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fab、それからメディテーションベンチについて

farmtory Advent Calendar 2018 12月17日の記事です。

はじめに

「お茶の木を育ててお茶を作って飲む」
この一文に強くこころ動かされ、今年の7月からfarmtory-labに参加しています。

あ、それって作れるんだ!という気付きと、デジタルファブリケーションの可能性についての驚き、知ってるのと実際目にするのでは大違いで、「できるのは知ってたけど、実際見てみるとすごい」の連続です。
「柱のキャップって3Dプリンタで作れるんだ!」「MDFを網目状に穴開け加工すると折り曲げて使える、なるほど」「基板って設計&デザインして発注できる、5ドルくらい」「布にカットした木材を貼ると、柔軟性と強度とを兼ね備えることができる、木材はレーザーカッターで加工」

1から10まですべてを解説した作り方があれば、実行すればいいだけなので、それはとても簡単なことですが、なにもレシピがないところから考えて、形にしていくことはとてもわくわくします。

なにか欲しいものがあったら、まず作ってみるのが楽しいです。

今年作ったもの


今年作ったもののうち、メディテーションベンチについて。

メディテーションベンチは正座するときに使うベンチで、この上に座ります。(こんな感じ)

わたしは日常のなかに、通常とは異なる意識状態の時間を定期的に持つという目的で、瞑想をおこなっています。パーティで踊るとかゲーム空間に没入するとかでもいいと思います。瞑想のよいところは、他のなにかの力なしに、短い時間で、いつでもどこでもリーガルに意識が変えられる点です。

数年前に参加した瞑想のセッションの後の歓談で、長時間座っていると足がつらいという話題になり、参加していたメンバーの一人(アメリカ人女性)から「メディテーションベンチを使うといいわよ」とおすすめいただいたのが出会いです。「自分で作ると、サイズもちょうどいいし、なにより自分自身のためにもなるわ」とも。
その時は「メディテーションベンチとは?」と、どういうもののことだかわからなかったのですが、検索してみるとたくさん例がでてきます。メディテーションベンチは、正座の習慣が無い文化圏では、ポピュラーなもののようです。

「自分で作るといい」とのおすすめをいただいたので、さらに作り方を調べてみると以下のようなエントリーが見付かりました。

Etsyにも、かなりの数が出品されています。

これらを参考に、作ってみました。

プロトタイプその1

1脚目はこちら。2012年の作です。

ベンチの構造は大きくわけて、次の2種類があります。

1. 椅子座面の両側に脚があり、間に足を入れて座る
2. 椅子座面の中央に脚があり、挟み込むようにして座る

設計上で重視したのは次の点。

 - 脚を取り外せる、もしくは畳むことができ、小さくまとめてどこへでも持ち運びできること
 - 脚に丸みがあって可動性があり、姿勢を固めてしまわないこと

プロトタイプ1は、構造としては1を採用しました。
14cm幅15mm厚のMDF材を、座面と脚×2にカットし、座面と脚は蝶番で留めています。

これは、座る時に足が窮屈だったのと、椅子の脚を畳む時に大きな音がする点がいまひとつでした。
畳む時の音については、蝶番で脚が固定されないことと、素材が15mm厚のMDFだったことから、拍子木のような盛大な音が鳴ったのではと思われます。

座りごこちはまあまあだったのですが、1年程度しか使われませんでした。

プロトタイプその2

2018年の製作にあたっては、その1から、以下の点を改良することにしました。

 - 構造その2で設計する(椅子の両脚の間に座るのではなく、脚を挟み込むように座るデザイン)
 - 素材には、MDFではなく、密度の低い木材を使用する

プロトタイプ2がこちら。

12cm幅14mm厚のヒノキ集成材を使用。真ん中の脚は、嵌め込んで自立するようにしました。
取り外し可能で、平たくまとめて持ち運ぶことができます。
木材のカットは東急ハンズ新宿店におねがいしました。

作り方はinstructablesで公開する予定です。

最近のメディテーションベンチ界ニュース

kickstarterで、今年の11月から12月にかけてOmBase Meditation Benchというプロジェクトが行なわれていました。

Etsyなどで見かけるものは木製がほとんどなのですが、こちらは樹脂製で折り畳み可能、脚の高さも調節できるというかなり良さそうな製品で、無事目標額を達成していました。

すでにクローズした後で知ったので、サポートはできなかったのですが、来年市販されるようなことがあれば、ぜひ入手してみたいと思います。

まとめ

1. メディテーションベンチ、作るもよし、買うもよし。ひとりに一つおすすめできる小物です!

2. 来年はデジタルファブリケーションします!

Happy fabrication & meditation!

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