TDAI Lab

株式会社TDAI Labは東京大学鳥海研究室発のAIベンチャーです。 最先端のAI技術…

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株式会社TDAI Labは東京大学鳥海研究室発のAIベンチャーです。 最先端のAI技術と高速なシステム構築で、企業にこれまでにない競争力を提供します。

マガジン

  • AIの社会的リスク

    東大発AIベンチャーのTDAI Labは、AIによる社会的リスクを扱うリーディングカンパニーとして、フェイクニュース対策や生成AIの安全な利用法について発信しています。

最近の記事

シェアを意識してニュースを読むと偽情報に騙される!?~ソーシャルメディアがフェイクニュースを助長するワケ~

ソーシャルメディアは今や私たちの生活に欠かせないものとなりましたが、同時に、フェイクニュースが広まる場としても知られています。ソーシャルメディアがユーザーの「真偽を識別する能力」に与える傾向を分析した論文「The social media context interferes with truth discernment」によると、シェアを意識してニュースを読むと真偽の判断力が低下してしまうことが指摘されています。 本記事ではこの論文について解説をしつつ、ソーシャルメディア

    • フェイクニュースは真実よりも速く広く深く拡散されやすい~X(Twitter)上のデータから明らかに~

      ソーシャルメディアなどのプラットフォームが急速に発展し、個人が簡単に情報を発信し、世界中の人々と共有できるようになりました。このような状況下で、真実と虚偽の情報がどのように広がるかについて分析した論文「The spread of true and false news online.」によると、フェイクニュースは真実よりも拡散されやすい性質があると指摘されています。 本記事ではこの論文について解説をしつつ、いかにして偽情報が拡散されるかについて議論していきたいと思います。

      • デマの訂正情報の拡散はむしろ逆効果!?~コロナ禍のトイレットペーパー不足から考える訂正情報の適切な流し方~

        デマが流れた際は訂正情報を流し拡散さえすれば問題は終息すると思ってはいないでしょうか?実はそう単純な話ではないという研究結果があります。2020年2月に日本で起きたトイレットペーパーデマに起因する社会的混乱を分析した論文「Impact of correcting misinformation on social disruption」(米国科学誌「PLOS ONE」に掲載)によると、訂正情報の拡散はむしろ逆効果であったことが指摘されています。 本記事ではこの論文について解説

        • なぜSNSばかり見ていると危険なのか?~エコーチェンバーとフィルターバブルが引き起こす意見の極端化~

          近年、SNSの普及や情報技術の発達により、私たちは自分と似たような意見の人々と簡単に接することができるようになりました。しかし、この便利さは時に問題を引き起こすことがあります。それが「エコーチェンバー」と「フィルターバブル」呼ばれる現象です。これらの現象が形成される背景や問題点、具体例を理解することで、私たちが多様な情報を取り入れ、メディアリテラシーを向上させる重要性がわかります。 エコーチェンバーとフィルターバブルとは エコーチェンバーとは、SNSなどで自分と類似した考

        シェアを意識してニュースを読むと偽情報に騙される!?~ソーシャルメディアがフェイクニュースを助長するワケ~

        • フェイクニュースは真実よりも速く広く深く拡散されやすい~X(Twitter)上のデータから明らかに~

        • デマの訂正情報の拡散はむしろ逆効果!?~コロナ禍のトイレットペーパー不足から考える訂正情報の適切な流し方~

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        • AIの社会的リスク
          6本

        記事

          ディープフェイクの概要と既存技術の紹介~今AIで何ができるのか~

          ディープフェイクは、「ディープラーニング」と「フェイク」の組み合わせによる造語で、人工知能を使って人物の動画や音声を合成する技術を指します。この技術はもともと、映画製作やエンターテインメント業界での作業効率を向上させるために開発されました。 しかし、そのリアリティと高い精細度から、不正な使われ方も増えており、現在では偽動画の代名詞ともなっています。ディープフェイク技術は、ポルノへの転用によるプライバシー侵害や尊厳侵害、フェイクニュースによる政治的または防衛上の混乱、詐欺、企

          ディープフェイクの概要と既存技術の紹介~今AIで何ができるのか~

          「紅麹」の事例から学ぶ誤情報や偽動画への対策方法

          今年3月から話題となっている「紅麹」問題。未だ原因物質が特定されていない中、多くの憶測がSNSで飛び交っています。「ベニコウジ色素」という食品の着色料が危険だとするデマや、小林製薬の社長が記者会見で健康被害の原因について述べていない内容を述べたとするフェイク動画が拡散しています。本記事では何が正しい、間違っているといった情報を提示するのではなく、様々な偽情報が飛び交う中で意識しておくと良いポイントをいくつか紹介したいと思います。 個人の意見は信頼度が一番低い 情報の確認方

          「紅麹」の事例から学ぶ誤情報や偽動画への対策方法