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無痛じゃなかった無痛分娩

カナダでの妊娠生活の記録一覧はこちら

我が子に会える瞬間というのは美しいものですが、陣痛から生まれるまでの日記となると美しい表現というより少々生々しい表現も使わなければならないので、ご了承ください。

妊娠40週と6日
21時55分に我が子が生まれるまでの1日を振り返り。

朝8時ごろ、陣痛が5分間隔になりもう一度電話して病院に行くことに。

すでに12時間以上
息をするのがやっとな痛みが10分間隔以下で来ていたのでもうすぐ生まれるのかと期待していたら

「子宮口はまだ1cmだね。」
モルヒネ打って一旦家に帰って待機しましょう。

と言われました。
(心の叫び「嘘でしょ〜!」)
もう病院に行ったら産むだけだと思っていたのが甘かった。。

陣痛が来たら予定していたepidural(硬膜外麻酔)の準備に入るとばかり思っていたのに。。
家に帰るなんて考えていなかったので動揺し、モルヒネで痛みが和らいでたのかも分からないまま何とか帰宅。

当然楽になるはずもなく、
逆に強い薬のせいで吐き気に襲われることに。。

約5時間後吐き気がひどくなり電話して病院に行くことにしました。
オピオイド系の麻薬のイメージしかなかったモルヒネ。
こんなに吐き気が来るとは!

ようやくepiduralの準備に入ることになり、座って肩をすくめた状態で背中から麻酔を注射。
いよいよ無痛になる!
…と思いきや
なぜか子宮の上部に麻酔が効かず、陣痛は痛いままでした。
(心の叫び「嘘でしょ〜〜!!」)
何度もお腹の上から下まで氷を当てて看護師さんが「冷たい?」と確認しながら調節してくれたんですが、どうしても上の方は麻酔効きませんでした。

laughing gas(笑気ガス)なんてものも試してみましたが、そんなものでリラックスできる訳もなく、吸うと頭がクラクラしただけでした。

最終的にモルヒネより強いオピオイド系のfentanylを点滴。
…それでも陣痛は痛いし吐き気は増す。
私は看護師さんに
「もう胃から出てくるものなんて何もありません。(泣)」
と陣痛の合間に嘆いていましたが、水だけが口から出てきていたというもう訳のわからない状態。

喉の渇きを感じていたけれど、また吐いてしまうといけないので小さな氷を少し口に含ませることだけ許されました。(点滴をしていたので脱水の心配はなかったはずなんですが、とにかく喉が乾くという感覚が不快でしたね。)

出産するまでの記憶は陣痛の痛みと吐いていたことしか記憶にないので、夫と当日の出来事を思い出しながら今文章にしています。

陣痛が来ると息の仕方を忘れたかのように過呼吸に近い状態になり、「吸って〜吐いて〜」夫が見本を見せてくれて何とか息をしていました。

陣痛が来ると赤ちゃんの心拍数が下がり体勢を何度も変えなければならなかったりしました。
(24時間以上痛みに耐えたと思ったらここに来て陣痛の最中体勢を変えるとは、、、でも赤ちゃんが無事でいてくれなきゃ、、)

子宮の真ん中から下はちゃんと麻酔が効いていたので、最後は痛みなく4回程いきんで無事我が子に会えました。(プッシュは30分くらいで生まれてきたと思います。)

夫は「赤ちゃんが産まれて来た時にへその緒が首に巻かれていたよ。でもすぐ解けて無事で安心した。」
と言い看護師さんに指示されながらへその緒を切りました。
(横で付き添ってくれてたのに、いつの間にかお産を取るドクターと同じ側から見てた夫。物凄い光景にも冷静だった彼は医療従事者になれる素質有。)

いきむ時や、縫合中(少し裂けてしまいました。0−4のうちレベル2)、ドクターがお腹を上からぐりぐり押して胎盤を出している時には痛みを感じる事なく、赤ちゃんを抱くことができたのでその点ではepidural(硬膜外麻酔)を使って良かったなと思いました。

産後は麻酔がまだ効いていて痛みを感じなかったので、自分の体の中にあったとは信じられないようなグロテスクな胎盤を見て、担当してくれた看護師さんに「これは医療廃棄物になるの?」と聞いたり余裕をかましていました。
(私が出産した病院では胎盤はmedical waste(医療廃棄物)として破棄されていますが、中には持ち帰る希望を出す人もいるそうです。)

麻酔がきちんと効いていればいわゆる無痛分娩になっていたと思いますが、私のように一部麻酔が効かず陣痛は痛いままということもあるのだなと一経験談として聞き流していただければと思います。
無痛だったのは最後30分のプッシュ+麻酔が切れるまでの約3時間の合計3時間半くらいでしょうか。

先ほどにも書いたように、いきむ時と出産直後は痛みを感じなかったので胸の上ですでに吸う仕草をしていた赤ちゃんの本能に感動していました。
(もし自然分娩であっても痛みなんて吹っ飛んでいたのかもしれませんが、自分は経験したことがないため未知の領域です。)

妊娠出産は予想外の連続でした。

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