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2021年10月3日放送「風をよむ~菅政権の1年」

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水曜日、自民党新総裁に、岸田文雄・前政調会長が選出。それを受けた菅首相のスピーチが話題となっています。

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菅首相(9月29日)「私たち衆院議員の任期は差し迫っています。岸田新総裁の下に一致結束して、この戦いを勝ち抜かなければなりません!皆様方の協力をお願いして、私の挨拶とさせていただきます」

いつもと違ってメモに目を落とすこともなく、覇気のある口調で語る菅首相。ツイッターは盛り上がりを見せました。

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ツイッターの投稿「記憶にある中で、過去イチ、力強い言葉だった」「コロナ会見の時もこんな感じで訴えればよかったけど」

最後に晴れやかな表情を浮かべつつも、わずか1年で退くこととなった菅首相。なぜ菅政権は短命で終わったのか。その1年は誕生から波乱含みでした…

安倍辞任会見(2020年8月28日)「首相の地位にあり続けるべきではないと判断いたしました」

去年8月、安倍首相が突然の辞任を表明。その翌月、歴代最長政権を引き継ぐ形で菅政権が誕生しました。しかし発足直後、日本学術会議が推薦した学者6人の任命を拒否したことが大きな問題となります。

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安全保障や憲法などで、意見が合わない人間を排除したのではとの見方も出ましたが…。
 
菅首相(2020年10月5日)「総合的俯瞰的活動を確保する観点から、今回の任命について判断した」
詳しく語ろうとしない、その姿勢に批判が高まったのです。

任命拒否された学者の1人、早稲田大学の岡田正則教授は…

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早稲田大学・岡田正則教授「『総合的俯瞰的に判断した』っていうような説明ですけれども、国会にも 国民にも説明しない。一般市民にも分かるように説明することが、政治の最低限の責任。政治主導が基盤とする民主主義的な政治の進め方に考慮しない。人事権を権力行使に都合のいいように使ってしまった」

またコロナ対策に関しては、当初から経済対策を重視し、「Go To トラベル」を推進。感染の広がりを危惧する声も出ましたが…
 
菅首相(2020年11月25日 衆院予算委)「Go To トラベルが感染拡大の主要な原因であるとのエビデンスは、現在のところは存在しない」

しかし、感染が拡大する中、停止を余儀なくされたのです。

一方、東京オリンピックについては…

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菅首相(2020年7月8日)「新型コロナの中での“安心安全”な大会の実現」「“安心安全”ということについて」「“安全安心”な大会は実現できると―」

専門家や世論の懸念に対して、「安心安全な大会」という言葉を幾度も繰り返した菅首相。

オリンピックは無事終えたものの、その間、「第5波」で新規感染者は急増しました。こうした状況に医療関係者からは…

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インターパーク倉持呼吸器内科・倉持仁院長「やはりコロナ対策を過小評価して軽視してしまった。オリンピックも最たるもので、基本的にやる前提で、真摯に丁寧に説明ができなかった。それが結果、後手後手の 対策という風に、多くの国民に受け止められたと思います」

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オリンピックに限らず、この1年、多くの人から指摘された菅首相の「説明不足」の姿勢。それは最後の会見となった場でも…

火曜日の国会では、「緊急事態宣言」の解除について政府による説明が行われました。この場で、野党は…。

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立民・黒岩(9月28日 衆院議運委)「16回議運がひらかれ菅総理は一度も出てこなかった。これは私は常軌を逸していると正直考えています」菅首相「マスコミを通じて国民への説明をしてきました」

しかし、そのマスコミに対する、最後となった火曜夜の会見では、予定された時間が迫り、司会が終了を促す中…。

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記者「最後(の会見)なので、もう何問かお願いできませんか」
司会「すみません。もうお時間ですので」 記者「総理 ダメでしょうか?」
司会「以上をもちまして、本日の記者会見を終了させて頂きます」

足早に立ち去る菅首相…。こうした菅首相の1年を振り返って、街の声は―

街の声「やっぱり『伝える力』っていうのが弱かったんじゃないかなと。
心からっていうのがなかったから…」「女性の出産の手助けするようなこととか、かなり果敢に手を打って良かったと」「やることやったんだけど、菅さんはアピールが下手なんだよね。苦労したけど、報われなかったなと思います」

新型コロナ、オリンピックなどの問題に翻弄され続けた菅政権。その1年が、まもなく幕を下ろします―。


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