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【デザインデータのカラーモード】CMYKとRGBの違い🎨

テックトランス内の仕事していると、皆様から御発注頂いた製品の製作手配だけでなく、ちょっとしたデザインを制作する機会が多々あり、元々デザインするのが好きな私としては、IllustratorやPhotoshopを使用して、仕事ながらけっこう楽しくデザイン作業をしたりします。

さて、デザインデータを作成する上での「基本中の基本」で、とっても重要な事があります。
(弊社に限らずですが)テックトランスにデザインデータを御入稿頂く際に、「デザインデータのカラーモードは『CMYKモード』で御入稿下さい」という注意点があるのにお気づきですか?

この時点でこんな疑問が浮かんだ方もいるかもしれません。

  • 「ん?CMYKカラーモード?」

  • 「なんかRGBモードってのも聞いた事あるような・・・?」

  • CMYKRGBって別に違いないんじゃない?」

  • 「そもそも、カラーモードなんていう概念があったんですか・・・?」


はい、今回のテーマはこれです。

\\\「CMYKとRGB」について。///

↑の2つの違いについてや、それぞれに適した用途もご案内します。

ただ先に結論から申し上げると、
『テックトランス』にデザインデータを御入稿頂く際は・・・

もう一度言います「デザインデータのカラーモードは『CMYKモード』で作成下さい。」


その理由を説明していきます。

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【カラーモードとは?】

まず始めに「カラーモード」についてですが、
簡単に言うと「色の表現方法」の事です。

CMYK/RGBそれぞれで表現方法が異なるため、再現できる色の領域「カラースペース」が違います。そのため「表現できない色味がある」「着色/表示できない媒体がある」といった違いがあります。

Illustrator/Photoshop共に、「CMYKモード」と「RGBモード」のカラーモードの設定を行う事ができます。
※Photoshopは「CMYKモード」と「RGBモード」以外に、「グレースケール」などのカラーモードを設定できますが、今回は割愛します。

IllustratorとPhotoshop等で制作するデザインデータは、様々な用途で使用されますが、カラーモードは最終的に出力(印刷)する媒体や使用用途に応じて、制作開始時に設定する必要があります。
媒体/使用用途の一例としては紙の印刷物やグッズ類への印刷、モニター画面上等があります。


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【CMYK】

■CMYKとは

CMYKは、色料の三原色の「Cyan(シアン)」「Magenta(マゼンタ)」「Yellow(イエロー)」の3色を組み合わせと、「Key plate(キープレート、≒ブラック)」を用いて色を表現します。
一般的にCMYの3色を「色の三原色」だったり「減法混合」「減法混色」などと呼ばれたりする色の表現方法となり、これらC(シアン)/M(マゼンタ)/Y(イエロー)の3色を混ぜていく暗い色味となっていき黒に近づいていきますが、完全な黒にはならない(濁った灰色の様な色味)ので、黒部分を表現したり、黒の部分を引き締めるためにK(キープレート)を使用して、各色を表現します。
この4色の濃度%の組み合わせで104,060,401色(約1億)の色を数値上では表現できますが、現実に見て違いが判断できる色となると1万~2万色程度言われていて、実際に頻繁に使用されているのはもっと少ないと言われています。
(写真画像などは、かなり細かい数値が着色されていますが)

■CMYKカラーはどの様に使われるか

CMYKの4色のインクを用いて色を表現し、実際の物や紙に着色をするので、一般的にはチラシやポスターや冊子/書籍、テックトランスの商品であればCDジャケット等の紙の印刷物、プレスディスクの盤面オフセット印刷などはCMYKカラーを用いて印刷されます。
(DICカラーやPANTONEカラーなど特色インクや、箔など)例外もありますが、一般的に市販されている商品で、紙で印刷された物はCMYKカラーで印刷されている物がほとんどです。


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【RGB】

■RGBとは

RGBとは、光の三原色「Red(赤)」「Green(緑)」「Blue(青)」の色を表現し、それぞれの頭文字から取られています。
PCモニターやTV、スマートフォンの画面などで表示される色は、この光の三原色を利用し表示されていて、この3色は混ぜるほど明るい色なって段々と白に近づいていくため、「加法混合」「加法混色」とも呼ばれます。

