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阿蘇山が生んだもの

 阿蘇カルデラは、屈斜路湖に続く日本2位の規模のカルデラ。東西約18km、南北約4km。

 中央部は高岳(1,592m)を最高峰に根子岳(1,433m)、中岳(1,506m)、烏帽子岳(1,337m)、杵島岳(1,321m)と連なっている阿蘇五岳、外側を900mの高さの外輪山が周囲約68kmで囲んでいます。

 阿蘇山によって、温泉だけではなく、熊本市民のオアシスや神々の集合場所を形成し、現代人は恩恵を受けています。

阿蘇カルデラ

 阿蘇山の誕生は、27万年前〜9万年前の間で4回にわたって巨大な噴火を起こしました。いくつかの小さな火山が同時に活動開始。どの火山も活発で、火山灰、軽石、火砕流など火山噴出物を出し、九州一帯まで覆い、低地を埋めました。とくに、火山噴出物を出し尽くしたマグマ溜りは、空洞化し、大陥没を起こしてカルデラを形成。陥没したそれぞれの火山の山裾のふちがつながると、外輪山の内壁が円弧をなして連なっています。 このカルデラに火口湖ができましたが、現在の立野付近で断層や侵食がくり返され、外輪山の一部が崩壊し、湖水が流れ出ることによって東西18km、南北が25km、周囲128kmもの広大なカルデラ地形が誕生しました。

 内側の阿蘇五岳の山々は3万年から5万年前に東西方向に並んで噴出して誕生。高岳(1,592m)を最高峰に根子岳(1,433m)、中岳(1,506m)、烏帽子岳(1,337m)、杵島岳(1,321m)と連なっています。中岳は今も噴火活動が活発であり、最近では2021年10月20日に小規模の噴火が発生してます。

 カルデラ内には約5万人が生活しています。カルデラ周辺には人々の手により1000年以上に及ぶとされる採草と野焼きによって維持されている広大な草原。特に、烏帽子岳の中腹にある山に囲まれたくぼ地の草千里ヶ浜は阿蘇山のパワーを感じられるヒーリングスポットとして人気です。さらに、現在も活動を続けている中岳の火口も間近で観察できます。中岳山頂付近は車道も整備されており、「ヒールで行ける火山」として知られています。
※2022年5月現在、火山活動が活発なため、立ち入り禁止。



温泉

 阿蘇山周辺では、温泉地も存在。古くから美肌の湯として人々に親しまれていました。

内牧温泉

 カルデラ内にある内牧温泉は、阿蘇観光の拠点として昔から観光客でにぎわいます。泉質は「アルカリ性単純硫黄泉」、「硫酸塩泉」。やや濁った温泉が名物。火山が近く、硫黄成分があり、ぷるぷるハリのある美肌が期待できます。

高森温泉

 阿蘇五山の一つ、根子岳から湧き出る温泉。つるツヤ肌の効果が期待できます。
「アルカリ性単純硫黄泉」など20もの源泉が見られます。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

黒川温泉

 北部の黒川温泉では、3ヶ所露天風呂に入浴できる入湯手形や
泉質は「アルカリ性単純硫黄泉」、「硫酸塩泉」。

湧水

 阿蘇山が生んだ火山地形、先人の水田政策などにより、熊本市の上水道は、湧水で賄われています。阿蘇地方も清らかな湧水で癒しも与えられます。
 人々と湧水の共存は、下記記事に記載してます。


高千穂峡

 シンボルである真名井の滝や柱状節理がの渓谷美が有名。これらの渓谷美は、27万~9万年前の4度にわたる阿蘇山の巨大噴火によって噴出した火砕流が冷え固まり、川などで浸食されて誕生しました。全長7kmにも及ぶ渓谷美。
 神話との関係は、下の記事を読むと分かります。

今あるものも、長い歴史をかけて築き上げたものも、はかなく一瞬で崩壊します。毎日毎日大切に、感謝の気持ちを持ちながら行動しましょう。





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