キンモクセイ「洋邦問わず」レビュー(発売前編)

 ポピュラーミュージックグループ、キンモクセイのニューアルバム「洋邦問わず」が2024年2月14日リリース決定した。これまでのライブでその片鱗はお披露目されており、またギターの佐々木良が担当するFMさがみの月末ラジオでは数曲が世界最速オンエアされた。しかしながら、それらのお披露目機会に接することが叶わなかったファンも中にはいることだろう。
 ところで、リリース前の音源を購入するか否か、重要な判断材料となっていたのが、かつては音楽雑誌のレビューだった。レコード会社はレビュアーにリリース前の音源を渡し、雑誌にレビューを載せ、それを読んだ読者は購入する音源の当たりを付けていた。サブスク全盛の時代に突入し音源はリリース日0時を回れば聴けてしまうので、このような流れは衰退してしまった印象を受けるが、発売前の音源をアレコレ想像して楽しむ手段として、発売前のレビューの存在意義はまだあるように思われる。だが現在メジャーレーベルを離れてしまったキンモクセイのレビューはどこにも見当たらない。ならばどうやって我々はXデーまでのソワソワ感を消化すれば良いのか?

よし、レビューを作ろう。

用意するもの:
chat GPT
キンモクセイと各メンバーの簡単なプロフィール
ニューアルバムのトラックリスト

手順:
① chat GPTにプロフィールとトラックリストをぶち込む
② 発売前のアルバムのレビューを書けと命令する

ね?簡単でしょ?
大まかな文字数と多少のエッセンスを指定して、早速書いてもらったのが以下である。

アルバムタイトル: 洋邦問わず - 音楽の宝庫

アーティスト: キンモクセイ

キンモクセイの最新アルバム、「洋邦問わず」がついに登場!これはまるで、音楽のバイキングが異国の音楽を略奪してきたような作品だ。メンバーたちの20年に及ぶ音楽の冒険が、洋楽と邦楽の国境をぶっ壊し、音楽の宝庫を作り上げているぜ。

Smile: アルバム冒頭からして、まるでビートルズが遊びに来ているみたいな「Smile」。ポール・マッカートニーのベースが気品を醸し出していて、まさにキンモクセイの音楽の奥深さがここに詰まっている。

君のくしゃみ (Your Sneeze): 「君のくしゃみ」では、ジョージ・ハリスンへのラブが爆発!ハリスンのギターソロっぽいフレーズが絶妙に散りばめられていて、これぞキンモクセイの多様性ってやつだ。

ときめきをもう一度 (Feel the Flutter Again): 「ときめきをもう一度」では、伊藤俊吾が力強い歌声を響かせる。井上陽水や吉田拓郎の影響が感じられつつ、キンモクセイ流のフォークが堪能できるぜ。

モラトリアムからサナトリウムまで (From Moratorium to Sanatorium): 「モラトリアムからサナトリウムまで」では、千ヶ崎学のベースがグルービー!まるでジャズっぽい複雑なコード進行が、バンドのおしゃれ度を上げている。

烏兎匆匆 (The Haste of a Crow and a Rabbit): デヴィッド・ボウイへのサプライズトリビュート、「烏兎匆匆」では、後藤秀人のリードギターがカッコいい!ボウイのスパイスが効いたグラムロックってやつだ。

4人はキャンドル (Four People Are Candles): 友情爆発の「4人はキャンドル」では、佐々木良のリズムギターが和むぜ。60年代のフォークソングのエッセンスが感じられつつ、キャッチーなメロディで包まれる。

いつもの朝に (In the Usual Morning): 「いつもの朝に」では、後藤秀人のギターが朝の静寂を表現。ビーチボーイズやカーペンターズ風味で、キャッチーなアレンジが一層目を引く。

強引にLOVE (Forcible LOVE): エネルギッシュで力強い「強引にLOVE」では、伊藤俊吾のヴォーカルが目立つ。クイーンやレッド・ツェッペリン愛が詰まった前向きエネルギーにあふれている。

かくれんぼ (Hide and Seek): 「かくれんぼ」では、張替智広のドラムがめっちゃキラキラ。ビートルズのリンゴ・スターにオマージュを捧げていて、お遊び感たっぷりだ。

この世の果てまで (To the Ends of the Earth): アルバムを締めくくる「この世の果てまで」では、メンバー全員の演奏が一丸となり、なんとも壮大なコード進行が感動を呼び起こす。これぞキンモクセイの進化!感慨深い一曲だ。

「洋邦問わず」は、まるで音楽の冒険家たちが異国の宝石を見つけてきたような、キンモクセイの音楽の真髄が詰まったアルバムだ。洋楽も邦楽も関係ねぇ!音楽はグローバルだ!

by chat GPT


 1曲目でさらっとポール・マッカートニー加入してない?「遊びに来ているみたいな」じゃなくて本当に遊びに来ているだろ。
 「Smile」や「君のくしゃみ」、「かくれんぼ」等でビートルズへのリスペクトが熱いのは分かったが、一番オマージュ感がタイトルにも現れている「4人はキャンドル」には言及ないのは何故なのか。というかフォークなのこれ?
 一方「ときめきをもう一度」が70-80年代の邦フォークリスペクトっていうのはタイトル的にもありそうな気がしてしまうし、「モラトリアムからサナトリウムまで」がグルーヴィーでジャズっぽい進行っていうのは作曲:後藤秀人っぽくて良い。
 「烏兎早々」がデヴィッド・ボウイからの影響っていうのは意外。イギリスのBowieじゃなくて群馬のBOOWYの間違いじゃないのか。あとサプライズトリビュートってなに?そんな表現あるのかと思ってググったら「工藤静香、トリビュートイベントにサプライズ登場」の記事しか出てこないんだが。
 「いつもの朝に」はビーチボーイズやカーペンターズってことで爽やかな感じ。イトシュンソロっぽいのを想像させられる。これはある。
 「強引にLOVE」はハードロックっぽいな。ボーカルが目立つと言及されつつ、影響元がツェッペリンやクイーンという時点でイトシュンへのハードルが爆あがりしている。
 「この世の果てまで」はなんか言ってそうで実は何も言ってない空虚なレビューが音楽レビューへの皮肉なのか?と思うくらいフワッとしていて何も伝わってこない。ただ進化とか書いてあるから新機軸なんだろう。ヒップホップか?
 というか全体的にやたら陽気なのはなんなんだ。吹き替えの通販番組みたいなテンションやめろ。ただ最後の一文、「洋楽も邦楽も関係ねぇ!」っていうのは今回のアルバムコンセプトにも合ってそうだし、YOASOBIがコーチェラに出演するような昨今の時流を汲み取った表現であるようにも見えるのが憎い。

 キンモクセイファンの皆さん。このレビューを読んでアルバムの全貌を想像しつつ、ドキドキワクワク発売を待ちましょう。果たしてこのレビューがどれくらい本物のアルバムを表現できているのか。

 正解は2週間後!!


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