見出し画像

バリアフリーな副音声付きボイロ実況の作り方

こんなことを書く理由

実はネット上に副音声や字幕の資料は一切ない。
バリアフリーとか謳っておきながら作る側に対してバリアが貼られている。
まるで個人制作は目や耳に問題がある人に優しくするなと言われているかのよう。
これではバリアフリーが進まないわけだ。
だから代わりにバリアフリーの基礎を残しておく。

ボイロ実況とバリアフリーの相性

  • 相性自体はあらゆる創作の中でトップ

  • 最低限の編集コストで聴覚に配慮可能

  • 副音声と実況の掛け合い

ボイロは最近のYMM4などのお陰で字幕作業ゼロで字幕表示ができる。
これは耳が聞こえない人にとって偶然でも嬉しい産物になる。
実写の動画、生声実況ではオール字幕じゃないことの方が多い。
ちなみにテレビは意外とバリアフリーなので尊敬。
そういう意味でボイロはバリアフリーに片足を突っ込んでいて相性が良い。
さらに音に関する字幕を入れたら耳への配慮は完璧。
目への配慮も同様の合成音声で実装できると考える。
生声では声を使い分けることは難しく個人のナレーターにも限度がある。
合成音声を導入する結論に至るはず。
さらにそれの字幕もあれば耳の人も楽しみやすい。
うまく対話に持ち込めば、副音声かつ登場人物としても使えるのがボイロ実況の最大の特徴。
そこにゆかきりカプなどを持ち込む手法も考えられる。
副音声の限界を超える可能性を備えている。
あらゆる部分でボイロ実況はバリアフリーの相性が良いだろう。
ちなみにゆっくりは時代遅れの雑音かつ未だに字幕を入れてない化け物が、YouTubeでは駆逐されたもののニコニコでは頂点に居座っているのでそういった分野に入り込めることは二度とない。

副音声について

副音声のメリット

  • 誰でもセリフ量が増える

  • かなり自然なボイロカプ

  • 動画時間が伸びやすい

実は目が見えない人が動画を楽しめるようになる以外の強みがある。
それは動画全体で無言の時間を減らせること。
長年動画を作ってきて「言いたいことがない」けど絶対に言わないといけない場面が往々にしてある。
それは単純な移動時間だったりするわけで、そこを容易に埋めることができるのは逆説的に効率が良い。
言いたいことがあるって素敵。
目が見えないゆかりさんをサポートするきりたんという新てえてえも可能。
動画時間が伸びやすいのでYouTubeにもマッチしている。

副音声のデメリット

  • 良くも悪くも副音声前提の動画制作

  • 編集コストの増加

  • 健常者も喜べる最低限の品質が求められる

最終的に副音声で一貫性を保つ為に録画では曲がって様子を確認していても、編集では曲がった事実を消したりする必要がある。
それは普通の動画でもあるが副音声はそれを強いられる。
また後で詳しく言うが実況と副音声を被せるのはタブーに近い。
自分は常に喋るように作ってるので文字数は変わらないが定期的にキャラを黙らせている人は文字数の増加に苦しむかもしれない。
単純に1000文字は増える。
そこからどう区切るのか、どう伝えるのか。
制作コストは増価するのが痛い。
副音声の品質が低いと煩わしいだけになるのもハードルが高い。

副音声のコツ

  • 副音声は贅沢な小説

  • 副音声にボイスを重ねるのはNG

  • 常に最重要な情報をピックアップする

  • 倒置法と体言止めで文字数を節約

  • 色で教えないようにする

副音声は小説の地の文のように考えると良い。
ボイスドラマはサウンドで状況を補うが、小説は言葉で補う。
そこが副音声動画とボイスドラマの決定的な違いであり強み。
要は副音声+サウンド+ボイス+BGMという形になっている。
贅沢な小説と表現しても良いだろう。
なのでボイスに副音声を重ねるのはご法度。
ジョジョや刃牙は重ねているがこれはもう致し方ないことで実際はダメ。
そうならないようにできるボイロ実況では、そこが大きな取り柄になる。
ステレオで音を分けて聞き分けさせる手もあるが見ている人が追いつけないのと、片耳で目が見えない人がとても悲しむ可能性が存在してしまう。
副音声は映像に対して表現が追いつかない事があると思うが、そういう時は実況でも補ったりすることもできる。
話速をあげるのはもちろんOK。
厳選する場合は行動に影響を与えている要因と実際の行動に絞る。
敵がいるからどこかに逃げる、それだけで小説のように想像で補ったりしてくれるのでわかりやすければ「一部の情報を省略する」「類似の表現に換言する」ことも許される。
何体居るのか、とかテンポを優先しないと行けない戦場では割りと省略してもいい。
次は言葉選び。
副音声は短い方が良い。といっても分からないと思うので、「体言止め」と「倒置法」を使えと言っておく。
体言止めは名詞とかで止めること「お前を殺す」「お前を暗殺」
倒置法は主語を後半に置くこと「お前を殺す」「殺す、お前を」
短くなってねえじゃねえか。例えだと短くならない。
短くなる場合は使う。
「ゆかりはスカブを殺す」「スカブを殺すゆかり」
倒置法により「は」という一文字を省略。
「右手の怪我を治療する」「右手の怪我を治療」
体言止めにより「する」という二文字を省略。
もし治療中に襲われたら「撃たれて治療をやめる」などに派生すればいい。
文字数を減らすと見る人の負担が減るので大事。
もちろん誰でも分かる語彙を選ぶ。
ちなみに色に関する話はしない方が良いかもしれない。
色盲の人も居るのと、目が見えない人に色は特定を示す表現ではない。
考察としては個数を表す単位に「点」を使うのはどうだろう。
コンビニのようなレジではそういう表現なのでニュアンス的にわかりやすい可能性がある。

