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GWに放り出された話

土曜日の夜、仕事を早めに終わらせて、嫁さんと息子と焼き肉を食べに行った。

私の家族はみんな個人主義なので、揃って外食は珍しい。

息子は都立高校の三年生で、私立大学の理系を目指して勉強している。

先日、高校の保護者会に嫁さんが行ったところ、受験大学の学部の候補を10くらいは、すでに候補に挙げておくように言われたそうだ。

うちの息子は2つしか挙げていず、嫁さんはすこし焦っていた。翌日、法事で昼から飲んで、その帰りに、息子が「保護者会で先生が何か言っていたか?」と聞いてきたので、息子も志望する受験校を絞れていない事を気にしているんでは、と私は勝手に決めつけて、焼き肉を食べに行くことを酔っ払って提案した。

なぜ焼き肉か、というと、家でいつものテーブル囲んで、志望校の話なんてすると知らず知らず高圧的な雰囲気になってしまうのではないかと思ったからだ。

身内が先日競馬で結構な額を当てた、というのもある。

その金をたかって、焼き肉を食べるならみんなハッピーでいいんじゃないか、という自己保身的な提案でもあった。

最寄りから隣の駅近くの焼肉屋。

ホテル街、ということもあるのか、若い人が多い。

一人七千円のコース、味も量も、コースの魅せ方も最高で、たまには人にタカるものだ。

さて、酔っ払う前に進路のことを話さなきゃ、と話しだしたら、行きたい学部ははっきりしていて、自分で10学部は挙げられるから大丈夫とのこと。

あれっ、取り越し苦労か。
人の懐で焼き肉を食べに来ただけじゃないか(笑)

その後は、とりとめのない話。

一生勉強なんだから、大事なのは偏差値じゃなくて、勉強することが楽しい、と思える瞬間、その瞬間を大学で出会えたら、それだけでいいんじゃないか、とか、息子からは「」今までの人生で一番大事な曲は何だったか?」とか。

その焼肉屋はアルコール類も割と良心的な値段で量だった。

一つ忘れられないマッコリがあって、黒豆のマッコリ。豆好きの私にはたまらなく、しっかりした豆の味と強くないアルコールの感じが絶妙だった。

あのマッコリは、またどこかで飲みたい。
いくらでも飲みたい。

ゴールデンウィークの前半は嫁さんが自由に過ごして、私が家のことをやる。

娘は嫁さんの実家へ泊まりに。嫁さんはゆっくり仲間と過ごす。なので、息子の夕飯がメインになると思いきや、息子は友達と夕飯を食べるらしい。

今朝、洗濯物や家族の飯の支度でもと自分のスペースでストレッチしていると、嫁さんが「あれっ、なんでいるの?腰がまだ悪いの?」と聞く。

「あれっ、今日は家事を俺がするんじゃ?」と聞くと、昼過ぎまでの家事はやってくれるそうで、外出していいことになった。

ものの5分で準備を済まし、自転車にまたがる。

久々の自転車だ、自転車って速いな。

あっ、今日は夜まで俺一人じゃないか。

自分のゴールデンウィーク初日、完全にフリーだ。

青い空に突然放り出されたように、浅草の火鍋屋に自転車を走らせた。

良いゴールデンウィークを。

息子からの質問、「大学時代、いろんなことでしんどかった時に何度も聴いた曲」でお別れです。ゴールデンウィークに不似合いだが、それもまた良し。

長渕剛でSTAY DREAM