見出し画像

【展示・イベント】5月の気になる現場

5月も大小注目の展示が目白押し。今回から、10件前後まとまったらどんどん出していく方式。早速行ってみたいものを挙げてみます!

一部会期中のものもあるので、4月の気になる現場もご覧いただければ嬉しいです。

1.「五木田智央 PEEKABOO」

2018年4月14日〜6月24日

すでに行ってきまして、圧巻でした。去年タカ・イシイギャラリーで開催していた展示にも足を運んだんだけど、本当に素晴らしかった。

グレートーンの表現域が果てしない。完璧な構図と、レスラーのように奇妙なバランスの人物たち。それらある種の“歪み”に一気に引き込まれてしまう。日本画家には比較的珍しい大きな作品も、その世界を効果的に演出するから、数枚飾るだけで迫力がある。

今回は新作も多く発表されていて、この人まだ50歳なのかと思うと恐ろしくなりました。


2.「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」

2018年4月7日〜6月10日

デザイナー、そして教育者としても活躍したブルーノ・ムナーリの日本最大規模の回顧展。名前といくつかの代表作は知っているものの、活動の領域が広すぎて、まだまだ氏の功績を認知できていないので絶対行きます。

会場となる神奈川県立近代美術館葉山は都心からは少し距離がありますが、行く価値は大いにあるかと。

約150点は日本初公開となる作品で、未来派に関わっていた時代の作品、そして晩年の絵本原画など、これまで日本であまり知られてこなかったムナーリの一面も見られるようです。手がけた絵本や遊具を実際に手に取ることができる場も設けられ、体験を重視した展覧会になるとのこと。楽しみです。


3.「戦後美術の現在形 池田龍雄展−楕円幻想」

2018年4月26日~6月17日

日本の戦前・戦直後芸術はかなり前衛的で大好き。刺激を受けます。

この時代は、敗戦国である日本が国を挙げて頑張ろうとしていた時期で、ここ数十年のような世界とのタイムラグもなく、世界の動向を受けて日本の芸術家もさまざまな表現・概念に向かい合っていたそう。

それに加え、池田龍雄自身は特攻隊員として戦争を体験しています。戦中から戦後の大きな価値の転回に立ち会い、国家権力に振り回され続けたこの体験が、池田の原点を形作ったといいます。

世界的に見ても、戦争とアートの関係は非常に深い(シュルレアリスムとかは第一次世界大戦付近なので)。戦争そのものは根源から否定しますが、そこから素晴らしいものが生まれたならば、それだけは真正面から向き合いたい。


4.松原健「Spring Steps」

2018年5月18日〜6月13日

前回の4月の気になる現場で紹介した「shijimaをみる」展にも参加されていた松原健さんの個展。

映像で表現する「shijima」がとても素敵だったので、個展のボリュームで作品がみられるのは嬉しい。

LOCO galleryで5月12日まで開催している平松麻さんの展示も素敵だったとの口コミをいただいているので間に合えば行きたい……。


5.「ロバート・ライマン展」

2018年3月24日〜6月2日

河内タカさんが紹介していて気になっている展示。白を貴重としたペインティング作品を多く発表しているロバート・ライマンの展示が、ファーガス・マカフリー東京のオープン初の展示として開催中。

海外のギャラリーが発信するアートは常にチェックしておきたいところ。

「これまで白い絵を描こうとしたことは一度もないし、今もそうだ。白い絵を描いていると思ったことすらない。私にとって白という色は、絵画というものがどうやって作られているかを明確にしてくれる手段として選んだのであり、白を使うことで他のさまざまなことが目に見えてきたりするんだ」—ロバート・ライマン

白に対するライマンの発言。白って「なにもない」「余白」みたいなイメージだけど、新たな白の捉え方が見えてきそうです。期待が高まる……!

河内さんのエッセイもあわせてぜひ。


6.ヘンリー・テイラー「Here and There」

2018年3月24日~5月19日

ヘンリー・テイラーは現在はロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト。

身近な人物から、アフリカ系アメリカ人のミュージシャン、活動家、スポーツ選手といった著名人まで様々な人物の肖像画を描いています。

時には自身に起きた過去の悲劇的な出来事や、現在の黒人に対する構造的な抑圧の様相といったテーマも散りばめられているそう。

ポートレートって、人を理解して描いたり撮ったりするものだから、そこには何らかの感情が働いている。今回は旅先で出会った人々や出来事について描かれているとのことで、旅という身近なふれあいのなかでどんな対話が生まれたり、感情が働いたりしたのかをじっくり観てみたいと思ってます。


7.椎木彩子「鎌倉ですごした2日間」

2018年5月17日〜5月29日

いつもお世話になっている大好きな画家、椎木さんによる新作個展。場所も大好きな新代田のカフェ、RRです。

3月の風がとても強い日に、鎌倉でひとり過ごした2日間を描いた作品が発表されるとのこと。自然の力を華奢な身体いっぱいに受け止め、エネルギッシュに作品を生み出す椎木さん。9月にはノストスブックスでの展示も予定していて、それとも関連しているので、ぜひぜひ多くの方に両方観ていただきたいです。

5月27日には映画の上映会も行われるそうですよ。詳しくは椎木さんのインスタグラムにて。


8.NAOYUKI TAKAGI EXHIBITION “KAMI”

2018年5月12〜5月27日

写真家・高木直之さんの個展。神社仏閣を幾何学的に切り取ったシリーズだそう。

神が宿る場所の佇まいや、どことなく感じる気の流れといった、建造物の持つ空気が実物のプリントからどう伝わってくるのか楽しみ。


今回も各展のタイトルをクリックするとGoogleカレンダーに即予定を放り込めるようになっています。気になったらぜひ現場へ。

本を買って、いろんな方に貸出もできればと思っています。