音字幕について

音字幕のメリット

  • 耳が聞こえない人にも伝わる

  • 副音声と違って音を待たずに表現

耳が聞こえない人に音を伝えることができる。
副音声よりも素早く口語体よりも音だと分かりやすい。
使う頻度が少なく編集負荷が軽い、ボイロがオート字幕で向いているので手軽に耳が聞こえない人向けに特化できるのが単体利用の特徴。
これだけでも音を聞かなくても楽しめるようになる。

音字幕のデメリット

  • 健常者にとっては地味

  • カップリングにも使えない

あまりにも縁の下の力持ちすぎる。
副音声と違ってカプ感は出せないし、健常者は邪魔かもしれない。
しかも地味。必要だとしてもYouTubeの字幕のような任意性が良さそう。
副音声と組み合わせる場合は意図が分かるので許される。

音字幕のコツ

  • 目で見て分からない音を表示する

  • 伝わる最低限の文字数を心がける

目で見て聞こえない音に字幕を置く。
眼の前でハンマーを叩く音には必要ないってこと。
逆に後ろでハンマーを叩いている場合は、その音に気づく手段がないので字幕を置く必要がある。
こちらも体言止めが良い。
耳が聞こえない人はこれを見て他の字幕に合流するので短いほど良い。
表示は実際に音が出る2秒前から音が終わって2秒ほど。
セリフの字幕が切り替わるタイミングに合わせて音字幕を消すと目の負荷が減るので2秒はあくまで目安。
これもAKと~とか書かずに銃声とかで良い。
常にそれだと寂しいので余裕があるシーンなら「単発」とか豊かにする。

副音声に適した合成音声について

  • 効率と品質を備えたボイスピークが最強

  • 中でも東北きりたんは自衛隊が採用してもおかしくないレベル

  • 一応男性ボイスのおまけ付き

ボイスピーク一択。このためにボイスピが存在している。
ナレーターパックはそういうこと。
ちなみにボイスピずんだもんには「実況」という使えそうなスタイルがある。
サッカーの実況っぽいが、まあ、まあね。
他の音声は正直ダメ、副音声のスタートラインに立ててない。
それでも使いたいならベタ打ちは諦める。
ボイスピはベタ打ちできるけど。
ぼ、ボイロで副音声~!?!?
基本的にアニメの副音声は主要人物の性別と逆の声優を使う。
聞き分けという意味でそうなっている。
ボイロは聞き分けをさせないように作ることができるので同じ性別で良い。
一応、どんな買い方してもフリモメンという男性の声が付く。
聞きやすさを考えるとボイスピ史上最高傑作の東北きりたんが最強。
音声がイントネーション以外で崩れることがないマジの傑作。
これの凄い所は辞書で発音を簡単に治すことが出来て段々と修正する頻度が減ってベタ打ちが極まっていく。

手始めにおすすめのゲーム

自分はタルコフを選んだ。
一人称なので情報が少なく済み、音だけでもビジュアルだけでも楽しめる。
アイテムを漁る時にボイロで面倒な空白を副音声で埋めれるのも美味しい。
こういうのは見下ろしとか厳しそう。
せいぜい三人称とかが限界で副音声でも厳しいゲームの方が多い。
不可能な場合もありえる。
まずはタルコフで副音声の練習をしてみるのが良いと思った。

実際に出来た動画

それがこちら。
作ってからこの記事を纏めたので反面教師としても使って欲しい。
調べても似たような動画がなかったのでもしかしたらバリアフリーの先駆けなのかもしれない。
それはそれで良い。
意外と視力や聴力に問題がなくても作業用に使える。
個人用としてうまく発展させて続編を考えているぞ。
うまく伸びたらニコニコ上でバリアフリー投稿祭も作れる。
みんなでニコニコすることが当たり前の世界になるといいな。
いやまて、目が見えない人はどうやってこの動画に1人で辿り着くんだい?
そこからか……問題は根が深い!
根が深い!ホタテ貝!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?