Theドイのライブを観た私

まず、Theドイっていうめっちゃいいバンドがいて、ひょんなことからお知り合いになって、先日彼らのツアーファイナルを見に、埼玉の片田舎からはるばる西永福へとへーこらへーこら訪ねていったのだ。

恥ずかしくなるまで、ここにその感想を残そうと思う。

その日は朝から雨が降ってて、私は渋谷で井の頭線の乗り換え口が見つからなくてヘトヘトになっていた。
何とか電車に乗り込んでも、車内は雨でシケってて混んでて最悪で、なんか臭いし、極めつけに駅に着く度私が立っている左側ドアばっかり開きやがって、もう右側のドア使わねぇなら埋めちまえ!と思ってた。

新代田で何故かほとんどの乗客が降りて、西永福まで後少しのところでようやく座れた。向かいの席の詰襟姿の男子高校生が、ここぞとばかりに荷物を網棚に上げて、手提げから美味そうな弁当をだしてハフハフ食い始めた。それを見ながら、なんかいい気持ちになったりしていた。

Theドイのツアーファイナルは4バンドの対バン方式。
まちぶせ→YAPOOL→フジロッ久(仮)→Theドイ
形式ばったお世辞のようで辟易するが、みんな素晴らしかった。
熱い演奏とデカい音、あとやっぱり上手い!歌も演奏もステージングも。ライブのかっこいいバンドは、やっぱりたまらんぜ。
個人的にはYAPOOLの「チャイナタウンに背を向けて」と「BOY」がフェイバリット。ライブで見ると八割増しグッドなんだコレが。

本題という訳でもないんだけど、ドイのツアーファイナルだしドイの話を。

Theドイを初めて知ったのは、私のバンドのギターがオススメしてくれたから。「ドイっていうナイスな感じのバンドがいるんだ」と言われて、何の気なしに聴いた「A」という曲。心がすすがれるような爽やかな歌詞と、どこか漂うホコリくささがとても好きになった。

しばらくすると、ドイのMV撮影のエキストラ募集の告知がSNSで流れてきた。私はドイを知らない友達を2人引連れて参加した(色々あって出演は出来なかったが)、実際行ってみるとライブハウスで見る有名なバンド(要はドイの仲間たち)が沢山来ていて、なんの繋がりもないのはほとんど私たちだけだった。にも関わらず暖かく迎え入れてもらって、緊張したり興奮したりしながら、エキストラの面々とドイのメンバーで一晩楽しく飲み会をした。
そんなおかしな縁があって、私はようやく、ドイのライブを観にこれたのだ。

ドイのライブの前に、ボーカル大泉咲のお父さんと話す機会があった。

「20歳超えてるんだから、わざわざ見に来ることないって思うんだけど、毎回ワイフに拉致されて来るんだよ〜」
「バンドは皆で仲良く続けていけるのが1番!」

と明るく語る大泉父のオープンな人柄に、大泉咲のイズムの根源を垣間見たような気持ちになって面白かった。

いいバンドのいいライブを見ると、色んなマジカルバナナを瞬時に経て、結果寂しくなって死にたくなることがある。

こんなに楽しいのに、どこか周りの目を気にして、みんなでおんなじ音で動いてるのに、一人ぼっちな気になって、この後何時の電車に乗って、どうやって帰ろうか、次のバイトのシフトはいつだっけ、なんて考えたりして、いいライブを観てるのに、踊り狂ってるのに頭が冷たいままなのさ
そんなの切なくてやり切れないよね。


だから私はライブハウスに1人で来るのがあまり好きでは無いのだが、ただ、でっかい音でライブを見てる時に、たまに、一瞬、そんなの全部忘れるくらいスゴい、夢の中に入るみたいな扉が開く時がある。すごくたまに。
そこに入るとその瞬間はとにかく楽しくなれる。ロックンロールの夢を見られる。

その日はそのドアの目の前まで来て足踏みするような1日だった。新生活と新しいバイトと、やらなきゃいけないことと、金欠と疲労と夢と希望で頭の中が忙しかった。(4月ってやっぱソワソワしてて嫌いかもしれない)。

だけどドイはやっぱり最高で、ドイのライブを見てると、夢の扉を易々と開けた上に、ドアの向こうにお菓子と本とギターがたくさん置いてあるよ、と手を引いてくれてるみたいに感じた。上手く伝わってる気がしないけど…なんていうか、

ドイはとにかくスムーズに、私をロックンロールの夢へと誘った!

そして私はその夢をしっかりと見てきた。しばらく覚めなそうな、すごい夢だったよ。
(ストレートに物を褒められない性根が悔しい…)

彼らが周りのみんなから愛されているのを感じたし、私も彼らを愛しているのを実感した。

Theドイ、ツアーファイナルおめでとう!そしてありがとう!みんなのことが大好きです

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