【線を引く】

琵琶湖はデカい。
何を当たり前なことを言っているんだとおもうでしょうが、東京23区に住んでいる身としては

琵琶湖は東京23区より大きい

ことに畏怖を覚えるのです。
琵琶湖が襲ってきたら、23区は負けて沈んじゃいますからね。

そんなことを考えながら、湖沿いを歩いた。


琵琶湖全体像
琵琶湖の下の方の拡大画像

琵琶湖は日本一大きい湖だと小学生の時に習った。
しかし、河川法上、

琵琶湖は一級水系「淀川水系」に属する一級河川であり、法律上の名称は『一級河川 琵琶湖』

らしい。

「え? え? そうすると、『一級河川 琵琶湖』はどこで『一級河川 淀川』になるの?」

そんな疑問が湧いてきた。
グーグル先生に様々な質問をしながら琵琶湖から流れ出る方へ歩を進めた。

琵琶湖から川が流れ出るあたり

そうすると、スマホの地図には不思議な文字が浮かんだ。

『瀬田川』

「??? 淀川じゃないの???」

ここから瀬田川らしい

画面に映る水色の線を指で追っていく。
クネクネと蛇行をしながら京都方面へと進んでいく。

『宇治川』

またもや淀川ではない名前が出てきた。
川を指で追い続けてきたから、間違えたわけではない。

『瀬田川』が『宇治川』に名前が変わったのだ。

脳内は疑問符ばかりが湧いていた。
されど、取り敢えず『淀川』に辿り着きたい。
気を取り直して指を進める。

大阪付近になると、『宇治川』以外に2本の川が合流してきた。
『桂川』と『木津川』である。
この3本が1本の川へとなった。

そして、その表記は『淀川』である。


やっと、小学生の時の知識と繋がった。
長い。長かった。

大きい川に小さい川が合流するから、大きい川の名前が続くなら分かる。
だけど、琵琶湖と淀川は違った。

こういう地理とか歴史を面白いとおもうタイプなので、ウキウキしながら調べながらこの文章を書いている。

確証は無いけれど、川が流れている区間によって名前が変わるみたい。
・滋賀県では『一級河川 琵琶湖』でそこから流れ出ている川が『瀬田川』
・京都府宇治付近で京都府になるので『宇治川』と名称が変わる
・『瀬田川』『桂川』『木津川』が合流する辺りで大阪府になるので『淀川』という名称になる

電車から撮ったので微妙だけど、『宇治川』


いやはや、面白い。
どんな人たちがどういう歴史で【境界線】を引いたのだろう?

琵琶湖から瀬田川になるところも人間が決めた。
滋賀県、京都府、大阪府の県境も人間が決めた。

【境界線】が無いものに線を引く。
それが管理し易いから、利権をめぐって喧嘩しないからというのは分かる。
だからこの人間の都合を否定しない。

僕の興味は【境界線】だ。
誰かの思惑やそこに暮らす人々の歴史を踏まえて、線を引いている。
どんな想いがそこにあるのだろうか?


小学生知識の僕としては
「全部『淀川』で良いじゃん」
とおもう。

シンプルだ。

でもそうなっていない。

憶測だけど、その土地で住んでいた人たちが呼んでいた名前が残っているのかもしれない。
今でこそスマホで全国地図から詳細な地図まで見れる。
だけど、『瀬田川』と『淀川』が繋がっている認識が無かったとしたらどうだろう?
滋賀県に住む人にとっては『瀬田川』で、大阪府に住む人にとっては『淀川』でしかない。

スマホがある現代でも同じだろう。
目の前にある川が人によって『瀬田川』『宇治川』『淀川』か、だ。
時代や場所などによって、同じものを違う扱い方している。

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