8/6 蜜蜂と遠雷

今日に日付が変わって数時間経った深夜、遅ればせながら『蜜蜂と遠雷』(恩田陸著)を読み終わった。

 『蜜蜂と遠雷』、直木賞にノミネートされたときからピアノものだと知って興味を持っていたのに、直木賞を獲って、さらには本屋大賞まで獲って、おもしろさは保証付きになっているのに、ハードカバーの厚み(500ページ超)に怯んで後回しにしていたら、そのうちにもう上下分冊の文庫がでてしまって、なんなら映画化も決ま

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【読書】恩田陸「エンド・ゲーム」

恩田陸さんの小説、「エンド・ゲーム」を読んだ。常野物語の第3弾である。人を裏返すというよくわからない特殊能力をもった一族に関する物語であるが、そうした能力を持つが故に、他者から「裏返されるかもしれない」と恐れられる。恐れられるだけならまだしも、「だったら、裏返される前に裏返してしまえ」と攻撃されてしまうというケースもありえる。他の人にはない能力を持っていることは一般的に羨ましいことだと思われるが、

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【読書】恩田陸「蒲公英草紙」

恩田陸さんの小説「蒲公英草紙」を読んだ。常野物語シリーズであったが、合間を開けつつ読んだせいかよく分からなかった…。というより、以前のものと頭の中でごっちゃになる可能性があった。

この本で扱われる常野一族は、各々特殊な能力を持っている。その一つが、予知能力である。

もし自分に予知能力があったとして、どれぐらいそのことを活かすことができるだろうか。もし明日地震が起こるという映像が頭に降ってきたと

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「夜のピクニック」を読む季節になった

ある場所でたまたま僕が多部未華子の話にをしたところ、それに反応する人がいた。多部未華子が好きらしい。その流れで「夜のピクニック」(恩田陸原作)を語ることになった。

まわりにこの小説・映画のストーリーを知らない人が多かったので説明した。だけど、誤解する人が多かった。

「夜にみんなで歩くんだよ。そのうちみんなおかしくなるの」と言ったけど雑すぎたか。

それホラーじゃんと言われた。まあ、そう思っちゃ

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『木洩れ日に泳ぐ魚』恩田陸 文春文庫

引越しの準備の終わったアパートの一室。別れを目前にした男女。夜が明けたら別々の道を進む2人が過ごす最後の夜。彼らはお互いに相手に対して確かめなければならないことがあった。朝の光と共にもたらされる真実い向け、相手の一挙手一投足、一言一言に神経を張り巡らす濃密な心理戦を繰り広げる。

 とてつもない緊迫感のある即興劇のようだった。
 冒頭、お互いが引き出そうとしているのが、ある人物についての死の真相で

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【読書】恩田陸「月の裏側」

恩田陸の小説「月の裏側」を読んだ。人間が失踪して戻ってくるという話で、それは一体なぜなのかというストーリーである。これは恩田陸あるあるなのではないかと思っているが、完全に謎を解くという終わり方ではなかった。自分は謎が解けるようなエンディングが好きだが、ぼやっとした終わり方、考えさせられる終わり方が好きな人もいるだろう。そういう人にあう小説なのではないかと思った。

この小説で最も印象的な場面は、交

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【 旅するワケ② 】 歩く旅が好きだ!

【夜のピクニック】【ロングトレイル】そして【星の旅人たち】

恩田陸の「夜のピクニック」にあこがれて、学生のころ夜中どこかへ歩いていく旅をしていました。ゴールした時の達成感はもちろん、だんだんと夜が明けていき、最後に朝日を見る。なんともいえない幸福な時間です。

そして、次に出会ったのが、
ロバート・レッドフォードとニックノルティ主演の「ロングトレイル!」
おじさん二人がおよそ3,500kmにおよ

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【読書】恩田陸「光の帝国」

恩田陸の小説「光の帝国」を読んだ。不思議な力を持つ常野一族に関する短編集であるが、自分にとっては常野一族に初めて触れる1作となる。

常野という名前の由来について描かれていたところが最も心に残った。常野一族は不思議な力を持っているので、その力を活かせるような立場、すなわち意思決定に携われるような立場に立つことがふさわしいと思われる。会社に着目すれば社長となることがふさわしく、国に着目すれば総理大臣

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【小説】恩田陸「ユージニア」

恩田陸の小説「ユージニア」を読んだ。難解であった。ある事件の犯人を巡ってのミステリーであるが、事件の現場が詳細に描かれるわけではない。1人1人の語りを通じて、外堀から埋めていくような形で事件の概要が示される。さらに、誰が語っているかは明示されるわけではないので、間を開けて読むと誰の語りであるか分からなくなる。なので、この小説は一気読みをおすすめしたいところだ。

あいつが犯人ではないか。自分が小学

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