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学生限定特別ワークショップ開催!!佐井大紀監督(『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』)、柳瀬晴貴監督(『劇場版 僕と時々もう1人の僕〜トゥレット症と生きる〜』)、吉川元基監督(『93歳のゲイ』)が登壇!

本映画祭の開催を記念して、映像業界を目指す学生限定の特別ワークショップを開催しました!
ドキュメンタリー映画コミュニティ「D会議室」主催の本ワークショップでは、東京・大阪・名古屋・福岡の4都市から集まった学生たちを前に、本映画祭にゆかりの深い注目のドキュメンタリー監督3名が集結し、自身の作品を通してドキュメンタリーの持つ魅力や影響力について熱く語ってくださいました。
登壇したのは、本映画祭で『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』の上映が控える、佐井大紀監督。同じく本映画祭で『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』が上映される、柳瀬晴貴監督。そして、昨年度の本映画祭で上映した『93歳のゲイ』の、吉川元基監督です。佐井監督は東京、柳瀬監督は名古屋、吉川監督は大阪からそれぞれリモートでつないで登壇しました。

東京会場

それぞれ入念な取材のもと完成した作品でしたが、監督陣が何よりも大切にしたのは、取材対象との向き合い方だったそうです。今作では、80年代に謎のハーレム教団として世間を騒がせ、主催者亡き後も今なお女性たちが共同生活を送る「イエスの方舟」の実態に迫った佐井監督は、「カメラを向けるというのは、暴力的なことでもあると思います。イエスの方舟という一つのコミュニティを描いたので、取材対象となる女性たちとの信頼関係がとにかく大切で、どう距離を取っていくか重視しました」と、自身の作品を振り返りました。また、自分の意思に反して体が動いたり声が出たりするトゥレット症候群の人々の、さまざまな日常を映し出した『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』の柳瀬監督は、「たまたまウーバーイーツを頼んだら配達員の方がトゥレット症で、彼を取材するために半年ほど家に通って信頼関係を築いていきました。カメラを回さず話すことを続け、取材させてもらうことが多くの患者さんのためになるかもしれないことに共感してもらい、最終的に承諾してもらいました。」と話しました。孤独に生きてきた93歳の長谷さんの姿を通し、この国の同性愛の歴史を紐解きながら、本当の自分を隠し続けた彼の日々を見つめるドキュメンタリー『93歳のゲイ』の吉川監督は、「高齢者のLGBTQの存在を想像できない人が多い中で、日本の同性愛の歴史を掘り下げれば伝えられることがあると思い、長谷さんにアプローチしていきました。取材希望を伝えると、長谷さんは『僕には家族も身寄りもいないから、どう描いても大丈夫なので取材してほしい』と言ってくれたんです。」と、作品にかける熱い思いが伝わったことで取材が実現したことを明かしました。

福岡会場

参加した学生からは、「この作品が公開されることで、社会にどんな影響が生まれたらいいと思いますか?」という質問が。
佐井監督は「信じることとは何か、宗教はどんな影響をおよぼすのかということについて、この映画を観たらもう少しフラットに感じられるはず。ただ対象を追いかけるだけでは、きっと本質的な部分にはたどり着けないと思う。僕は記者ではないので、違う角度で、個人の宗教を切り取って世の中の人に受け取ってほしいと思っています。」と回答。柳瀬監督は「この映画を通して、トゥレット症を広くみなさんに知ってほしい。病気について詳しく知ってもらった上で、しゃっくりやくしゃみのような生理現象と同じだよね、という扱いになればいいなと思います。」と作品に込めた願いを明かしました。吉川監督は「今ではLGBTQというワードも広まり、同性婚を求める声が国会で取り上げられたりとしていますが、いきなり変わったのではなくて、ずっと戦ってきたり差別や偏見に晒されて来た人たちがいます。本作で長谷さんを通して、すぐ隣にそういう人たちがいることを知ってもらいたいという思いで作りました。」とコメントしました。

大阪会場

学生が宗教を語る、若者がカルトを討論!
あの昭和の騒動を今の若者たちが観て何を思うのか!?

東京会場

さらに本ワークショップでは、佐井監督の『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』の特別上映を実施し、いち早く鑑賞した学生と佐井監督の質疑応答や、「イエスの方舟はカルトなのか?」「異常なのは報じたメディアの方ではないか?」などの議題をもとに学生たちとの討論会も実施しました!
その中で学生たちが『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』のキャッチコピーを考えるグループワークを行い、事件のリアルタイム世代を狙う意図も込めた現在のキャッチコピー「鑑賞後もあなたは、ハーレム教団と呼びますか?」に対し、学生たちからはさまざまな角度のコピーが飛び出し、佐井監督が「自分でも気づかなかったアイデアに驚きました」「今から差し替えたいぐらい!」と絶賛する一幕も!!

★学生の皆さんが考案したキャッチコピー★
・東京A班「信じることとともに 生きることは 悪いことですか?」
・東京B班「彼女たちが乗ったのは泥舟なのか?」
・大阪「神か、おっちゃんか 〜現代を生きるあなたの目に映るものは?」
・名古屋A班「罪とされた私の信条」
・名古屋B班「完璧で究極のアイドル・おっちゃん」
・福岡「信念をカルトと呼ばれたら」

ドキュメンタリーの持つ強さや面白さ、影響力について、そこに込めた思いはもちろん、映像効果や演出などテクニカルな話題にもおよぶなど、映像業界を志す学生たちにとって有益な話が多数飛びだす、大盛況のワークショップとなりました!
ご参加いただいた学生の皆さま、ありがとうございました!

名古屋会場


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