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豪州第2四半期インフレ率、50bpの利上げを確認か?

オーストラリアのインフレ率の数値は、四半期に一度しかCPIの変動を報告しないというやや特殊なものですが、インフレ率の変動があまりないときは、特に問題にはなりません。
しかし、最近の物価の変動が大きいので、投資家の関心は消費者物価の動向とRBAの対応に集まっています。

RBAの最新のコメントでは、ロウRBA総裁が「中立金利」とは何かについて理事会で議論したことを明らかにしています。
中央銀行が意味する「中立金利」とは、どの程度の政策金利であれば物価の安定が保たれるかということであり、ある意味、中央銀行が想定している金利の上昇幅のようなものです。
この数字は固定されているわけではありません。

ロウ総裁は、理事会は中立金利を「少なくとも」2.5%と考えていると述べ、そして、インフレ期待が高まれば、もっと高くなる可能性があると述べています。
現在、金利は1.35%であり、現在からRBAが政策を「中立」と考えるまで、少なくとも5回の「利上げ」があることになります。
また、第2四半期のインフレ期待のコンセンサスがもう一段の上昇を見込んでいることを考えると、その利上げ回数はさらに増える可能性があります。

これまでのところ、アナリストの間では、RBAは来週の会合で50bpの利上げを行うということでほぼ一致しています。
7月27日に発表される第2四半期のインフレ率が高ければ高いほど、そのコンセンサスは強固になる可能性が高くなります。
3回連続の「ダブル」利上げとなり、RBAがそれ以上のスピードで動くことはあまり期待できず、よって、インフレ率が予想を下回るようなことがあれば、市場の混乱が想定されます。

同時に発表されるCPIの数値は複数あり、それぞれ目的が異なります。
RBAが金融政策上注目しているのは、トリム平均CPIです。
しかし、全体のインフレ率は、財政政策、特に通貨フローに対してより大きな意味を持ちます。 中央銀行がインフレと戦う中で、商品通貨が成長する可能性を見せていますが、通貨を動かすのは金融政策だけではありません。

オーストラリアの第2四半期の消費者物価指数(トリム平均)は、第1四半期の1.4%から第2四半期は1.5%に上昇すると予想され、年率換算では、前期の3.7%から4.7%に増加すると予想されています。
これは他の主要経済国に比べてかなり低い水準ですが、物価上昇の原因を考えると、RBAにとってはむしろ懸念材料で、住宅コストは、当局を悩ませています。

ヘッドラインインフレ率は、第1四半期の 2.1%から第2四半期は1.9%に低下すると予想されますが、しかし、前年度との比較では、5.1%から6.1%へと加速する見込みです。
これは、燃料価格が第2四半期に平均して安くなったことと、オーストラリアが冬に入り、家庭の冷房用エネルギーの需要が少なくなったことが重要な要因です。その分、利上げの回数も多くなる可能性があります。

インフレ加速が予想される中、RBAはどのような利上げを発表するのか、その判断は市場にどのような影響を与えるのかが注目されます。

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