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SingerSongWriterの略ではない。 音楽について書いています。 お問い合わせ: tbaeric.wryo694@gmail.com

最近の記事

2024年2月の(音楽とかの)こと

春めいていると思ったら今はまた寒い。 春めいてくると少し音楽を聴きながら散歩してコーヒーを飲みながら本を読んでくるだけでもとても気持ちいい。 柴崎友香の新刊『続きと始まり』や、ヴェルナー・ヘルツォーク『氷上旅日記』を読んでいた。 一人で車を運転することについての描写。こういうのが柴崎友香の文章における"神髄"かもしれないと個人的に思っている。 途中まで読んだ『氷上旅日記』、田舎道をズタボロになりながら彷徨い続ける姿は、なかなかどうして静謐な祈りのように見えるのである。

    • 2024年1月の(音楽とかの)こと

      11月、12月のことを書かないうちに1月まで終わってしまった。 11月から山形県の鶴岡にいる。半年間の短期駐在というやつである。期間限定という暗示をかけて、自分からしたら鬼のように働いている。日本海特有の冬の雨風雪の中を10分歩いて会社に行って、目を回して働いて、レコードも何も無い家に帰って、週末に作り置いた食事をそそくさと食べて、マンスリー賃貸の光熱費が会社持ちなのをいいことに毎日浴槽にたっぷり湯をはって冷え切った体を暖めて寝る毎日である。この期間オンラインで買ったレコード

      • 2023年マイベストアルバム

        2023年に出会った作品の中から10枚を選びました。2023年に留まらず、この先ずっと聴いていくであろう定番になり得る10枚です。近年はそんな"定番"を探す旅を細々と続けているような気がします。 10 V.A.『We Wish You A Merry Christmas』('83) 長らくレコードを見つけたら買って聴いてみようと思っていたクリスマスソング集。細野晴臣によるホーリーなシンセサイザーの独奏から始まって、ムーンライダーズ、越美晴、そして戸川純による「降臨節」へと

        • 2023年10月の(音楽とかの)こと

          11月2~5日で韓国へ旅行。帰ってきた翌日に山形県鶴岡市に入り、そのまま暮らしている。そう、翌年の4月末まで山形県鶴岡市に短期駐在することになったのだ!! 韓国旅行も、鶴岡でのことも11月のことであるからには、わたしはまず先に10月のことについて書かなければいけない。 10月14日、麓健一のソロライブを観に小田原へ。 2時間半ほど電車を乗り継いで、夕方ごろに初めて小田原駅に降り立ち、会場の「まほらま」というギター&コーヒーショップに向かう。 カフェらしい厨房カウンター

        2024年2月の(音楽とかの)こと

          2023年9月の(音楽とかの)こと

          9/10~9/18の日程でUSAへ出張をした。人生で初めてアジア外へ。ということで今月はアメリカ紀行です。 9/10 (日) 昼前に出発し羽田空港へ向かう。行き帰りトランジットがあり、さらに別でアメリカの国内線にも乗るため、ロストバゲージを恐れてAir Tagを導入。 スーツケースに忍ばせて動作確認をしながら向かう。初期設定した絵文字のカニがかわいい。 モノレールの軌跡を完全にトレースしていて正確性、同期性の高さに満足。このあとどこの空港でもその実力を存分に発揮していて

          2023年9月の(音楽とかの)こと

          2023年8月の(音楽とかの)こと

          来週のUSA出張に向けた準備で慌ただしい。ラスベガスとシカゴに行きます。 平日は(週の半分くらい)ランニングで帰ってきて、シャワーを浴びて、夕飯の準備をして、食べながらU-NEXTで「出没!アド街ック天国」か「ドキュメント72時間」を観ていると気が付けば夜が深まっている。平日の夜にアド街はすこぶるちょうど良い。なぜ今まで気づかなかったんだろう。U-NEXTでは最新回がアップされつつ、古い回から順に消えていく方式で、およそ2年分くらいのアーカイブが視聴可能となっています。願わ

          2023年8月の(音楽とかの)こと

          2023年7月の(音楽とかの)こと

          先月のことを書かずに飛ばしてしまった。 週末① (7/1, 2) 友人に誘われ伊東の海でダイビングをした。一からレクチャーを受けてライセンスを取ったとき以来、実に4年振り。 金曜の夜に海老名に住む友人の家までわたしともう一人が移動。日付を回ってから束の間の睡眠の後、4時起きで出発。友人と同じ会社でダイビングインストラクターの資格を持つおっちゃん(敬意をもって)に迎えに来てもらう。このおっちゃんには往復の運転から、機材等のレンタル、水中でのお世話(してもらわないとごく真剣

          2023年7月の(音楽とかの)こと

          2023年5月の(音楽とかの)こと

          東京の国立で「台形」という店を構える伏木庸平さんのエッセイ『台形日誌』を読んでいた。 昨年の9月に一度食べにいったときのようす。 国立の店舗とその階上の自宅をベースに、ときに北海道や関西・四国、フランスへの紀行も交えて、日常と非日常の揺らぎのようなものを捉えた篇を並べたエッセイである。そしてどの篇にも文章と交信するようなレシピが一つ。 「金柑のスパイスおでん」のレシピが収録されていたのはとても嬉しかった。以前SNSで見た記憶があって気になっていたもののより詳細なレシピ。

