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夜明けの花園(ネタバレ無し)

花園。理瀬シリーズを読書中はさまざまな花を思い描くことができるけど、美しいだけではなく、その花はずっとその場で佇みながら、じっと見続けている気がして「何もかもお見通しなのよ」という視線を背後から感じる、禍々しさみたいなものを感じられるのも理瀬シリーズの魅力。清らかだけではないという魅力。

表紙だけでなく、それぞれの話の絵も美し過ぎる。
ヨハンと校長それぞれのエピソードのおおまかなところは、初めて読んだ時からずっと忘れずにいたな。聖の初めて明かされたエピソードも衝撃的だった。そうこなくちゃ。もともと理瀬以外も想像力を掻き立てられる素敵な人物が沢山登場していたから、またシリーズ全部読みたくなってきた。あの檻の中の生活を感じてみたり、祖母の家の、あの女性達とのピリッとした空気感が漂う中、あの世界に没頭したいな。

六つの短編の中、書き下ろしと月蝕は初見で、他のエピソードはもう読んでいたけど、講談社以外バラバラに発行されていたのにこうして素敵な一冊にまとめられて嬉しすぎる。サイズも雰囲気も絶妙で素晴らしくて幻想的な理瀬シリーズにぴったりで嬉しい。


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