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そこに無ければ…

ワタクシの行動圏内に近頃DAISOの新店舗が出来た。

「そこに無ければないですね」


一時期ネットの海で盛んに用いられていた言い回しのひとつで、求める品を訊ねられたDAISOの店員による素っ気無い返事…と言う呈であるが、ワタクシ自身は幸いと言うべきか、このような回答を為された事はほぼない。寧ろ近頃のDAISOの店員は極めて親切な方が圧倒的に多く、店頭に求める品の姿が無いとわざわざ倉庫まで探しに行って下さる方まで居る。豊富な品揃えに加え、こうした顧客に寄り添った丁寧な接客姿勢こそが、DAISOの人気の秘訣なのだろうと思う。

DAISOのありがたいところは他にもあって、例えば食糧品の品揃えが極めて多彩なところも見逃せない。国民負担率が5割に迫る不景気にあって、安定した価格で買える食糧品ほどありがたい存在は無い。
ワタクシも、以前は食糧品については100円ローソンを利用する事が多かったが、近頃では卵や野菜、精肉を買う時以外は極力DAISOか業務スーパーを利用するようにしている。その方が経済的だからだ。
しかも、DAISO(や、競合店舗のCanDo)で売られている食糧品の殆どは長期保存が可能な缶詰やレトルト食品である。つまり買い溜めが利くと言う事だ。財布が寂しくなった時や体調不良で外に出られない時に、食糧品の備蓄の有無はメンタルの向上に大いに作用する。何なら震災時の備蓄にも転用出来るだろう。

因みに、ワタクシの趣味のひとつである折り紙だけは、DAISOとは別の100円ショップに大いに依存している。Seriaである。Seriaは100円ショップの中でも特に手芸やクラフトに注力しており、ラッピングペーパーやヴィンテージペーパーの種類がDAISOやCanDoよりも豊富である。何なら店舗に依っては折り紙用紙でさえも他の競合店の追随を許さぬ豊富さを誇る。これはワタクシには大変ありがたい事なのだが、Seria的にはDAISOやCanDoとの競合の際、些か不利になるのでは無かろうか…等と考えたりする(余談だがコンビニや100円ショップでは狭い地域に店舗が集中する場合、共倒れにならないよう店舗間である程度協議して、品揃えの重複が起きないよう調整する制度があるらしい。共利共存の為の上手い仕組みである)。

ところで、ワタクシと100円ショップを巡る思い出話をひとつ記して本記事は締めたい。

レンジで温野菜を作る容器が欲しいと思い、近所のCanDoに出向いた。陳列棚を物色したがそれらしい品物が無かったので帰ろうとしたら、店員の女性が「何かお探しですか?」と声をかけてくれた。折角なので来意を告げると、女性は恐縮したようになってひと言…。

「多分、お求めの品物ですが、DAISOさんにならあると思います」


後に近隣のDAISOにて目的の品物は無事に手に入れたが、実はCanDoの店員がこうして客に対しDAISOに行くよう勧める事は決して少なくないのだそうだ。以前CanDoの店長職に長く従事していた知り合いが教えてくれた。これは少しだけ意外であった。

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