          2023年5月の(音楽とかの)こと

          2023年4月の(音楽とかの)こと

          3月も4月も引っ越し関係と仕事。仕事は依然同じような状況が続くけれど、引っ越し関係は新居の整備が片付いてきて、二人暮らしにおけるルーティンも定着してきたから、この頃少しずつ自由な時間と、何か作品に向かい合う気力が戻ってきている。 文芸作品の内容がある程度しっかり頭に入る余裕が戻ってきてうれしい。 待望していた岸本佐知子訳によるアリ・スミスの新刊『五月 その他の短編』が期待に違わぬ素晴らしさで、一篇ずつ大切に読み進めた。アリ・スミスの文章を読むことは本当に楽しい。 特に好

          2023年4月の(音楽とかの)こと

          2023年3月の(音楽とかの)こと

          「3月のこと」もとい「3月11日」のこと。 14:30過ぎ、吉祥寺駅から15分ほど歩いたところにあるバー『SILENCIO』へ。 この日店内で開かれるイベントでDJをするためである。 この日に至るまでの流れを説明すると、 ・2年くらい前に何やら素晴らしい音楽がかかりそうなバーをネットで見つける。その店は『SILENCIO』というそう。(実際の由来は違うそうですが、) World Standard!! ・情報チェックしつつも状況変わらぬまま1年くらい経つ。その間SNS

          2023年3月の(音楽とかの)こと

          2023年1月の(音楽とかの)こと

          今年もよろしくお願いします。 1月も終盤に差し掛かったころ、yumboのライブ情報が届く。 来たる3月11日、実はその日は他にとても楽しみな予定が入っていて、最初日付を見た途端に、よりにもよってなんでその日なんだと動揺で頭がいっぱいになってしまい、発表された直後は手放しで喜べなかったのですが、先に入っていた予定の方を調整して頂いたお陰で両立できることになり、発表から5日ほど経った今ようやく、yumboのライブを観れるんだという喜びが込み上げてきているところ。 出会って1

          2023年1月の(音楽とかの)こと

          2022年マイベストアルバム

          2022年に出会った大切な作品を10枚選びました。10枚を眺めてみると、一枚一枚はこの場で取り上げるべき素晴らしい作品ばかりだと思う一方、年間ベストアルバムが自身の一年のリスニングライフを総括するものであるという前提を設けるならば、ある意味片手落ちであるようなそんな感覚が今年はどうしても拭えません。この10枚で形成されるジオメトリはどこか網羅的ではないというか、氷山の一角というべきか。 ということで、この一年以下に挙げるような作品だけを聴いていたわけではありませんよ、という

          2022年マイベストアルバム

          2022年11月の(音楽とかの)こと

          7月に契約していた車の納車。筋金入りのペーパードライバーなので、いちいちドキドキしながら給油や、洗車や、両隣が埋まっているシチュエーションでのバック駐車をするなど。 ずっと自分に車の運転は向いていないというか合わないと思っていたけれど、一人で運転している時間は案外心が静まって嫌いじゃないことに気付く。外界の音がある程度遮断されて、聞こえるのがエンジン音とタイヤが地面を踏む音くらいになるのもいいし、運転中はどうしても運転しかできないのもいい(料理も同じ理由で好き。) 思えば教習

          2022年11月の(音楽とかの)こと

          2022年10月の(音楽とかの)こと

          先週末に友人2人と私の家でレコード会を開催。すごく久しぶり。すごく楽しく大満足。まずは記録していた全ラインアップを順番に。 いい音楽しか流れないものだから、聴きながらどれだけでも喋れてしまう。そうして喋っていて、一人で聴いているのでは到底見えてこない視座に到達した瞬間こそやはりこの遊びの醍醐味であろう。やはりこれはもっと定期的にやりたいんだよなー。 個人的にはつい後回しにしがちな新譜の話題作をかけてもらって、しっかりと聴くことができたのもよかった。Arctic Monke

          2022年10月の(音楽とかの)こと

          2022年9月の(音楽とかの)こと

          2021年からオンラインで営業をスタートしていたレコードショップ『ciruelo records』が奈良に実店舗をオープン!!おめでとうございます!!末永く続きますように。 その開店セール品として9月中SNSにアップされていくレコードの数々をあなたは見たか!? Steve Reich『Music For 18 Musicians』、Steve Hiett『渚にて』、Caetano VelosoのNonesuchからのS.T.、それからde LeeuwによるEric Sat

          2022年9月の(音楽とかの)こと

          2022年8月の(音楽とかの)こと

          お盆休みを目前にして新型コロナウイルスに感染。13連休。発熱して明らかに体調が悪かったのは一日くらいだったので、結果家の中にいてやりたかったことを、ここぞとばかりに遂行し続ける異常に充実した連休になった。(大掃除に近いものまでできてしまった!!) 体感あと2倍、つまり一ヶ月くらいはそのまま籠りきりでも、何の迷いもなく楽しく過ごせたような気がするなー。 中でも、最も時間を費やしたのは、yumboの映像作品『いくつもの宴 multiple banquets 1998─2021』

          2022年8月の(音楽とかの)こと