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人にフォーカスを当てて、タクシーをエンタメにしていく。

「これからAIによって職業が失われていく中で、人が持つ価値は感情だ。」
そんなことを言うつもりはさらさらない。
でも、今回の結論を言うと「人にフォーカスを当てること」が面白いと思ってる。

自動運転によって近い未来に要らなくなるタクシー運転手という職業をしておきながら、私のスタンスは「早く普及されるべき」というところにある。
完全自動運転による社会で事故が無くなるほうが良い。
なんだかんだ車の運転には日常生活よりストレスの起きやすいポイントが多いというのもある。
空飛ぶタクシーは純粋に面白そう。
そんな、今の人間が持つ不満を解消する便利なサービスが出てくるのはもう避けられないことであるし、喜ばしいことだとも思っている。

そして、それをめちゃくちゃ頭の良い人たちが作ってくれている。
それが出来ることは出来る人に任せて未来を楽しみにしつつ、
今あるモノでも面白い方向に進んだほうが後々良い気がする。

タクシーをエンタメにすることなんてまさにそれだし、
自動運転やAIと言った技術ではなく人にフォーカスしている。
冒頭に書いた感情どうこうとか、技術発展のなかで人間が生き残るためなどではなく、ただ楽しそう。
ゲームだって、映画だって、音楽だって、アニメだって、この先の自分の人生のためにやっているのではなく、今、これが楽しいとか好きだから観たりしているはず。
タクシーをエンタメにするというのはそういうこと。

今回は、「人にフォーカスを当てる」という話です。

「タクシーを移動手段からエンタメにしていく」
日本タクシーエンターテインメント協会
発起人 ヨナシロ
です。


立場で変わる正義

残念ながら、タクシー業界は運転手を守っているようで、
自分たち“業界”の未来の利益を守っている。

タクシー業界がライドシェアの大手Uberの進出を阻んだのはその一つ。
海外ではタクシー運転手が職を失っているというところもあるし、業界が規制をかけて参入を阻むのは日本に約28万人いるタクシー運転手が路頭に迷わないためにも見える。

実際のところは、海外と日本のタクシー普及の背景が影響していて、特に日本の都心部ではライドシェアが必要ないとされている。
「ライドシェアなんてなくても、タクシーでやっていけます。」
そういうスタンスなのかもしれない。

しかし、地方のタクシー会社は半分以上が赤字だし人手不足は慢性的。
都心部だって足りているように思うが常に4,50万の紹介料を用意して求人を行っている。
2030年までにタクシー運転手の数は今の3分の2になると言われていて、
売上も右肩下がりで落ちている。
全てが下降傾向にあるなかで、それでもタクシー業界を守るのには理由がある。

それは、自動運転化されることで人件費が要らなくなり、大幅に黒字転換されるから。
人件費で70%を占めるタクシー業界は自動運転により運転手が必要無くなれば人件費が一気に要らなくなる。
「同じ売上でも約70%が丸々懐に入る」
というのがタクシー業界。

だから、今目の前にある人手不足、売上減少などのマイナス点と
そこに繋がるライドシェアによる移動手段の最適化、
どちらも無視してとにかくこの業界を守る。
業界を守ってさえいれば、いずれ儲かるようになるから。

「ライドシェアによって職を失う多くの運転手を守る」名目でもあるが、
「近い未来の利益を得るために規制を張っている」というのもある。

業界の経営の立場にいれば、それを選ぶのは当たり前だと思う。
そこに批判はない。

更に言うと、自動運転化したタクシー業界のための動きも始まっている。

最近増えたタクシーの車内広告。
あの広告サービスの開発、または広告販売する会社のうち一つ、株式会社IRISは日本交通グループの JapanTaxi株式会社が株主になっている。

JapanTaxi株式会社はタクシーの配車アプリや、そこから得られるデータ利用した事業を行っている会社。
元々、日本交通という業界最大手の会社の配車アプリが始まりになっている。旧名は 株式会社日交データサービス。

株式会社IRIS があって、JapanTaxi株式会社 があって、日本交通がある。

業界最大手が盤石の状態を築いているのが今のタクシー業界。

でも、これは均一化と言う意味で見ればとても良い。
わざわざ配車アプリが3つも4つもあったり、何とかペイがいくつもあるようにバラバラよりはまとまった方が楽。

そして、経営の経験はないけど、その立場に居ればきっとそんな組織というか仕組みを築くのが正解だと思う。
既得権がどうのこうのももちろんあるが、それは立場の問題だと思う。
企業は社員とその家族を守るために生き残らなければならない。

それはそれであったとしても、じゃあどの立場にとっても正解の状況か?
と言ったらそうではないと思う。
組織と個人は違うし、サービスを受ける利用者もまた違う。

お金の動きや仕組みを変化させることは出来ないが、
楽しいと思えるようにすることは出来る。

だからタクシーをエンタメにする。


人にフォーカスを当てると見えてくる、
誰も作れないドラマ

技術なんて頭良い人がやってくれるし、
お金の動きや仕組みを変化は立場で求めるものが変わる。
個人は何も出来ず、誰かのルールの中でただ生きていくだけしかないように思うが、楽しいと思えるようにすることは出来る。

タクシーをエンタメにすることで
運転手に対して余計な疑念を抱かずに乗ることが出来たほうが良いし、
穏やかなお客様だと運転手もきちんと対応したくなる。
(それでもオカシイ運転手はいる)

それを考えたときに、やっぱり“人”になる。
技術じゃ補えない。

最近のエンタメにはこのような傾向がある。
「日常と非日常」、「リアリティ」
大ヒットした映画「君の名は」は、日常だが入れ替わるという非日常。
テレビで流れる「テラスハウス」や「バチェラー」も、当事者にとっては日常の中のことで、それを見ている人は非日常になる。
そこにはリアリティもある。

テレビ東京の「家、ついて行ってイイですか?」は個人にフォーカスをあてたドキュメンタリーではあるが、そこにはリアルなドラマがある。
作った台本ではないドラマ。
同じく「YOUは何しに日本へ?」も個人にフォーカスを当てた、しかも日本人では中々持てない視点を見る事が出来るリアルなドラマ。

日常と非日常、リアリティはエンタメとして存在している。

“人”にフォーカスを当てるということになれば、
一見既得権益を守るタクシー業界の人間だって見え方が変わる。

前述した日本交通グループの会長であり、日本の法人タクシーの団体「日本タクシー・ハイヤー連合会」会長でもある川鍋一朗氏は
創業三代目にあたる。
慶應義塾大学経済学部卒業後、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院も修了。専務、副社長、社長を経て現職。
2000年の入社当時は1900億円の負債を、大胆な経営改革で立て直し、数十億円にまで減らすのだが
その時の話を書いたこの記事は、人間味と、ドラマのワンシーンを見ている気になる。

もしかしたら、創業家だからこその苦しさが他にも沢山あるかもしれない。

立場によって求めるモノや正義は変わる。
もしかしたら対立することもあるかもしれない。

でも、“人”にフォーカスを当てることで見れるドラマには
事実があるだけ。

そのドラマを見て、聞いて、楽しいと思えるかどうか。
ただそれだけ。

そんなエンタメを作ろうとしている。タクシーで。


今日から2020年が本格的に動き出した。
今年はどんなドラマが生まれるのだろう。

タクシーを、エンタメにしていく。


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日本タクシーエンターテインメント協会HP(仮)

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