や、浩司が意外と大人しく終わっちゃったなーとか思いましたが『綾辻行人の読み過ぎだな』と自分を納得させました。

読書しながら壮大な景色を見ることができて満足したけど、京アニあたりでアニメ化して欲しいです。じっくり観たいので映画じゃなく10話以上のアニメで✨

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