RGBは、CMYKに比べて表現できる色が多彩なことが特徴です。
1色につき256段階の明るさを設定できるため、256段階×3色=約16.8百万通りの色を表現できます。

注意したいのは、画面上で同じ数値になっていても、すべての人に同じように見えるとは限らないということです。モニターやディスプレイなどの再現方法や、MacやWindowsなどOSの違い、さらに周囲の明るさなどの環境によって実際の見え方が異なります。


■RGBカラーはどの様に使われるか

RGBの3色の光を用いて色を表現し、モニタ画面上で3色の光の量を変化させる事で色を表現しています。
上記でも書いた様にPCモニターやTV、スマートフォンの画面で色を表示されるために使用されます。

逆に言うとRGBは光を用いて色を表現するので、RGBの色味で紙などの物質に着色できないので、チラシやポスターやCDジャケット等の紙の印刷物の印刷の際には使用されません。
(=光で物質に色を定着させられない、着色する事できないため。)

これが理由で上記で書いた様に『テックトランス』にデザインデータを御入稿頂く際は・・・

重ねて言います「デザインデータのカラーモードは『CMYKモード』で作成下さい。」

という結論になります。

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【デザインデータ作成時】

「着色や色の表現が違うのは分かったけど、別にデザインデータを作る時のカラーモードなんて、別にどっちでも良いじゃん」って思うかもしれませんが、

いえいえ・・・、そんな事ありません。。。

この点こそが、何故デザインデータのご入稿時に「CMYKモードで作成して下さい。」とお伝えしているかの理由になります。

大きな理由としては、「RGBモードで作られたデータを使って、CMYKで印刷すると色味が『大きく変化』する」からです。
つまりデータ作成時のモニタ画面上と、実際の印刷物の仕上がり時とで色味に大きな差が出てしまうからです。
(特に鮮やかな色味、蛍光色系の色味など)

参考に↓の画像を比較してもらうと分かりやすいです。

◎RGBモードで作成/着色

上はRGBモードで作成と着色/保存したデータです。
これをCMYKモードに変換して書き出しますと・・・

◎PhotoshopでCMYKモードに変更し書き出し。


これ、特に色調補正はしていません。
単にPhotoshopでカラーモードをRGBからCMYKに変更しただけで、ここだけ色味が変わってしまいます。

理由は何度もお話している「色の表現方法が違う」からです。
こんなに変わっちゃうのは、デザイン作成時のイメージとは大きく異なるでしょうから、困りますよね・・・

それを防ぐために「CMYKモードで作成して下さい。」という事になります。
作成時開始時からCMYKモードで作成を行っていればあれば、作成時に意図した着色で製作を進めていく事ができ、モニタ等の設定にもよりますが、実際の仕上がりの色味とも大きな差が出づらくなります。
また蛍光色の様な鮮やかな色は表現できませんが、濃度%の調整次第ではCMYKでも多彩な色味を表現できます。

弊社によく御入稿頂くデザイナー様で、着色濃度の組み合わせが上手で、いつも色彩豊かな色味のデザインのデータをCMYKカラーで作られる方もいらっしゃいます。
(鮮やかに見せたい色味の背景をわざと暗めにされていたり、毎回本当感心させられます・・・正に腕の見せ所・・・)

というわけで鮮やかな色味を「モニタ上で」表現できるRGBカラーでデータを作りたくなる気持ちはありますが、「リアルの製作物」を作る際に「CMYKモードで作成」という事を頭に入れておいて下さい。


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【最後に】

今回は「CMYKとRGBの違い」「データ作成時のカラーモード」についてnoteを書いてみました。
もちろんRGBモードが悪いというわけではなく、デザインデータを作成する際に、最終的な使用用途に適したカラーモードが大切です。

逆にWeb媒体向けのデザインデータ、例えばバナー等を作られる際は、RGBモードで作成し始めた方が適しています。
紙の印刷物やWeb媒体など、複数の用途で使われる可能性もあると思います。
(Web上で使用していたイラストを元に、印刷物のデータを作成したり)

そういった場合は、それを考慮した上で制作される、ある程度の色の変化を想定されたり、可能なのであればモードを変えられたタイミングで色調を調整された方が良いかもしれないですね。