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社会保険料の計算方法を徹底解説!

一見すると計算が複雑な社会保険料ですが、
要点を抑えると容易に算出が可能です。
本記事では一例を含め、計算方法を解説します。

社会保険料率の概要

社会保険料率は、会社又は従業員が社会保険料をどの位負担するのかを
算出する時に使われる割合で、
・健康保険料を調べる際の「健康保険料率」
・厚生年金保険料を調べる際の「厚生年金保険料率」
・(従業員が40歳以上の場合)介護保険料を調べる際の「介護保険料率」

があります。

健康保険料率は年度や都道府県により、介護保険料率は年度により
数値が異なる為、全国健康保険協会の公式サイトを必ず閲覧しましょう。
令和4年度の健康保険料額はこちらです。
厚生年金保険料は18.3%で固定されています。

参考:厚生労働省「厚生年金保険料率の引上げが終了します
   全国健康保険協会「協会けんぽの介護保険料率について
出典:全国健康保険協会「令和4年度保険料額表(令和4年3月分から)

標準報酬月額の概要

標準報酬月額とは、毎年4〜6月の報酬平均額を元に、
その年の9月〜翌年8月の各月の報酬金額として年に1度決定される、
社会保険料の算定に使用する金額です。
1〜32等級まで区分された等級制で、
例えば月額20万円の方は健康保険17等級、厚生年金14等級、
標準報酬月額は20万円です。

参考:地方公務員共済組合連合会「標準報酬制

実際の社会保険における計算方法を一例で紹介

今回は、「令和4年度、北海道の事業所勤務、標準報酬月額が30万円・
標準賞与額は70万500円(8月)と75万400円(12月)の45歳が負担する
社会保険料」
を例に計算方法をご紹介します。

令和4年度は、北海道の健康保険料率は10.39%で、介護保険料率は全国一律1.64%、厚生年金保険料率は全国一律18.3%です。

参考:全国健康保険協会「令和4年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます
出典:全国健康保険協会「令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(北海道)

標準報酬月額と2回の標準賞与額は分けて計算します。

社会保険の計算方法は以下の通りです。
健康保険料=標準報酬月額又は標準賞与額×健康保険料率÷2 (※1)
厚生年金保険料=標準報酬月額又は標準賞与額×厚生年金保険料率÷2(※1)
介護保険料=標準報酬月額又は標準賞与額×介護保険料率÷2 (※1)

①標準報酬月額
健康保険料
300,000×0.1039÷2=15585(円)
厚生年金保険料
300,000×0.183÷2=27450(円)
介護保険料
300,000×0.0164÷2=2460(円)

合計は 15585+27450+2460=45495(円)です。

次に、②③2回の標準賞与額 をそれぞれ計算します。
標準賞与額は料額表を使わず、1000円未満の端数は切り捨てる為、
 8月の70万500円は70万円、12月の75万400円は75万円です。

②8月分
健康保険料
700,000×0.1039÷2=36365(円)
厚生年金保険料
700,000×0.183÷2=64050(円)
介護保険料
700,000×0.0164÷2=5740(円)

合計は 36365+64050+5740=106155(円)です。

③12月分
健康保険料
750,000×0.1039÷2=38962.5(円)
厚生年金保険料
750,000×0.183÷2=68625(円)
介護保険料
750,000×0.0164÷2=6150(円)

合計は38962.5+68625+6150=113737.5
1円未満の端数は切り捨てる為、113737(円)と算出できます。

つまり、①、②、③の合計である
45495+106155+113737=265387(円) 
が、この方の社会保険料です。

(※1)各保険料は企業と従業員が折半する為、各保険料を2で割る事で、企業及び従業員の負担額を求める事ができます。

参考:日本年金機構「保険料の計算方法について
   日本年金機構「厚生年金保険の保険料


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