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みちのく神奈川旅

今回の三連休、横浜に観劇をして帰るだけの予定が、一泊二日の神奈川旅になった。

神奈川芸術劇場周辺はオシャレなエリアなので、ユニクロ着ているオッサンが、近くで飲んだり食べたり出来るところが見つからない。

タニノクロウさんの演劇で、神奈川県在住のいろんな国がルーツの一般の人を集めて行った「虹む街」に、中華街でお店をやってらっしゃる女性が出演されていた。優しいお母さん役。上手で一般の方とは思えなかった。

観劇の後、そのお店に行ってみたら、中華粥が美味しい!

有名人もたくさん来店されている。

今回も演劇前に寄りたい。雨とはいえ三連休の昼間、混んでいるかなと入ってみたら、六人位詰めれば座れる丸い席だけが空いていた。

お店の中国人の女性は一瞬顔をしかめたが、厨房の中と二言三言言って、通してくれた。

ありがたい。

外の看板に書いてあった麻婆豆腐のセットは、店内のメニューにはなかったが、言ったところOK。

料理を待っていると、外が人だかり。

何かと思ったら、この店に並んでいる人たちだった。間一髪。なんというタイミングだろう。

麻婆豆腐のセットなんて、たった990円で、こんな大きなテーブルで一人客が頼むようなメニューじゃない(自分が逆の立場ならそう思う)

が、勢いで頼んでしまった。

店内にセットメニューが書かれていないから日曜日と祭日は、別の値段で取られるかな?とも思いながら待っていると、遂に来た。

普段食べている麻婆豆腐は、だいたい鮮やかな赤い色で、油で光沢がある。

出てきた麻婆豆腐は、茶色く、光沢がない。色合い的には肉じゃがに少し近い。

一口、口にいれる。

あっ、結構甘いんだ。油と豆腐でトロリと口の中に入る感じではなく、田舎の食堂の、または蕎麦屋さんのカレーのようなドロリとした食感。

でんぷんのとろみが、まさに昔ながらの蕎麦屋のカレー。

なんか、中国の田舎の家庭で麻婆豆腐を出して貰っているみたいだな、と食べていると、うわっ!という感じで、花山椒の痺れがどんどんとやってくる。これは花山椒の兵馬俑だ、と孤独のグルメなら言うだろうか。

旨い、痺れる、旨い。汗をかく、汗をかく。

すごく辛いわけではないが、この痺れがしびれる。

そして中華粥で有名なお店だけに、そのだしが麻婆豆腐の中に入れられているんじゃないか。優しい下味に心が温まる。素朴に見えるけど味わい深い。

こんな麻婆豆腐もあるんだ、お店に入れて良かった。

後から来たスープの量も多いし、杏仁豆腐まで付いてきた。

こりゃあ二千円くらいすると思って会計したほうが良いな、とレジに行くと990円。

えっ〜。

千円札を渡すと、お釣りを出そうとするので、お釣りいいです、と言ったら、「謝謝」と言われた。

どんな意味合いだか分からないが、気持ちよく店を出られた。

美味かったなぁ、旨かったなぁ、幸せだなぁ、と噛みしめながら劇場に向かった。


観劇が終わり、何処かに飲みに行くことにする。

今日はゆっくり過ごして帰ることにしている。

野毛が飲み屋街では有名だが、なんか流行りの街に流行り好きな人が集まっている感じがして苦手だ。

家と反対方向だが、藤沢に行くことにした。

藤沢は、大きな街で飲み屋もたくさんある。

いろんなタイプの店があるから、自分にとって居心地が良い店も見つけられる。

街の雰囲気、お客さんの雰囲気も良い。

時々行く店がある。

大きな店で、人気店で、刺身の盛り合わせがスゴイ。


千と千尋の神隠しみたいですね
これで千円。

開店と同時に入らないと、私のような一人飛び込み客は厳しい。

無事に入店できた。

飲んでいると、嫁さんからLINE。

次の日の予定がなくなって、その翌日になったから、何処かで泊まって、もう一日遊んできて良い、と。

すぐに楽天トラベルで調べるが、ビジネスホテルの多い藤沢、一番安くて16.000円(笑)

こりゃ駄目だと、小田原を調べる。

8500円。

よし、予約だ。楽天ポイントで余裕だ。
明日は箱根の山でも登るか。

開店と同時に入店で、2時間制。午後7時には店を出て東海道線で小田原へ。

小田原も飲み屋街が大きいが、少し雰囲気が荒っぽい印象だ。

ここにも好きな店があり、のぞいたが予約で満席。

小田原で夜飲まれる方、是非のぞいてみてください。賑やかでお店の若い人もやる気があって、良いお店です。

仕方なく、ホテルにチェックイン。

泊まる予定でなかったのでスマホの充電器を持って来ていない。

バッテリーのモードをスーパーセーブにして、テレビを観て時間を過ごす。デジタルデトックス。

翌日は箱根の山を歩くことを考えていたが、この日の雨でぬかるんでいて、霜もおりてそうだし、これで足を骨折とかしたら最悪だなと、辞めて、海沿いを小田原から熱海方面に向って歩くことにした。

前日と打って変わって晴天。

小田原城の前を通り、早川に行くと港に出た。

港の周りには観光用の食堂などが並び、人もたくさんいた。

海の間近に山があるため、熱海方面の道は限られていく。

車で渋滞して、エンジン音でうるさい。

すると、山側に旧道があり、多少のアップダウンを繰り返して、それが真鶴あたりまで続いていた。

海が目の前の道もいいが、少し上から眺める海も良かった。


車の通りも少なく静かでいい。

ただ、歩道のないカーブの連続の見通しの悪いところもあるので、車には十分気をつける必要がある。(運転手から気づかれにくい)

飲み物の自動販売機店はたくさんあるが、飲食店や売店はかなり少ないので、携帯食はあったほうが良かった。

熱海まで歩きたかったが、湯河原でギブアップ。湯河原がまだ神奈川県だったことにびっくりした。ずいぶん神奈川県を、堪能した。

東京上野ライナーのグリーン席で帰る。これに乗っていれば、一番の家に近い尾久駅まで着いてしまうありがたさ。

三連休だけれど、グリーン車の下の席そこそこ空いていて、ゆっくりと帰ることができた。

そんなオチのない、神奈川旅でした。

崎陽軒のお土産を買えたら百点満点だった。