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長編連載小説 Huggers(67)

沢渡  11

        

「BPネットニュース、5月2日。
 この4月から毎週日曜日、11時から12時の1時間、JR渋谷駅ハチ公前のスクランブル交差点に、『フリーハグ・キャンペーン』をする人々が出現し、話題を呼んでいる。

 道行く人に「FREE HUGS」のボードを持ってハグを呼び掛けるこのキャンペーン、数年前に話題を呼んだが、最近は見かけることが少なくなっている。
 『ハグ』にこだわる理由のひとつを呼び掛け人の沢渡哲史さん(39)は、『ハグという、日本人にはあまりなじみのない行為を通して、人生観が変わった』経験をあげる。

 沢渡さん自身、最初は見知らぬ人とハグをすることに非常に抵抗を感じたが、一度その壁を超えると、呼びかけに応じてもらえたときのうれしさと、見ず知らずの人の心の温かさに、すっかりやみつきになるという。

 沢渡さんいわく『夫婦や親子など、身近な人たちと急にハグをするのは、かえって難しいかもしれない。まずはノリでもいいので、ここへきてフリーハグを体験することで、免疫をつけることから始めていただければ』。日曜日に渋谷にお出かけになる際には、ぜひ一度彼らとハグしてみてはいかが?(取材・高田祐樹)」

(つづく)


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