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ガチョウと春

あれは7年前の今日,5月4日のことでした。
いやだなぁと思いながら処分の方法を考えていた孵卵器の中の孵らない卵。その卵のあたりからひーひーともピーピーともつかない声が聞こえて、殻にひびが入っているのを見つけたのは。

ゴールデンウィークいかがおすごしでしょうか。
山では山菜がとれはじめ、母屋の裏の雪がなくなるころです。

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標高1000mの山の気候、花たちは一斉に咲きほころび、それはそれは麗らかな春。

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さてさて、標高が高い寒冷地では春の訪れは平地のそれよりも遅いものです。連休頃までは日陰では雪が残っていたり、遅霜にあったりもします。そんな中、少しでも晴れたりあたたかければ畑仕事を進めたくなるものです。

何しろ春の一日は夏の成果の一週間分と言われるほど。うかうかしてられません。猫の手も借りたい忙しさ。ゴールデンウィークは畑作業、目白押し。

そんな中で癒しの手(足)となるのがガチョウのフィフィ。

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【じゃがいもの植付をお手伝いしてくれているフィフィ】

ガチョウになんの手伝いができるのかと思うかもしれませんが、例えばひたすらネコ(一輪車)に堆肥を積んで畑へ運ぶという作業。トラック1台分とか動かすのはなかなかな重労働なだけでなく、一人でやると気がめいります。

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【土の上についた足跡も可愛いーとか思っている間に作業が進む】

けれどそこへフィフィが前を行ったり、後をついてきたり、ぐあぐあいいながら一緒に歩いていると不思議と楽しくなるのです。

決してフィフィが堆肥を積んでくれるとか、運んでくれるとかいった実質的な手伝いはありません。役に立つか立たないかと言えば後者かもしれません。けれど一緒にいったりきたりするだけで、そこにいるだけでなんとなく楽しい作業に変わる。

「今ね、これを積んだら畑に行くよ。」「はい、おろしたからまた戻るよ」「あとすこしだからがんばろうね」なんてフィフィに声をかけながら自分自身への声がけのようになっていたり、あるときは「フィフィ隊長、次はあちらへ運べばよろしいでしょうか」なんて声かけるとフィフィは「グア」って返事してくれるので「は!かしこまりました、ではあちらへ参ります」とおままごとのように遊んでみたり。

フィフィもいったりきたりに飽きると端っこで草食べてたりもする。ひねもすのたりのたりな感じでした。(どんなかんじだ)

あの穏やかさはフィフィがいたからかなぁと山から離れてすごす春とのギャップにいまだ慣れないでおります。ただなぜか窓の下にカエルがいるようでコロコロ、クルクルないている声が山の暮らしと今の暮らしを重ねて落ち着かせてくれています。かえるちゃんに感謝。

気温が温かくなって、気が緩むと体調を崩しやすいとききますのでどうぞごゆるりとおすごしください。

お日様にあたったり、海や山(行かなくても)植物や土に触れたり、自然を感じたりするといいらしいですよ。いつもよりゆっくりとお茶の時間をとるのもおすすめです。

いつもありがとうございます。


フィフィが卵の中にいたころのおはなし

フィフィと田んぼ









読んでいただきありがとうございます。 暮らしの中の一杯のお茶の時間のようになれたら…そんな気持ちで書いています。よろしくお願いいたします。