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時空を超えるヲタク

12月に入ってから田畑藤本さんのことばかり考えていて、なんかちょっとおかしな感覚になったので、書いてみます。


「インターステラー」という映画をAmazon Primeで見た。
たばふじちゃんねるの喝配信で紹介されたのがきっかけだ。
最終盤、主人公クーパーが5次元の世界で時間を行き来して娘のマーフにメッセージを伝えるシーンが印象的だった。巨大な書庫のような場所で、過去のマーフが空間ごと収納されているといった表現だった。

私が田畑藤本さんを知ったのはごく最近だ。
今年の6月、ダイタクTVとのコラボ動画の少し前。とっても浅いファン歴。もちろんご本人たちに直接お会いした経験はない。
解散発表後、13年前から応援してこられたファンの方たちのメッセージが次々と出てきて、私のような新参者が熱くなっているのが申し訳ない気もする。

ただ、私は田畑藤本さんのルミネでのデビュー漫才を見ているし、直接お話をしたことがある。

デビュー漫才は吉本興業の公式YouTubeで公開されている。
https://youtu.be/RIhvld8u_3Q

そして、11/21にZoomを通して田畑藤本さんとROMPA!!で遊んでいただいた。

田畑藤本さんが出演されたライブに行ったことは一度もない。そもそも関東の劇場に行ったことがない。
でも、田畑藤本さんが初めて彩ジュニアから彩EAST LIVEに上がって、メンバージャケットを「似合わねー」といじられているのを見た。大阪チャンネルのアーカイブ(2015年3月5日回)で。
2013年3月の彩ライブ開始から今年10月のMライブまで、映像を通して田畑藤本さんの漫才を100本以上見てきた。トークも見た。コーナーも見た。モノボケも大喜利も、公開されている映像は、たぶん全部見た。

これはどう理解したらいいのだろう。
私は田畑藤本さんのガチ勢なのか?ニワカなのか?

私は30年以上のカープファンだが、地デジの野球中継がなくなり、人気が出て球場チケットが取れなくなって以降、カープ情報に疎くなった。ニワカでないことは確かだが、ニワカの人たちよりもカープを知らない。

一方、田畑藤本さんを応援した時間は本当に短いが、田畑藤本さんで笑った量はとても大きく、田畑藤本さんへの思いはとても強い。

どう理解したらいいのだろう?
昭和の頭ではついていけない。


【アーカイブはタイムマシーン】

映像が残ってさえいれば、私はそのライブを見に行くことができる。
アーカイブを見る時間さえあれば、私はデビューからの田畑藤本さんの道のりを辿ることができる。13年間を半年で。時間感覚が狂う。

時々、無性に「あの漫才が見たい!」とピンポイントで渇望することがあって、アーカイブを探って、数年前の田畑藤本さんに癒してもらうこともある。
ある時は7年前のたばふじさん、ある時は去年のたばふじさん。インターステラーで大きな書庫の中を無重力で行ったり来たりしているお父さんのようだ。


【インターネットは転送装置】

九州からでも東京のライブを見ることができるし、生配信であればリアルタイムでやりとりすることすらできる。
私たちはもう、テレポーテーションを手に入れているのではないだろうか。

私ができないことと言えば、たばふじさんを直接見ることと触ることくらいだが、そもそも、東京に行ってもたばふじさんに触ることはおそらくないだろうし、このご時世、人の移動が極端に制限されて、たばふじさんどころか親戚にも会いに行けない状況だ。

私の体は移動しないが、私自身は世界を移動する。

【この解散】
アーカイブとインターネットのおかげで、私は田畑藤本さんの13年間を6ヶ月ほどでギュッと目撃した。
この短い間に、田畑藤本さんは私の暮らしに大きな影響を与え、私を支えてくれた。

田畑藤本さんは解散する。

タイムマシーンと転送装置がある今、この解散は何を意味するのだろう。

新しい漫才が生まれない。

そうか。未来方向への道が続いていないのか。
来年から先の道は、2人分の幅ではなく、1人分の道が2本になるんだな。
田畑藤本さんの漫才の新作が生まれないのはそうとう辛い。でも、過去に戻るタイムマシーンは残っている。いつでまたばふじさんに会いに行くことができる。
来年は、田畑さんと藤本さんそれぞれを応援しながら、しんどくなったらタイムマシーンに乗って、たばふじさんに元気づけてもらうのだ。

【届かない笑い声】
県外移動自粛要請が出がちな地域に住んでいることもあって、今年のお笑いは配信のみで楽しませてもらっている。リアタイできなくてアーカイブで追うことも多い。

先月のインディダイタクのオープニングトークが印象的だった。
ある無限大ホールでのライブで、お客さんは20人ほどだったのに対し、配信が100枚以上売れていたということだった。
「これからライブも変わるよね」「もう家にいて漫才できるんじゃない?全部バーチャルでさ。」笑いながら話していたけど、かなり厳しい時代になる予感がする。

配信で見せてもらっている方は、楽しいばかり、助かるばかりだ。スマホのこちら側では大笑いしている。ただ、それを芸人さんに届ける術がない。
芸人さんたちは不安ではないだろうか。
ダイタクさんは「俺たちの客は渋いからめったに笑わない」と言ってくれているが、そんな風にとらえてくれる芸人さんは稀だろう。

それに気づいてからは、配信視聴後、なるべくTwitterに感想を書くようにしている。芸人さんたちがどれくらいエゴサしてくれているかはわからないけど、遠くで大笑いしていることを伝えたい。

私が芸人さんたちのパフォーマンスを受け取る方法はデジタル。でも、私の気持ちをきちんと伝えようと思ったら、もしかしたらファンレターやプレゼントなど、アナログな方法が良いのかもしれない。目で見て、手にとって感じてもらえる方法が。

技術が進んで、時空を超えて私たちの笑いや拍手が芸人さんに届く日が、早く来てほしい。
そう願いながら、これから初めて田畑藤本さんへのクリスマスプレゼントを買いに行く。

ファン歴6ヶ月。でもデビュー漫才を知っている。私は時空を超えたたばふじヲタク。

僭越ながら公開しました。