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おやすみ。。。僕。。。

僕には、目というものが無い。。。

 物の形が見えないのです。おんぼらと、何かが動く様子や。。。

 風?らしい空気の流れ。。。を感じることは出来ているのです。なので、耳らしいものはあります。そのかわりに、触覚がとても発達しているみたい。直接、何かに触れることがなくても。。。おおよその形が窺い知れるのです。

 僕は、とても真面目です。そう、思う気持ちが在ります。。。

だって、ひとりの人にだけ、ピッタリと寄り添い続けているから。

その人の、顔を見ることは出来ませんが。。。体の調子や、心の具合を知っています。

 その人を、僕は、『ご主人様』と呼んでいます。。。でも、僕には口というものがありませんから、声にする事は出来ません。

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 ★★★

今日は一日、暑かった。。。風もゆるく、ご主人様の動きが。。。少しずつ緩慢になっています。外を歩くのが、仕事の様です。時折、カタッっと。。。音をさせて何かをじっと覗き込んでいる?のかな。。。しゃがみ込む動作に寄り添う僕は、いつも慌てます。
 そして、立ち上がる。ゆっくりです。とっても速く立ち上がる日もありますが。。。今日は鈍いです。

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 耳は聞こえても、僕には。。。言葉と言うものが判らないのです。口のない僕は。。。話す事もないから。今日は僕も疲れた。。。暑い日や、風のない日は特に。。。ご主人様の体調を慮って動くから。
 帰宅したら。。。直ぐ、風呂に入るご主人様。その時から、僕は側を離れられるんです。ご主人様が眠りにつくと。。。完全に、僕は自由。僕も、壁の奥の方に在る落ち着ける。。。壁。。。に、肩をあずけて。。。安めるのです。

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 そう。。。僕は、【影】。ご主人様の人影に棲んでいます。


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