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【技術史】チーズ商人が発明した世界初の電気通信機

はるか遠く離れた場所に、ほぼ瞬時に情報を送ることができる電気通信(電信)。
電信が発明される以前、送り手から受け手にメッセージを届けられない場合は、視覚的に伝えるほか方法がありませんでした。そのうち、最も普及した手段の一つが、1791年にフランスのシャップ兄弟が開発した腕木通信です。この装置は、5~10kmの間隔で建てられた塔の上に、数字や文字を伝える可動式の腕木を設置したものでした。
 


初の電信は、チーズ商人からアマチュア科学者に転じたイギリスのフランシス・ロナルズにより、1816年に発明されました。ロナルズが母親の庭で組み上げた装置は、文字盤にアルファベットが記された二つの読み取り盤を備え、電気信号を伝える長さ数kmの絶縁線につながれていました。
 
ロナルズは、この通信網を国中に広めようとイギリス海軍に持ちかけましたが、すでにフランスの腕木通信装置が採用されており、却下されました。
 


『参考資料』
https://de.wikipedia.org/wiki/Datei:Chappe_semaphore.jpg
科学技術大辞典 ロバート・スネッデン著

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