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事業承継後のPMI(経営統合)まで

どーも。薬剤師兼起業家の海老沼です。

足立区にある調剤薬局を事業承継し
5月2日の開局に向けて落ち着いてきたので
振り返るためにブログを書こうと思います。

アルファベット3文字つけて
かっこいいタイトルつけてますが
街の薬屋の事業再生の話です。

0.事業承継までの経緯

約1年前に事業承継が破談になってから
半分プー太郎生活を過ごしていましたが
粛々と薬局業界で人脈を広げておりました。

2021年12月末に知り合いの薬局経営者から
困っている薬局があるみたいだから
 ちょっと連絡してみてくれない?

と依頼を受け、前オーナーに連絡しました。

NDAの関係で多くは話せませんが
コロナの影響を受け
事業継続が厳しい状況でした。

ただ、近隣の医療機関や地域の人々は
事業の継続を切望しており
何とかしなければという思いもありました。

細かい財務状況を確認できず
すぐに事業承継を決められなかったので

1、2月だけ業務委託で入らせて頂き
 働きながら
デューデリジェンス
 事業承継するかを決めさせてください

と打診しました。

1.取り残された70歳のおばあさまと私

経営統合と言いつつも
取り残されたのは
薬局としての箱
70歳の事務のおばあさまだけでした。

本事業は2か月事業を閉めていたため
顧客基盤がどのくらいあるかも予測不能で
顧客がどのくらい来て
在庫がどのくらい必要か
本当に不確実で未知の世界でした。

人もいない、物もない、情報もない
さぁどうしようか。

事業の引き継ぎもなく
使ったことがないシステムを
利用していたため
毎日システム会社に電話するなど
てんやわんやの日々でした。

2.事業再生までの道のり

離れてしまった顧客を取り戻し
短期間で事業を軌道に乗せるために
色んなことをしました。


従業員が地域のインフルエンサー

調剤薬局は独自の力で
売上をあげることが難しい産業構造の中で
事務の70歳のおばあちゃんが
地域との繋がりが強く
集客に大活躍して頂きました。

薬局が再開したことを
すぐに地域の人に知らせて頂き
事業再開後に良いスタートを切れたのは
70歳の地域インフルエンサーのおかげです。


泥臭く顧客と在庫のデータを取る

大学時代の友人のアドバイスもあり
ある程度の顧客基盤ができたところで
顧客と在庫の数字を細かく取りました。

細かい数字を取ることは手間がかかりますが
顧客の来局予測ができれば
現場作業の効率化に繋がります。

加えて、在庫管理も
週ごとに発注データと出庫データを取り
安全在庫自動発注リストを作成することで
薬の発注業務の手間の改善
在庫不足による顧客の機会ロス
を最小限にしました。

経営側での少しの泥臭い作業が
現場作業を最小限に抑え
最少人員で高い稼働率を維持できました。


死なない方法を考える

過去3年分と直近1-2か月の売上データと
現在の固定費と変動費を把握できた段階で
月次の損益計算書を作ります。

損益計算書では
熊野さんの本を参考にしました。

事業計画書を作り
どうすれば死なないで済むのか?
を数字1円単位で計算していきました。

3.結局、大事なのはヒト

てんやわんやしながら
多くの人に助けて頂き
2月下旬には現場業務を
不自由なくこなせるようになりました。

ある程度の採算が取れることも
わかってきたので
前オーナーから
事業を承継することを決めました。

デューデリジェンスを進めながら
思ったことは
結局、自分一人でできる仕事量ではないので
人を集めてくることも経営者の仕事だな
と学ぶことができました。

何もできないながらも
自分が練りに練った計画を
実行していくことは
本当に楽しくて
休むことを忘れるくらい夢中になります。

まだまだ事業計画phase1なので
事業計画phase2に向けて
頑張ろうと思います。


4.最後に

今の自分の理念に共感したわけでもなく
いつも助けて頂いている
8人の社員には大変感謝しております。

また、お手伝いに来て頂いた
友人、足立区起業家の会の皆様にも
大変感謝しております。

地域の人達のために頑張っていると
なぜか色々な案件が
ほいほい入ってくるんですね。

ただ、調剤薬局業界はダウントレンドで
なかなか明るい兆しが見えない
厳しい現状です。

まだまだサービスのQualityの部分が低い
と課題を感じておりますし
新規事業や既存事業拡大に向けた
リソースは全然足りていない状況です。

現在、一緒に足立区で
働いてくれる仲間を積極募集中です!

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