【NUANCEについて】
NUANCEという横浜のご当地アイドルグループに所属する川井わかさんについて書いたnoteです。運悪くここへたどり着き、その上めちゃくちゃ暇で読もうかなって思った方。読む前にNUANCEがどんなグループか知ってる方が多分いいのでURLを拝借してます。NUANCEのことがわかる↓↓↓

【書けない人】

「いつか私のことも書いてよ」

以前僕が書いた代代代にまつわるnoteを読んだ彼女が言ってくれた言葉。でも、彼女のことを書くのはとても難しくてそのときも「うへぇ」とか「うひょ～」とか言ってお茶を濁したような気がする。なぜなら僕が彼女の魅力を、その好きな理由を言語化しようとするとある種の誤解を招くおそれがあり、その誤解を上手くかわしつつ書くことが僕の言語力ではとてもじゃないけど無理だと思ったから。でも、卒業が決まってしまった。NUANCEの川井わかは2024年3月24日でマイクを置き、その衣装に袖をとおすことはもう無くなる。誤解を恐れている場合じゃない。今、彼女の出演するLIVEに向かう車内でこれを書いてる。もう残された時間はわずか、わかる。

【特別じゃない人】

早速誤解を恐れずに言う。彼女は特別秀でた才があるアイドルでは無い(と思う)眉目秀麗と評されるような容姿をしているわけでもなく、ホイットニー・ヒューストンやマライア・キャリーのように何万人もをその歌声で魅了できるような歌唱力があるわけでもないし、ダンスも突出したスキルがあるわけじゃない。でも、それでも彼女は魅力的だ。そしてその魅力は並ではない。とんでもなく魅力的なのだ。

視線で伝える想い、表情で魅せる曲の世界、その姿は文字通り輝いている。個性的な歌声はとても情感豊かで、雑味なくストレートに届くので聴いてる人の心にとても自然に滑り込んでくる。そして僕が特別好きなのはダンスだ。個人的にダンスはその人柄が如実に現れると思っている。だからダンスを見るのがとても好きだ。特にこの4.5年は所謂踊れるアイドルが増えてきた。基礎がしっかりしておりパフォーマーとしても問題無いスキルを感じる子もちらほらいる。が、彼女はそうゆうタイプでは無い。でも大好きだ、特別に。それはなぜか。川井わかでしかないからだ。基礎に基づいた個性ではなく、そういった枠を超えた、こうあるべきという概念をすっ飛ばして自由に踊り、でも歌の世界観やステージ構成をしっかり掴んでいるある種、特異な彼女のダンスは他の人には無い味わいがあり、いつも楽しくて嬉しくて目が離せなくなる。

抜きん出た才がある訳じゃないそんな彼女だからこそ「川井わか」を特別に出来たんだと確信している。その今の川井わかに辿り着くために過ごした日々はきっと楽しいや嬉しいばかりではなく、むしろ尋常じゃない苦労や苦難の連続だったと思う。そんな彼女が流した汗や涙から生まれた笑顔が、NUANCEのステージには在る。特別じゃない彼女は舞台袖からステージに出る瞬間、特別になる。特別じゃないからこそ特別になれるアイドル、わかる。

【スタンダードな人】

「スタンダードになりたくて」という彼女のソロ曲がある。彼女そのものだなって感じた。スタンダードは標準という意味だ。標準とはあるべき姿を示すものとしての、在り方や拠り所となる目あてということ。ではアイドルの在り方や拠り所とはなんだろう。個人的にべき論は好きでは無いが、きっとそれは見ている者に「感動」を与えること。これに尽きるのではないかと思っている。でも、感動させると一口に言ってもわずか20分～30分、平場でステージに立ってそれが出来るグループやアイドルってどれくらいあるんだろ。パッと思いつかない。「良い」グループや「好き」なアイドルはきっと誰しも沢山いるんだと思う。僕にもいる。でも「感動」出来るグループやアイドルって極々僅かなのではなかろうか。良いと思ってもらう、好きになってもらう、これらも勿論アイドルをするにおいて必要な要件だけど、それをゴールに置いてしまうと感動には辿り着けないんじゃないだろうか。感動させよう、してもらおうと日々研鑽を重ねないと見せられない景色があるじゃなかろうか。それはステージに形となって表れるんじゃなかろうか。

多様性と言ってしまえばそれまでなんだけど様々な個性豊かなグループが乱立し、移ろいゆくトレンドに右往左往するアイドルたちの中、きっと彼女はスタンダードであり続けようとしたのだろう。時に揺れる心を奮い立たせ、迷いや戸惑いに振り回されつつも、それでもあるべき姿をその存在で示し続けて今にたどり着いた。個性という言葉でそこから逃げるものたちの中、スタンダードになりたくてもなれぬ者が大半を占めるこの業界で、彼女はそこを目指した。その道のりこそがアイドルのスタンダードなんじゃないかな。川井わかはアイドルのスタンダード、わかる。

https://open.spotify.com/track/6sjChMe7r4S2BmzowQjlpe?si=F5gqkHTIRiqz4ZgUYEGqhw

【種まく人】
最後に……ゴッホが描いた絵に「種まく人」ってのがある。それは聖書にある「神の言葉をまく人」の寓意という話があるらしいけど、川井わかがアイドル人生でまいた種は「アイドルの生き様」そのものだと思う。そしてその生き様からファンとして彼女に愛されたと感じることができるし、その愛は太陽のような、ひまわりのような、いつも寄り添ってくれる温さに溢れ、ひだまりのようにちょうど良い安心感を感じることが出来る。

わかちゃん、あなたが撒いた種はそのステージを観た沢山の人たちの心で、色とりどりの花を咲かせてるよ、わかる？