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高還元SESにおける体制化について

はじめに

「高還元SESは単独参画のみである」「高還元SESは育成を放棄している」といった意見をしばしば見掛けるので、僕なりの考えをまとめてみることにした。

そもそもの会社の存在意義

高還元SESに限らず、すべての会社は営利団体です。
新卒を採用して育成するのも、中途の経験者を採用するのも手段のひとつです。
だからこそ会社ごとに経営方針が異なるわけで、そこに善し悪しは存在しないと考えています。

「高還元SESは単独参画のみ」は事実か?

結論、事実ではありません。
弊社もそうですが、ほかの高還元SES企業で体制化に重きを置いているところを何社か観測おり、また単独参画のみの従来型のSES企業もたくさん存在します。
そもそも単独or体制参画には以下のようなメリデメがあるため「どちらが正解である」とは一概に言えないです。

<体制参画のメリット>
ベテランによる若手のフォロー(スキルチェンジ含む)
単独よりも契約終了となりにくい(最初に切られるのは貢献度の低い単独の人)
・体制提案を期待する顧客のニーズに応えることができる=ビジネスチャンスに繋がる

<体制参画のデメリット>
単独と比較し、案件獲得時の営業工数が掛かる
案件終了時の営業対象者が多く、営業工数が増大する
・社員間の相性の不一致によるトラブル発生のリスク

※単独参画におけるメリデメは上記の裏返しです

「高還元SESは育成を放棄している」は事実か?

結論、事実ではありません。
僕の考える「育成」とは「経験がないor浅い方に実務経験を積んでもらう」ことであり、それを達成する手段としてなるべくチーム体制で参画できるよう調整をしています。
他の高還元SES企業にも聞きましたが、体制化を図っている理由は同様でした。

成長速度に個人差はあれど実務の中でスキルは着実に身に付きますので、現時点で経験がないor浅いジュニア層のエンジニアだったとしても、数年後にはミドル層のエンジニアに成長することができます。
その結果、今度は別のジュニア層のエンジニアをフォローしてもらったり、より高単価な案件を獲得できるようになれば会社にとってもメリットがあるため、敢えて「育成をしない」選択肢を取る理由がありません。

なぜ誤解されてしまうのか?

高還元SESは「案件を選択できる」仕組みを取り入れているケースがほとんどなので、エンジニアが自由に案件を選ぶ=体制参画を意識していないというミスリードを招いてしまっていることが一番の要因だと思います。

当たり前ですが、案件を選べる=なんでもOKというわけではありません。
実務経験のない方からPMになりたいです!700万稼ぎたいです!と言われても難しいように、飽くまで「これまでの経験・スキルに応じて狙える案件の中から選べる」という意味合いになります。

ちなみに他社の営業手法は分かりませんが、弊社ではスキルセットおよび価値観の近いエンジニアをセグメント化して、顧客に対して体制提案しています。

弊社の実績

実例があった方がイメージしやすいと思いますので、弊社の実績をいくつかピックアップしました。

①新卒採用
21年卒の方を採用しました。
はじめて会話したのはたしか2020年の夏ごろで、当時は「新卒カードを切れるんだから、IT業界を目指すなら大手SIerを狙うのが安牌ですよ」と説明し、つぶしが利くLPIC1とJava Silverの取得もお勧めしました。
すると数か月後にはどちらも取得したとの連絡があり、驚いたことを覚えています(大体はアドバイスしても取らないのでw)。
結局、行きたかった会社から内定が出なかったということで、インターン先の事業会社の社内SEと比較検討のうえ、弊社への入社を決めてくれました。
現在はインフラエンジニアとして活躍しており、NFVの基盤システムの検証業務を対応しています。

②開発希望の未経験者
前職は携帯基地局の施工管理調整業務という非IT業務に従事しており、営業から「資格を取得したら開発案件にアサインする」と約束され、実際に資格を取得したものの約束を反故されたとのことで、弊社に応募してくれました。
取得していたのはJava Bronzeであり「それだとアピールとして弱いのでSilverを取得して欲しい」と伝えたところすぐに取得をしてくれた為、ベテランSEの配下に付ける形で開発案件にアサインしました。
その後も業務と並行して学習を継続し、Oracle Master SilverやAWS SAA等、合計4つのベンダ資格を取得。
そんな彼は現在、若手メンバを配下につけてフォローしてくれています。

③リモート希望のNWエンジニア
新卒で教育事業を展開する企業にて外部向けのインフラ研修をしたのち、CCNP取得後にフリーランスとして独立して通信キャリアのコアネットワーク構築および運用業務をされていましたが、リモートワークがしたいということで応募してくれました。
オンプレよりもクラウドの方がリモート率が高いことを説明し、リーダクラスのクラウドエンジニアの配下で作業いただく形を提案したところ、入社を決めてくれました。
現在2案件目となりますがいずれもAWS案件となり、入社前と比較し実務経験を語れるようになった為、約1年前の入社時と比較して年収が50万円UPしています。

最後に

人それぞれ価値観が異なるように、会社の方針も千差万別です。
弊社が体制化を図っている理由は「会社をスケールさせるため」でもありますが「僕がやりたいから」というのが大きいです。
別に体制化を図らないでも事業としては成立させることはできますので、これは僕のエゴでもあります(フォロー役を買ってくれているエンジニアと営業のみんなは苦労していると思います…いつもありがとうございます)。

なぜやりたいかというと、僕は学生時代~社会に出てからもずっと落ちこぼれでした。
そんな中、運良く未経験ながら前職から内定をいただき、早く周りの先輩達に追いつけるようがむしゃらに働きまくった結果、1年強で独立できるレベルまで達することができました。
つまり、今までチャンスに恵まれなかった人でも、きっかけがあれば変われるということを実体験でもって学ぶことができたのです。
そんな瞬間に立ち会えた時が僕にとってとびきりの瞬間であり、それを再現することをモチベーションに設立から現在に至るまで高いテンションを保ちつつ、事業を継続できています。

反面、厳しい言い方になってしまいますが特に努力をせず、やりたいことだけが先行している人に対して熱意をもって向き合うことは難しいです。
エンジニアが頑張ってくれた結果、顧客からの信頼を得て「テクニケーションからの提案なら若手でも受け入れるよ」となるわけですが、その貴重な枠はチャンスに恵まれない頑張っている人に与えたいからです。

長くなってしまいましたが、表面上の情報だけでなく、直接お話を聞いてみることで分かる事実もあると思っています。
「高還元SESって実際どうなの?」と思われている方はお気軽にご連絡ください。きちんと説明しますよw

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