海洋プラスチック汚染について考える
プラスチック汚染問題について知っていますか?
恥ずかしながら私は、2023年に入るまでそんなことを知らずに暮らしていました。
「ゴミが多いからみんなでエコしましよう」程度です。
しかし太平洋ゴミベルトという存在を知り、私のプラスチックゴミへの意識ががらりと変わりました。
◎太平洋ゴミベルト
太平洋ゴミベルトとは、おびただしい量のプラスチックゴミが溜まっているアメリカ合衆国のカリフォルニア州の沖合にある巨大な海域です。
海に流出したプラスチックゴミが海面をただよい、何千kmもの長い距離を海流や風に流されてここにたどり着くわけです。
よく見られるプラスチックゴミは
ペットボトル
たばこの吸い殻
レジ袋
フタ、ストロー、マドラー
発泡スチロール
漁網
普段よく使っているものが多いのが分かります。
ドキッとする人も多いのでは。
なにを隠そう、私もその一人です。
また2016年の世界経済フォーラム(ダボス会議)では「2050年までに海洋中のプラスチックゴミの量が、重量ベースで魚の量を超える」との報告がありました。
それほどプラスチックゴミ汚染は深刻な問題なのです。
◎海洋プラスチックゴミの発生原因
海に漂うプラスチックゴミは3つの種類に分かれます。
1. 陸上ゴミ
海洋ゴミの80%以上が陸上から流出するプラスチックゴミです。
豪雨などの影響で陸上にあるプラスチックゴミが流され海に流出します。
また道路上のプラスチックゴミが排水溝から海に流出したり、海辺で遊んだ人たちが残したプラスチックゴミが流出したりするなどの理由もあります。
ゴミの種類としては、
ペットボトル
容器包装用のプラスチック
バケツなどのプラスチック製品 など
2. マイクロプラスチック
大きさが5mm以下の小さなプラスチックを「マイクロプラスチック」といいます。
マイクロプラスチックには大別すると2種類に分かれます。
はじめは大きなプラスチックだったものが、砕けたり劣化したりすることで5mm以下になったもの
はじめから5mm以下のもの
合成繊維が洗濯により剥がれ落ちたもの
摩耗により微細になったもの(自動車のタイヤ、道路の路面標識など)
パーソナルケア製品に入ってあるマイクロビーズ など
3. 海洋ゴミ
魚網や漁具などが壊れたり、波にさらわれたりして海に残ったもの
船から捨てられたプラスチックゴミ
大型船からの汚水 など
◎野生動物への影響
プラスチックゴミが野生の生物に与える悪影響はとても大きいです。
たとえば海の中に漂うプラスチックを、魚などの海の生き物がエサと間違えて食べてしまう。
すると体の中にプラスチックが残りつづけ、エサが食べられなくなったり栄養が十分取れなくなったりします。
またプラスチックゴミがからまって泳げなくなることも。
野生の生き物たちは、からまったプラスチックゴミを自力で取り除くことはできないので生死の問題になります。
漁網にからまったウミガメや、お腹から膨大なごみが見つかったクジラの死体のニュースなどを見たことのある人も多いのでは。
プラスチック汚染は多くの海洋生物を絶滅への道に追い詰めているのです。
◎私たちへの影響
プラスチックを取り込んだ魚を人間が食べてしまう。
すると私たちの体の中にもプラスチックが入りこんできます。
人の体への影響があるのか気になりますが、現時点では、プラスチックが人の体に有害との結果は出ていません。
しかし、プラスチックに有害な化学物質が添加されていたりします。
その化学物質の害が人の体に及ぶ可能性が十分にあると言われています。
「プラスチックは人体に有害である」という研究結果が出てくる日も近いのかもしれません。
◎世界での取り組み
深刻なプラスチック汚染問題ですが、世界でどのような動きがあるのでしょう。
SDGsの17の目標の一つに「海洋・海洋資源の保全」が設定
G7シャルルボワ・サミットにて「2030年までにすべてのプラスチックをリユース・リサイクルする」などをまとめた『G7海洋プラスチック憲章』を承認
オランダのNPO団体オーシャンクリーンアップが、太陽光などのクリーンなエネルギーを活⽤して海洋ゴミの回収 など
各国や団体で、プラスチック汚染問題の解決を重要な課題として活動を進めています。
◎私たちにできること
ここからは、私たちができるプラスチック汚染対策を紹介していきます。
一人ひとりが少しずつでも始めていくと、プラスチック汚染は確実に減っていきます。
私たちの未来のために一緒にがんばりましょう。
◆分別してリサイクルをする
現在の日本では当たり前のように言われてきましたが、きちんとプラスチックゴミを分別してリサイクルに出すことが大切です。
「各自治体のゴミの分別方法で決まっているから」でなく、「私が海を守っている」と思えばきっとがんばれます。
まずは少しずつからで大丈夫です。
100%できていないからダメだと思わず、続けることを大事にしましょう。
◆マイボトルを使う
ペットボトルの代用として、マイボトルを使うのも有効です。
1日1本のペットボトルを飲むと考えると、年間で365本、それを5年間つづけると1825本となります。
ばかにならない量のペットボトルの削減につながります。
もちろんマイバックなど、日常でよく使うプラスチック製品を他の物で代用するのもとても良いです。
ムダなプラスチックは使わないことを徹底しましょう。
◆環境問題に取り組む企業を応援する
脱プラスチックなどの環境対策に力を入れている企業はたくさんあります。
2030年までに、製品に使用するプラスチックをリサイクルプラスチックまたは再生可能プラスチックのみにする活動を進めている北欧家具のIKEA。
『キットカット』の外袋を2019年にプラスチック包装から紙包装へ変更したNestleなど。
そんな企業がいつまでもがんばっていけるように、応援しましょう。
やり方は簡単です。
環境対策に力を入れている企業の商品を買うこと。
これが一番の応援になります。
◎おわりに
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
プラスチック汚染問題の解決に向けて、なにかひとつでも行動してくれる人が増えると幸いです。
一緒にがんばりましょう。
私たちの地球が少しでも良い方向へ行けるよう願っています。
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